事の発端
神獣化した青龍に乗って街の外まで行く、通り過ぎる最中に大きな音を立てて崩れ落ちる高い建物や舗装された道路、どこかで鐘が鳴る音もする、ああ……諸行無常の響きあり(比喩ではなく実際に無常な様が繰り広げられている)街の外壁を越えた頃に青龍は地上に降りた
それと同時に青龍の神獣化が解け久々の地面に足を着くことになった
「うぅ、変身はここまでです、余り長く維持が出来ません」
「十分だよ、青龍ありがとう」
「ぶっつけ本番でしたが何とか出来て良かったです」
「私は先読みで青龍が飛ぶ事が出来ると知っていたけど、青龍はよく分かったね」
「もう、飛ぶ以外あの場から脱出出来ないと思い飛ぼうと考えましたら飛べました」
青龍はふぅと胸をなでおろしている
「ご主人様、街の外にいたモンスターまでもいなくなっております」
「あれ?そういえば骸骨モンスターとか幽霊モンスターがいないね」
玄武に言われて気付く、街に入る前は沢山いたのに全然いなくてとても静か、あのモンスター達はあの像が原因だったのかな?
『デミレプリア像の破壊ありがとう御座います』
『あっ創造神様、あの像は一体何だったのですか?』
『あれは魔神デミレプリアが自身の力を込めて戯れで人に与えた像です』
『デミレプリアの力ってあの嫌な感じがするオーラのことですか?』
『その通りです、あれは特に人を惑わす為に作った物ですから悪質な物となっておりました、先程王冠を身に着けていのが生前王だった者です、像から得られる知識を使い街を発展させましたが、自らの死を恐れデミレプリア像によって不死になりはしたものの息子と娘の早死、流行り病による国民の大量死に心を痛め、みんなが不死であれば悩まなくて良いと考え、再びデミレプリア像の力を借りようとしたのですが、魔神デミレプリアが与えた物に美味い話などはなく、願いの代償として王国の全領土で草木が育ちにくい荒野となってしまったのです、デミレプリア像が与えた不死は不完全で空腹に悩まされる国民が自死を選ぶ者もいましたが、死ぬことが出来ず時が経てば体が腐り骨のみになり最終的にモンスター化して空腹に悩まされ無い完全なる不死になったのです、初めに国民の不死を望んだ王が滅びましたので全ての骸骨モンスターがいなくなりました、幽霊モンスターは死ねない者たちの強い意識がモンスターになる前に瘴気でモンスターになったものですから元の体が無くなる事で同時にいなくなった訳です』
うん、兎に角デミレプリアと王が悪いと言う事だね
『ところで、どうして塔に人がいたのですか?ここに到達したのは私達が初めてですよね?王国があったとかおかしくないですか?』