エピソード9 少女と蛙のデスダンス
樹海の入り口は立派なものだった
<入るな危険>と書いてある
「普通は船で行くんだけど・・・船が全部壊されてたからねぇ・・・」
港の船は地主が魔物をつれてくる時にこわれていたらしい
シェード達はしかたなく島を横断することにした
「ヴァリスマリネリスと違って暑いなぁ・・・」
シェードは額の汗を手の甲で拭いた
「赤道直下の島だからな、しかたないさ・・・・行こう」
クルートが歩き出した
その後をついていく
樹海の中は蒸し暑かった
汗で服がまとわりつく
突然木の上から怪物が落ちてきた
周りの茂みからも出てくる
木のような形のギフトツリー
全身が緑のリーフウルフ
木から落ちてきたカラミティアップル
「クルート・・・できれば紋章使わないでね」
「善処しよう」
怪物が一斉に襲い掛かってくる
シェード達は武器をとり立ち向かった
カラミティアップルが巨大な口を開けて突っ込んできた
簡単に左へ避ける
「紋章なし・・・か」
勢いよく爪を振り下ろす
しかし、りんごの姿のわりに硬い
軽い傷がはいっただけだった
「ち」
「古の輝きよ、幾多の希望の柱となれ・・・・・エンシェント・レイ!!」
上空から一筋の巨大な光がカラミティアップルに直撃する
リーフウルフとギフトツリーがシェードに襲い掛かる
同時に攻撃してきたので避けやすかった
2体の間に走りこんで
斬りつける
リーフウルフが後ろに跳ねる
「もらった!!!」
そこへセリアが追撃する
重い一撃がまともに入る
リーフウルフは吹き飛ばされる
「風砲戦剣!!!」
十字に重ねた剣を勢いよくこすりあわせる
X字の風の刃がギフトツリーを斬った
「さぁ・・・全員下がってろ!!」
クルートが蹴りで、カラミティアップルをギフトツリーのところへ吹き飛ばした
「奥義・光破爆炎陣!!!」
爪に巨大な火の玉を宿して斬る
斬ったところが爆発し
ギフトツリーは炎上した
カラミティアップルが巻き込まれる
「残るはそいつだけだ!」
リーフウルフがミリィに向かって走った
「追撃の使徒、目覚めよ・・・・・ホーリーソード!!!」
白い光が集まり、神秘的な剣が形成され
リーフウルフの背中から突き刺した
リーフウルフは絶命した
「はぁ・・・このへんの敵は強いな」
クルートが皮を剥ぐ
「あの・・・早く行かないと、食料が腐るかもしれないんですけど?」
「そうだな・・・できるだけ雑魚は無視して先を急ごう」
樹海は一本道だ
迷うことはない
「ここで休憩しようか」
広い場所にでた
ここはキャンプにはうってつけだった
「じゃあ、昼食作るよ!何が食いたい?」
「へぇ〜・・・なんでも作れるのかい?」
セリアが何か企んでいるように聞いた
「あ、あぁ・・・材料さえあればな」
「じゃあ・・・ピザ!!」
「私、オニオンスープ」
「ガーリックステーキを頼もうか」
「えぇ?じゃあピザはやめてカレーライス!」
「お、おぅ!」
全員が思い思いの料理を注文した
何気に食い合わせがいい(まぁ一人合わせた奴がいるのだが・・・)
熱帯雨林のど真ん中で火をおこす
目の前が揺れる
「あそこは暑そうだねぇ〜」
「予想どうり♪」
「罠か!!!」
女性陣にはめられた
わざと火を使う料理をえらんだようだ(カレーは中火、オニオンスープは中の弱)
「私は純粋にガーリックステーキが食べたいので安心したまえ」
何気にステーキが一番火力が高い
「できたぞ〜」
「ほぉ〜・・・なかなか上手じゃん!」
セリアが感激の声を上げる
茂みの怪物は、火を起したため逃げていった
「では、いただこうか」
「いただきます」
一斉に口に運ぶ
「お!おいしい!!なんで料理上手なの??」
「そりゃあ、ずっと一人で暮らしてきたからな!」
「ふ〜ん・・・」
「って・・・それだけかよ!」
「だって、理由が普通すぎるから・・・」
突然、地響きがした
