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5/11

怠惰(中略)修行法その二

2012/11/30

 前回姑息にも他の書籍を出すことで自分の説に説得力をもたせようとした結果、浅ましさだけが露呈してしまったので反省。ハウツー本の中身だけ紹介ってどうなんだ。

 そんなわけで別の本屋さんにも行ってみたんだけど、やっぱり見つからなかったので諦めました。売れたら売れただけど、そうじゃないのは早々に消えていってしまうんだな。僕は普段は漫画コーナーとラノベ棚ばっかり見ている人間なので、自己啓発本の棚は新鮮でした。僕の横で真剣な顔で背表紙を見てた同年代くらいのリーマンに頑張れーと心の中でそっとエールを送ってみたり。


 でも本当に、たくさんの自己啓発本があるんだね。読むだけだったら誰にでもできるけれど、実践し続けるのがどれほど難しいかということだろう。あとは買っただけで満足してしまうという奴かな。僕ももしドラを読んでマネジメントのエッセンスの方を買っては見たけれども、机の上で他の物の下敷き状態になっていた。ちょっと反省したのでとりあえず本棚に並べてみた。意味ねぇ。


 さて本題だ。前回、僕の「文章力を高める」修行というのは、文意が他者に通じること、そして適切な言葉を取得することを目的としていると書いたけれど、今回は後者について。要するに、語彙を増やそうということだ。

 語彙を増やすには、第一段階として、知らない言葉と出会うというのが必要だ。当然、たくさんいろんな本を読めば、知らない言葉と出会う確率はぐっと上がる。

 でも冷静に考えてみよう。そんなにたくさんの本を読む時間があるかどうか、だ。自分の知らない言葉に出会うことを目的とするなら、これまでに自分が興味の無かった分野の本を読む必要がある。自分が知っている分野なら、そこに出てくるような言葉は既知のものであることが多いからだ。

 興味が無かった分野というのは、出会う機会がなかったか、自分にとってはつまらないかのどちらかだと思うのだけれど、知らない言葉に出会うためにわざわざつまらないものを読むというのは、僕にとっては苦行だ。時間は有限なんだ、できるだけ楽しく、楽したい。

 というわけで、僕はNHK短歌を読んでいる。NHKテキストだ。

 手に取るきっかけになったのはテレビ放映。僕はわりとNHKが好きで、見るものの8、いや9割はNHKの番組なのだけれど、リアルタイムでは見逃したりするから、だいたい見たい物は録画している。そうすると、入力切替を変えた時に画面に映るのが、最後に録画した物のチャンネルになるから、そこでEテレが入っていることがすごく多い。午前中の教育番組を録画していたりするからだ。

 NHK短歌の本放送は日曜朝6時からなんだけど、再放送を火曜日の15時からやっているので、それを見たのがはじまり。もともと百人一首とかも結構好きだったからさほど抵抗なく見れた。僕小式部内侍さんリスペクトしてます。大江山のエピソード好きです。機転の利く負けず嫌いな美少女いいよね! あと掛詞もいいよね!

 番組の基本ラインナップは入選歌9首と、添削を2首、あとはゲストのお話と選者のお話、そしてネクストジェネレーションという、若手の歌人さんによる自作歌の解説。だから番組で紹介される短歌というのは15首くらいなのだけれど、その中でも知らない言葉というのがいくつか出てくる。短歌というのは基本31音、つまり一度の放映だと465音、単語数だったらもっと少ないのに、それでも2、3個知らない言葉が出て来るというのは、未知語遭遇率が高めと言ってもいいだろう。おすすめポイントその1だ。

 で、テキストの方は、入選歌以外にも佳作が掲載されているし、他にも色々な秀歌が載っている。古典から現代の作品まで、本当に多彩だ。古典の物には解説がついていることが多いから、訳分からん状態に陥ることもないし、多彩すぎるから、無理に全部読む必要なんて無い。とばして読んでも次の行には新たな物語が31音に凝縮されて其処に在る。多様な感性に短時間で触れることができるんだ。これがおすすめポイントその2。

 で、おすすめポイントその3は、言葉の使い方も併せて学べるというところ。知らない単語に出会うだけなら、広辞苑を読む方がたくさんの言葉に早く出会えると思う。ぱらぱらとめくっただけでも、知らない言葉はたくさん見つかる。でも広辞苑を眺めていても、あまり身になる感じがないんだ。

 語彙を増やすプロセスというのは、未知の言葉に出会う→その言葉の意味を理解する→その言葉の使い方を理解する、という順だと捉えているのだけれど、意味を知っているだけでは物語るのには使えない。使ったとしてもペラペラな物になってしまう気がする。

 そんなわけで、この方法、我ながら結構いい手段じゃないだろうかと思っている。もっともつい最近始めたばかりだから、まだまだニワカなのだけどね。

 ちなみに「えー短歌? とっつきづらそう」という人には、第四週の「短歌de胸キュン」をおすすめするよ。初心者というか若者向け仕様なんだ。出演者はスピードワゴンのお二人と小島よしおさんと、女の子は雑誌のモデルさん? 3人の計6人。でも全員が出られるわけじゃなくて、短歌の出来のいい人4人だけが次回出演できるというシステムが面白いし、選者で添削もされる佐伯先生の冷静な突っ込みも面白いし、恋愛妄想短歌はいろんな意味で面白いよ。

 男性側は、だいたい小沢さんが残って井戸田さんと小島さんの出演争いになるんだけれど、僕は小島さんの作る歌が結構好きだ。理性が勝ってしまう所とかが。僕もそんな感じになってしまうんだ。でもそれは玄人にはあまり評価されないという……。まあ好みは人それぞれだからね。(←負け惜しみ)


 僕の文章はどうも詩的な要素に欠けているというか、そういう風に書きたいところでも説明調になっているのが悩みなのだけれど、その辺を補えるんじゃないかな。あと、出されたお題で物を書くというのがとても苦手なんだけれど、それの訓練も兼ねているんだ。効果は──多分これから現れると思う。希望。

 うん、一応短歌も作って、投稿もしているのだけれど、選ばれる予感がしないものばかりなので、たまったらここに投稿……できるようなものを作れるよう研鑽を積むよ。

 

 というわけで、怠惰でもできる文章修行法でした。参考になったかどうかはさておき、自分はこういうことをやっているよ、とかいうのがあったら教えてもらえたら嬉しいな。よろしくお願いします。


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