とある世界ととある貴族の話
これはとあるフェイブルと呼ばれる異世界のお話。
ここには魔力や命気といった超常の力やその力を扱う魔獣、魔族、龍種といった超常の怪物も数多く存在している。
しかし、この世界においての最強は人間であった。
正確には一部の人間である。
その人間たちは神気という力を扱う。
神気とは神の力の一端。
ひとたびその力が振るわれれば天災となって世界に大きな爪痕を残すだろう。
そして、その神気を容易に扱える人間たちがいる。
神の子。
神の恩恵を受けた者たち。
神々の寵愛者。
人々はそれらの人間を畏怖を込めてこう呼ぶ。
恩恵者と.....
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
ここはフェイブルにあるとある国のとある貴族の家。
そこに一つの生命が誕生していた。
その子供は生まれてきたばかりなのだが一言も声を上げず周りをじっと観察している。
そして、その子の背中には大きな紋章が描かれていた。
それを見て1人の男が歓声をあげる。
「やった!!やったぞ!!イオーネよくやった!!これで3人目だ!!」
イオーネと呼ばれた女はその子供を自分の腕で抱きながら愛おしそうに、しかしどこか哀しそうに見つめていた。
「ふはははは!!これで我がファノリオス家に恩恵者が3人!!
いいぞいいぞ!!イオーネ、お前は金のなる木だな!!
これからもっともっと産んでもらうぞ!!」
そう大はしゃぎする男に近くにいたメイドがそっと話しかける。
「アラン様、ご誕生されたご子息様にお名前をつけて差し上げないと」
「おお!!そうであった!!イオーネ、好きな名を付けるがいい!!」
「はい、あなた。それではこの子にはメナスという名を与えます。」
「ふむ、メナスか.....悪くないな。
では今日生まれた我がファノリオス家の三男をメナスと命名する!!」
物語はここから始まる。
このメナスを中心とした波乱に満ちた激動の時代が.....
一応、事前知識として先に簡単に説明させていただきました。
次からは主人公視点に戻ります。