14話 テクニシャン?
今日から使用人棟で人が暮らせるようになりました。
私も移動しないといけないですね。
リード様のお言葉に甘えて本棟にずっといましたけど、仕事仲間の手前きちんとわきまえないといけません。
籠の中に衣装などを詰めて部屋を片付けます。
籠3つ分の荷物になりました。籠を1つ持って、あとはぷかぷか浮かばせて移動しましょうか。
部屋を出たところでリード様がいました。
何か用だったのかしら。
「シーラ、荷物運ぶのか?手伝うぞ」
「はい。お部屋を使用人棟に移動しようと思って」
「…使用人棟に?」
「そうですよ」
やっと人が生活できるようになったんですから。
リード様が浮いている荷物を持ってくれます。
「こっちから行こう」
近道があるのですね。後ろを追いかけます。
「シーラ」
リード様が私の持っている荷物を持ち上げて床におろしました。
あれ?ここ、リード様のお部屋です。
「シーラは今日からここでいい」
え?
気がついたら、抱き寄せられてリード様と唇がくっついています。
く、口づけですよ。口づけ。
あの、ところで息ってどうやってするのでしょう。
思わず息を止めてしまいましたから、今から息をすると鼻息が思いっきりかかりそうで恥ずかしいです。
こいつ鼻息荒いな、って思われるのイヤです!
首を振って避けようとしても押さえられてしまいます。
ど、どうしましょう。このままだと、鼻息荒いな、です。
バンバン叩きます。
え〜い、離さんかい!
…ってなんだか朦朧としてきました。
あれ?私とリード様って戦ってたんですっけ?
理由はなんだったかしら。
って、もう限界です…目の前が白く、な…り…
…お、おい!シーラ!しっかりしろ!
って、え?これってもしかして…俺、テクニシャン…?まじかよ…
ってこの場合、ソファで休ませるのか?
いや、一緒にベッドで…い、いやいや。さすがにまだ早いだろ、俺。
へーわですわね〜 byリディア
お食事のご用意ができましたよ〜。