「何?」
ミリィが後ろに振り返る
そこには巨大なカエルが座っていた
「きゃーーーー!!!」
立ち上がり後ずさる
「むむむ、虫とはははは、は虫類は無理!!!」
「カエルは両生類だ!!」
「それも無理ぃぃ!!!!!!」
巨大なカエルに全員が驚いている
「も、もしかして・・・ここってコイツの寝床?」
「でなきゃ食堂だ!!!」
「こいつは・・・・ダイミョウガエルだ
しかも・・・」
「しかも?」
「肉食だ」
「ちっ!!やるしかないよな?」
「でないと昼飯のされかねんからんな」
全員が武器を構える
瞬間的に紋章を発動する
「!!?・・・ミリィの紋章・・・」
「セリア!来るぞ!!!」
「え?わっ!!」
セリアの足元に舌が飛んできた
「あれにつかまったら一口?」
「だろうな・・・」
クルートが爪を振りかざす
分厚い皮を引き裂くことはできず
刃が埋まる
「む・・・これはカエル嫌いでなくても気持ち悪いな・・・」
刃を引き抜いて後退する
シェードが入れ違いにさっきの傷口を削ぐように斬る
しかし、血一滴でない
カエルはめんどくさそう目をシェードに向けた
大きな足で地響きを起した
「ぐあっ!!」
バランスを崩す
そこへ舌が起用に孤を書いて伸びてきた
「シェード!!!」
しかし、シェードはバランスを崩したまま伸びてきた舌を斬った
舌から血が出る
「弱点は舌か!!」
突然、別の舌のようなものが突っ込んできた
クルートがソレを弾き返す
見れば、背中から何本もの触手が出ている
「あぁもう!!コイツ気持ち悪い!!手加減しないんだから!!!」
ミリィは奥義魔術の詠唱を始めた
「天秤に課せられた宿命よ、その導に遵い、今こそ邪教の罪に平行の罰を・・・・・・・・・・エクスキューション・ジャッジメント!!!!!」
無数の巨大な剣が空中を飛び交う
その全てがダイミョウカエルに振る注ぐ
そのうちの一つが頭を貫いた
ダイミョウカエルは絶命した
「どうよ?」
息を切らしてこれ見よがしにミリィはカエルを睨みつけた
「今後・・・ミリィとは絶対に喧嘩できないね・・・」
「ほら!もう行くわよ!!ここに居るだけで鳥肌が立つ!!!」
「「は、はい」」
「ふっ」
「なに?クルートさん??」
「いや・・・では行こうか」
荷物をまとめて
さっさと出発した
夕方になり、ついに樹海を抜けた
樹海を抜けた先は岩山だった
しかし、その山を越えるのには1時間もかからない
頂上に行くと、次の街が見えた
「あそこが次の街!セレイデーだよ!」
セリアが指を刺す
「夜にはつけそうだな・・・」
「よし!行くか!」
「食材も少ないから、買い足さないと」
ほとんどの食材は腐っていた
「ところでさ・・・・」
「ん?」
「ここ国の境界線なんだけど、ちゃんとジムからノーズに換金したよね?」
「「「え?」」」
「・・・・・」
「あ、あそこでも換金できるだろう?」
「セレイデーは港町でも交易の街でもないから無理だよ」
「じゃ・・・じゃあ、セレイデーをこえれば・・・・」
「三日かかるね・・・・」
いやな空気が流れた
「ぅ・・・戻るぞ」
一行は引き返した
「おい!引き返したぞ!!?」
「おや?換金しわすれたのかな?」
麓で隠れていた連中は失望した
「しかたない・・・迎えに行こうか・・・・君たちは残ってくれ
ボクとギーゼで行くから」
「な・・・なぜだ?」
「女性を迎えに行くのに、君たちみたいな<ムサイ>乱暴な奴を連れていけないよ」
「ギーゼもムサイだろ!!スキンヘッドの筋肉馬鹿だし!!」
「なに・・・?」
「あはははははは!!!彼を連れて行かないと仕事にならないだろう?」
黒いスーツの男はゆっくりと山を登った
今回は結構良い感じになったと思います(自画自賛)
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