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魔力と魔術

最初ですので説明多めです





私は、私のオリジナル魔法が何なのかミカと調べようとしていた。

しかしーーー


「とは言ったものの、魔力の流れを感じることを優先しておいた方が良いかもしれませんね。魔法は魔力を必要としませんから、魔法ばかりに頼りがちです。ハルカ様にはそうなっては頂きたくありませんからね」


すげえ、魔法は魔力を使わないのか。生まれもった魔法で強さがほぼ決まると言っても過言ではないな…。


「魔法は魔力を使いません。魔力が必要となるのは魔術を使う際になります。魔術に込められる魔力が多ければ多いほど、オリジナルの魔法に近い魔術になっていく訳です」


なるほど。魔力総量が多ければ、その分魔術に込められる魔力が増え、オリジナル魔法に限りなく近付けることができるということか。


となると魔力をひたすら込めまくれば、魔術は魔法を超えることができるのだろうか?そこは要研究である。


「というわけで、早速魔力の流れを感じてみましょう。自らの身体をぐるぐると回っている不思議な力を探してみてください。おそらくそれが魔力でしょう」


テ、テキトーだな…。この世界の人たちはその説明で分かるのか?優秀な家庭教師とかいう話じゃなかったのか?


彼女の家庭教師能力に疑問を抱きつつも、魔力の流れを感じることにした。随分と抽象的な説明をされてしまったが、流れを感じることはつい先ほどやったことなので簡単に出来る。


「感じましたか?それが魔力です。貴方はまだ赤ん坊なので魔力総量はとても少なく、魔力の流れはとても薄いでしょう。しかし、子どもの頃から訓練をしておくと、魔力総量が増えやすい、かもしれません」


ほう、この世界でもやはり幼い状態の方が魔力総量は増えやすいのか。確か前世でもそう言われていた。しかし、その事を知った時には大人と言っても差し支えない年齢になってしまっていたのでガッカリしたことを覚えている。


かも、という曖昧な表現なのが不安だが、ようするに今がチャンスということだな。


「先ほども申し上げましたが、魔力総量が増えれば増えるほど魔術をオリジナル魔法に限りなく近付けることも出来ますし、詠唱も短縮することができます」


なるほど、詠唱を短縮することもできるのか。魔術師同士の戦いになると詠唱の速さと生まれもった魔法がキモになると思ったが、魔力総量の方が重要そうだな。


「詠唱は魔術で使用する魔力を減少させるために行います。つまり魔力総量が多い人は、使用する魔力を減少させる量が少なくて良いということです。詠唱を短縮できるわけですね。と言いましても詠唱を短縮、または行わないことで使用される魔力は一気に増えます。ですので実質、魔力総量が多いからといってバンバン無詠唱で魔術を打てるわけではありません。魔術のクオリティを上げるためにも魔力を込めなくてはいけませんからね。詠唱を短縮して、オリジナル魔法から程遠くなってしまっては元も子もありません」


ふむん。詠唱は魔力を節約するために行うのだから、詠唱を短縮することで魔力を使用するというより、詠唱をしないことで魔力を持っていかれると考えた方が良さそうだな。


「長くなってしまいましたが、魔力総量は大事であるということです。魔術に魔力を込めつつ、詠唱を短縮することでもまた魔力を持っていかれる。魔力総量はいくらあっても困ることはありません」


魔力総量。こいつの量を増やすことが当面の課題になりそうだな。魔力総量を増やすためのトレーニングを優先的に行うことにしよう。


「っと、随分と時間が経ってしまいましたね。今日のお戯れはここまでに致しましょう。それでは私は夕食の準備がありますので、失礼致します」


ミカはそう言って私に一礼すると部屋から出て行った。


魔力総量を増やすためにはどうすれば良いのか。私の頭はそのことでいっぱいだった。



◇◇◇◇◇




夕食(母さんのおっぱい)を終えてから、私は先ほどミカから見せてもらったフラッシュに挑戦していた。


と言っても私はまだ赤ん坊である。詠唱など出来るはずもない。故に無詠唱である。


「あうーあ」


今のはフラッシュって言ってみたのだ。


…誰だ、今笑ったやつ。出てこい。


………ふざけるのは、ここまでにして。


結論だけ言うと出来そうである。「あうーあ」などと言う必要はない。無詠唱なのだから当然のことである。ただ問題なのはどれだけの魔力を持っていかれるのかが分からないことだ。どのくらいの量の魔力を込めればいいのか、無詠唱で持っていかれる魔力、想像もつかない。正直、少し怖いが…


まあ、ものは試しだ。死にはしないだろうし、やってみよう。


自らの魔力に集中する。イメージするのはミカのやっていたような指先に光を集めること。


指先の一点に魔力を集中させる。


すると簡単に魔力が指先に集まっていくのを感じる。


なんだ、案外単純だな。


…。


………。


…………………。



………………………今!!


私は指先に集まったであろう魔力をフラッシュのイメージで解き放った。


すると部屋の中が一瞬眩いほどの光に満たされたと思うと同時に私は一気に身体から魔力が抜け出していくのを感じる。


成功した?いや、光ったのは一瞬だ。とても強い光ではあったが、維持出来ていない。というか。


絶賛ピンチである。


身体の魔力が空っぽに近い状態だ。酸欠のような苦しさがある。前世で魔力枯渇に陥ったことなどなかったから新鮮である。


じゃなくて。


どうする?!結構まずくないか、コレ?!?


とってもダルい。今にも倒れそうだ。いや、まあ身体は倒れた状態なんだけど!!意識が飛びそう…。


………やばい。かなり意識が遠のいてきた。どうすれば…


そうだ…魔力…。魔力が足りないのだ。魔力を身体に取り込めば…なんとかなるんじゃ…?


でも…魔力って…ど、こ…に?


……大気だ。確か…魔素で、満たされ…てた…はず…。


それを私の身体に取り込んで循環させれば…。


私は大気中の魔素を身体の中に取り込み、魔力を循環させた。





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