13話 使用人棟
美男美女の使用人ばかり、ぞろぞろと引き連れて帰ってきました。
私は先に行ってお片づけをしないといけませんから、先を急ぎます。
リード様がみんなを使用人棟に案内してくれるようです。
「掃除はされてない。手つかずだ。覚悟してほしい」
後ろで何か説明しているようです。
使用人棟に着きましたわ。これでは可哀想ですものね。
まずは、窓、開きなさい。
バタンっ
風よ、ホコリと蜘蛛の巣を吹き飛ばしなさい!
ビュン!バサっ!ぶわっ
流石に広いところを一度にやると、魔力残量が心もとないですわね。
ごっくん。
思わず飲んじゃった…回復薬…。
急いで魔力をつかいましょう。暴走する前に!
ピカピカ洗剤水スペシャル!
バチャンっ!ゴボボ、がババっ!
え、え〜と乾け!
生い茂った草よ、ツタよ、一カ所に集まりなさい!
ベリバリ、ボガベキ。
ふ〜。できました。
真新しく見える程の使用人棟になりましたわ。
あら、みんなもう着いたのね。間に合ってよかったです。
「さあ、みなさんこちらが使用人棟ですわよ」
あ、あれ?みんな焦点が合ってませんよ。
「前から、何か違うとは思ってましたけど」
「本邸で仕事が楽だった理由はコレですか」
みんなが何やら言っています。
「なるほど、俺の感性は間違ってなかったんだな」
しみじみリード様が何かに納得しています。
え〜と何かしら。
あ、
「ご、ごめんなさい。みなさんの服が濡れてしまったのね?」
それで呆然としていたのね。
乾け〜!
乾いたようです。ごめんなさい。
頭を下げて上げると、ロドリゲスを先頭に、使用人たちが片膝ついて、胸に手をあてています。
「シーラ様に一生ついていきます」
って、ええ?何がおきてますの?
というかリード様、
「私で本当にいいのですか?他にも美女がたくさんいますわよ」
ここにほら、たくさん連れてきましたからね。
リード様は女性に免疫がなかっただけだと思いますもの。
それはそれでちょっと寂しいですけど。
「キレイだったりかわいかったりする女は他にもいるかもしれないが、シーラ以上に衝撃を与えてくれる女なんて他にいないと断言できるぞ」
使用人たち一斉にうなづきました。
私、目立たぬ地味女ですのに…なぜ?




