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エピソード19 月の神

今ここで幻想という言葉を使わずしていつ使うのだろうか?

ここは北極と云うにふさわしく

ほとんど太陽が沈まない極寒の世界だ

しかし、そこにも人々は住んでいる

そして、人工的に作られた家々に積もる雪が

めったに現れない月の光を反射する

反射した光がまた別の屋根の雪に当たる

「わぁ・・・」

ライラが思わず呼吸を忘れる

否、ライラだけではない

クルート以外の全員が目を奪われる

「スターコアロードまでは数日かかる

今日はここで一泊しようか

ついでに観光でもしてくるといい」

「え?いいんですか?」

ミリィが期待のこもった声で聞いた

「あぁ・・・」






「これは・・・水晶?」

ライラが透明の彫像を見てつぶやいた

町の中心には透明の彫像が立っている

「ん・・・・多分これは氷だね」

セリアは荷物を抱えている

「氷・・・溶けないの?」

「ん〜・・・ここは年中寒いからね

溶けないんじゃないかな?」





「へぇ〜・・・雪国ではこんな生地を使うんだ・・・・」

「あのさ・・・なんでここまで来て布選び?

ってかなんで俺?」

シェードが不安そうに云う

「だって、生地って意外に重たいんだよ?

それに・・・ホラ!

この生地なんてここで見たのが始めてだし!」

ミリィの目は輝いていた

それんなミリィを見ていると

どうしても「嫌だ!帰る!」とは云えない

「全員分の防寒具作らなくちゃね・・・・すみません!!これを3キロください!」

「肉じゃないんだから・・・」

シェードが小さくツッコミを入れた

その次の瞬間、耳を疑う声がする

「あとコレを5キロ

この毛の生地を4キロに

この綿1キロ

それとこっちの皮を・・2キロかな

あと道具袋も新調・追加したいから

この獣布をお願いします

あ・・・でもお金が厳しいな・・・」

「え?んじゃあお嬢ちゃん可愛いから安くしとくよ!」

「え?本当ですか?ありがとうございます!」

「あの・・・ミリィさん・・・コレダレが持つのでしょうか・・・」

「え?シェードだけど?」

「一体何キロあるんだよ・・・」

「ん〜・・・20キロいかないんじゃないかな?」

「20!!?」

20キロは重さで云えばたいした重さではない

まだライラのほうが重たいくらいだ

しかし、布となると話は別だ

20キロの布は量がハンパではない

しかも、毛・皮・獣布・綿など種類は様々だ

「ぐお!」

ズッシリ来る重み

非常に持ちにくいため20キロ以上に感じる

「さて・・・んじゃあ宿に・・・ってドコだっけ?」

「はぁ!?」

「ま、いいか

この街には宿は一軒しかないって言ってたし(クルートさんが)」







「やっと・・・・ついた・・・・」

「ほぉ・・・シェード、極寒だというのに汗をかくとは

よっぽど熱がりなんだな・・・」

「・・・・・」

クルートの嫌味に答えず

その場に倒れた

「ふふ、よほどコキ使われたようだな」

クルートはセリアの古本を読んでいた

「さて、じゃあ私は防寒具作りますね」

「あぁ、そんなこともできるのか・・・

頼むよ」




「キレイ・・・」

「本当にね・・・」

セリアとライラが公園のベンチに座っている

雪が降り積もる

星がいますぐにでも落ちてきそうだ

否、落ちてきた

「えぇぇぇ!!!」

ドカドカと光の雨があたりに落ちる

しかし、公園の古びた屋根すら貫通しない

「な・・・何々!!?」

警報が鳴る

そして、どこからともなくアナウンスが聞こえてきた

「「みなさま!!迅速になにかの建物へお逃げください!!」



そのアナウンス及び警報は宿にも響く

「なんだ!?」

倒れていたシェードも飛び上がり

窓の外を見る

「来たか・・・」

「な・・なんなんですか!?」

「スターコアロードを通る生き物がいることは知っているな?」

「えぇと・・・幻龍皇ライマンディウス・・・まさか!」

「いや・・・ライマンディウスはこんな閃光の雨を降らせたりしない」

「じゃあ、なんなんだよコレ?」

「これは・・・ライマンディウスの亜種・・・」


空に月の光をさえぎる大きな影が現れた

しかし、その影は白い


「こいつは・・・・白月神ゼノ・・・」

白い龍は街の上を何事もないように通り過ぎた


白月神は「ハクゲツシン」と読みます

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