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エピソード7 無垢なる者を護るために

この獣道は、とてもじゃないが人が通れるものではない


セリアが戦っているという化け物を討伐しに来たのだが

その化け物への道は予想以上に厳しいものだった


周りから何度も怪物ゼスが襲ってくる

虫のような怪物ゼス


ガサガサと茂みが揺れた


「来るぞ・・・」

クルートが静かに注意を促した


飛び出してきたのはフォークビートルという蜂のような怪物ゼス

それが3匹飛び掛ってきた


さらに、後ろから人が腰を下ろせるような背中をもつ蜘蛛

イスパイダーが木の上から降りてきた


「気持ち悪い・・・」


ミリィは前方の蜂を無視してイスパイダーを集中攻撃した


放たれる魔法矢マジックアローは蜘蛛の腹を引き裂いた

思うように飛ばないことは確かだ

しかし、目標を射とめられないほど

軌道がそれるわけではない




クルートは前進して蜂を斬る

しかし、ちょこまかと動く蜂(大きさは窓硝子ほど)にかすらない


風脚装ふうきゃくそう!」

風のように走れるようにして

シェードは動き回る蜂をとらえた




全ての怪物ゼスが絶命した


「もぅ・・・ここ嫌い」

ミリィは早くここから抜け出したいらしい



いくらか進むと

目の前に洞窟が見えてきた

洞窟の口はとても大きい


中に少し入ると

そこには巨大な蛇がいた


怪物ゼス

ティウス科スネーク種 通称アースマンティウス

十獣王に入れるべきかどうかが議論された怪物ゼス

なぜなら、名前などからわかるように

コイツは<シーマンティウス><ライマンディウス>と同じ系統なのだ




「こいつが・・・セリアが戦ってる奴か・・・?」

「傷が・・・ないな・・・・・・なるほど、やはりな」

見れば

その蛇の身体は美しい真珠色の鱗がついている

クルートの云うように、傷がまったくついていない


「私・・・・蛇も苦手なんですけど・・・」

逃げ出しそうな声でミリィは言った

「いいか?二人とも、コイツと戦ううえで注意事項がある」

「「なに?」」

「1、傷をつけない

2、殺さない

3、適度に痛めつける

4、時間を稼ぐ・・・・だ」

「はぁ?」

「来るぞ?」

クルートがいうと

それを合図にするかのように蛇が突っ込んできた


(傷つけたらだめって・・・斬るなってことか!)

風波ふうは!!」

風の塊が蛇の頭を直撃した

蛇はそのまま進路を変え

クルートに突っ込んだ


「来たな・・・・・壕衝脚ごうしょうきゃく!!」

重い蹴りが

衝撃波を打ち出した

それは常人では不可能な体術だ


うめき声を上げて蛇は倒れた

衝撃波が急所に命中したらしい



「なにしてるの!!!!?」

突然、後ろから声がする

その声は洞窟内に響き渡る


逆光でハッキリ確認できないが

その声の主は間違いなくセリアだ


「!!!」

セリアは気絶した蛇を見て絶句した

彼女から見れば

蛇は死んでいるように見えるのだろう


「あんたたち・・・よくも・・・」

怒りに満ちた声が低く響いた

「許さない!!」

「えっ?・・・ちょっ!!!」


セリアは短剣ダガー細剣レイピアを持って突っ込んできた

ミリィに斬りかかろうとするのをシェードが止めた

しかし



(紋章発動!!!!)


衝撃の紋章が発動した


耐えきれないほどの衝撃が身体を吹き飛ばした

「うわぁ!!」

「シェード!!

セリアさん!話を聞いてください!!アースま・・・」

「うるさい!!黙れ!!!」

聞かず

怒りに燃えたセリアはひじでミリィを突き飛ばした


声が出せず

ミリィは蛇の背に吹き飛ばされる

「ごほっ・・・げほっ・・・」

咳き込みながら立とうとするが

うまく立てなかった


セリアはクルートに斬りかかる

爪が細剣の一撃をしのいだが

衝撃が直に伝わってきた

「ぐっ・・・」


そのまままわし蹴りがクルートを叩き込んだ

クルートは抗えず

吹き飛ばされる


もともと素早い彼女に<衝撃の紋章>がつくことで

最強の戦闘スタイルが確立されている


「いいかげんにしろよ・・・」


(紋章発動!!)


