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甘い香りに気をつけろ  作者: ほろ苦
3/9

変質者と私と警察の人 3

少し話しがそれます!

 年末決算大セール


 そんなうたい文句のテレビCMに踊らされて休日の日、私はお気に入りのワンピースを着てオシャレをして一人大型ショッピングモールに足を運んだ。

 年末ボーナスが入って、ちょっと気が大きくなっているのもあるが、真面目に働いているのだ。

 たまには自分の好きなモノをドーンっとご褒美に!っと思ってショッピングモールに来たのだが、優柔不断な私は一人で買い物に行くと無駄に時間が過ぎ、結局なにも買えないでいた。

 私が勤めている会社は平日水曜日が定休日なので、ショッピングモールの人もさほど多くなくカフェでコーヒーを飲みながら行きかう人々を眺めて悩む。

 うーなにか欲しい、なにか欲しいが……


 ぼーっと眺めていると一人の男の人と目が合った。

 長身でニットをかぶりグレイのパーカーにデニムのパンツを履いて赤い斜め掛けリュックを背負った今風の男の人は立ち止まり目を見開き私をジッと見ている。

 私はとっさに目を逸らしテーブルに置いてあるコーヒーに視線を移した。


 しまった……


 人をジロジロ見るなんて失礼だったと反省して気まずくなる。

 駄目だ、今日はなにをやってもダメな日なんだ。

 なんだか物欲も冷めて、諦めて帰ろうと決心して残りのコーヒーを一気に飲み干し返却カウンターに下げた。

 大型ショッピングモールの駐車場は上層階にあり、私はエレベーターを待っていると背後に他の客が来たことに気が付く。

 たいして気にはしてなかったが、エレベーターの扉のガラスの部分に反射して私の背後に立っている人が映った。

 パーカーのフードを深くかぶり私の真後ろにピタリと立っている大柄の男に違和感を感じたのだ。

 ショッピングモールに買い物に来たという雰囲気ではなく、フードの下から見える口元が何処か陰湿な笑みを浮かべている。


 ……なんかヤバいかも……


 変な汗がにじみ出る。

 直感的にこのままこの人とエレベーターに乗るのは危険と感じ、自然を装ってエレベーターに乗るのをやめてエスカレーターの方に向かうと怪しい人も私と一定の距離を保ったまま着いてくるのがお店のショーウィンドーガラス越しに見えた。

 今まで変質者に出会ったことはあったけど、追われるなんて事はなかったので血の気が引くような恐怖が襲ってくる。


 どうしよう、どうしよう


 警備の人に助けを求めようか?

 でも、何かされた訳でもないし、偶然私の後ろを歩いているだけかも……

 ショッピングモールを一周まわっても後ろについてくる偶然って…あるわけない!

 とにかく早く帰りたい私は角にあるファッション店に入り違う通路から出て怪しい男を振り切る事にした。

 お店を出ると急いでエスカレーターを駆け上がり自分の車を駐車している階に向かう。

 エスカレーターは途中の階までしかなくエレベーターという密室は避けたいので仕方なく階段を使い駐車している階を目指すと、下の方から私とは別の階段をあがる足音が聞こえる。

 他に階段を利用している人がいるだけよ……

 臆病になっている自分を励まそうとしていたが、その足音がだんだんと早くなり、まるで私を追っているように感じて振り返ると怪しいパーカー男がにやりと笑っていた。

 恐れていた恐怖が本物となり、私は心臓が止まりそうになった。


 やばい!これは本当にやばいやつだ!


 全力で階段を駆け上がり、駐車場に駆け出す。


 車!とりあえず自分の車に入り鍵さえかけれれば何もされない!


 少しパニック状態になっていた私は単純にその事しか考えられないでいた。

 オシャレしてヒールがある靴を履いてきた事に後悔しながら全速力で車の所まで走る。

 もう少しで自分の車にたどり着くと思った瞬間、肩を力強く掴まれ

 血の気が下がり、恐怖のあまり涙目になる。

 こうなったら……私は持っていたカバンを持つ手に力を込めて、肩にかかった手を思いっきり振り払い顔めがけてカバンを振り切る。


 バン!!


 見事に顔に当たり横によろめき体制を崩している男を見るとさっきの怪しい男ではなくカフェで目が合った今風の男が顔を押さえうずくまっていた。


「……あれ?」


「~っ……」


 私が駆け上がってきた階段からもう一人男の人が出て来た。

 シャツにジャケット姿の爽やかな男の人はさっきの怪しいパーカー男の手を背後に回し捕まえているようだ。


「水吉ー大丈夫か?」


 笑いを堪えながらこちらに話かける男の人にうずくまっていた今風の男の人が片手をあげて応えて立ち上がる。

 私はびくびくしながらその男の人を眺めているとカバンで叩かれた顔の部分は赤くなりじろりと睨んできた。


「……警察です。変質者の確保にご協力ありがとうございます。話を少し聞きたいので事務所に同行お願いします」


「は、はい」


 ぎくしゃくしながらぶっ叩いた警察の人の後に着いて行くと「無事で良かった」っと小さく呟いた声が聞こえた。

 どうもショッピングセンターに変質者の被害が出ており、私服警官が警戒をしていた所に私を狙った変質者に気が付き逮捕に至ったらしい。

 私は何も被害がなかったので名前と住所だけの簡単な調書作成だけで帰してもらえた。

 帰り際まで私に付き添っていた警察の人はずっと私を見ているような気がして居心地が悪いし、散々な休日となった。

読んで頂きありがとうございます(*´ ˘ `*)

やっと刑事が出てきました!

展開がスロー過ぎて、つまらなくなっている感じがしますね……

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