風のようにシェードがセリアとの間合いをつめる


振り下ろされた一撃を避ける

受け止めさえしなければ

あの衝撃波を受けることは無い


衝破鋼押弾しょうはこうおうだん!!!」

短剣から繰り出された一撃が

巨大な衝撃波を生んだ


腕をかすめ

血が出たとわかる嫌な感覚を忘れるように

セリアに死なない程度であるが

最大の一撃を浴びせる

十字覇道旋風じゅうじはどうせんぷう!!!!!!」

巻き起こる竜巻が

十字を描いてセリアを巻き込んだ

「きゃぁぁぁぁ!!」


天井近くまで舞い上がり

蛇の頭に落ちた


「くっ・・・うぅ・・・」

締め付けられるような衝撃にうなり声を上げた


すると

その声を聞いたのか

はたまた落ちてきた衝撃で目覚めたのか


蛇は目を開けた

そのまま背に乗っているミリィと頭の上のセリアを気遣いながら

起き上がる


「スー・・・生きてたの?」

この蛇はスーと云うらしい


「あぁ・・・」

クルートは武器をしまってから

蛇に近づいた


「殺してないさ

君が、一人で護り続けてきた子を殺しはしない」

「えっ?」

「正直、こいつが無害だと確信したのはついさっきだ

もし、こいつが危害を加えていて

君が戦っているなら、身体は傷だらけのはずだからな」

「で、でも・・・こいつが硬くて傷がいかなかったとか考えなかったのかよ?」

シェードはやや否定的だ

「触ればわかるさ」

そう云われ

シェードは触ってみた

とてもやわらかい

「こいつの鱗は柔らかいんだ

衝撃を防げるようにできているんでな」

「じゃあ、なぜわざわざスーと戦ったの?」

セリアは、蛇の頭から降りると

クルートに問い詰めるように歩き出した

「君と話をするためさ」


どうやら、この蛇には斬激以外はほぼ無意味らしい


「君はなぜ、地主の金を奪い

それを市民に配るんだ?」

「それは、あの地主が高額のぜ・・」

「君ほどの実力があれば

地主を落とすぐらいかんたんだろう?」

みなまで言わさず問い詰めた

「それは・・・・・・」


言葉に詰まる


「君は優しいからな・・・地主を路頭に迷わせる勇気がなかったんだろう?」

セリアは答えない

図星のようだ


「確かに、それもあるけど・・・一番は地主が持つ<蛇笛>よ・・・

もし、あの笛を使われたら

この子が港を襲いかねない・・・」

「だから、ここでコイツを護ってたってわけか・・・」


「ならさ・・・その笛、取り上げて潰せばいいんだろ?」

シェードは結論に急いだ

「そうだな・・・では、地主の家に忍び込むか」

「え?」

「どの道、あんたが地主を陥れなくても

国があいつを路頭に迷わせる」

シェードは説明的に云って

洞窟をでた

「どういうこと?」

ミリィが後を追って

外に出る

「あれだけムチャクチャな納税をさせられてるんだ

それを、あいつは見過ごさないといった」

あいつ、とはだれだろうか?

ミリィは考えたが聞けなかった

なぜなら

後ろからクルート達が出てきて

さっさと港へ向かったからだ

正直、こんなところに一人でいたくない





月は欠けているが

とても綺麗な星空だった


地主の屋敷に忍び込むと

セリアが、いつもどうりのルートで潜入していく


静かなだけに、少しでも物音を立てると気づかれる

波の音が聞こえる

静寂の夜にふさわしい音色だ


暗い廊下は音が鳴りやすい構造になっている

細心の注意をはらって

4人は地主の部を通り過ぎた


月明かりがわずかに床を照らす


宝物庫らしき部屋の扉を開けた

そこには数々の骨董品がある

音を立てないように<蛇笛>を探す


ミリィがソレを見つけた

手動で合図し、宝物庫をあとにした


澄み切った空気が

静かな夜を強調している




「誰だ!!!」

突然、そんな声が聞こえ

心臓が潰れる感覚がした


見つかってしまったようだ


なぜ、見つかったのか

検討がつかない


しかし、その答はすぐにわかった


宝物庫に魔物ゲルが潜んでいたのだ


以前、誰かが 地主が怪しげな怪物ゼスを連れてきた と云っていた

その正体はおそらく、否、確実にこの魔物ゲルだろう


二つの黄色い目を持つ人型の魔物ゲルは、警備兵の後ろから

ワラワラ付いて来る


「神よ・・・偉大なる者の聖域に踏み入れし哀れな存在を、どうかその身で癒したまえ」

「愚かな者共に断罪の裁きを・・・かかれ!!」

それを合図に魔物ゲルが襲い掛かってきた

偉大なる者とは地主のことだろう

ヘドがでる


「やるからには手加減しないぜ?」

全員が武器を持つ

魔物ゲル

十字架を象った剣をもち

突っ込んでくる!!!

今回の話の構成は、少々未熟だと個人的に感じます

指摘、感想等おまちしております

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