安眠対策
さて、五月蝿かった43階層から抜けて、ちょっと寝不足な体に鞭打って螺線階段を登り44階層に着いた!のだけど……
44階層も霊体型モンスターでいっぱいだった、ぐっすり寝るつもりだったのに!勝手に出るモンスターの種類が変わるだろうと考えた私が悪いのだろうけど、だけどすごくがっかりした!
恨めしく前を見れば門に入れなくてモンスター達が出口の外が見えなくなるぐらい沢山集まって出口前を塞いでいた、せっかく気持ちよく寝ようと思ってたのに、ここも?
「ふっ、ふふふ、これは嫌がらせ?そうなの?キレても良いよね私」
数日の間十分な睡眠が取れてなくて精神的に参っていた私にこの状況はすっごく精神的に効いた、怒りがふつふつと湧き上がってくる
「結局こいつらを近寄らせなければ良いんだ、どうすれば良い?近寄りたくない状況を……」
この場にいるモンスターを倒しても次々と湧いてくるだけだから焼け石に水、そうなると塩でも撒いて出口辺を清める?それとお酒も撒いて……でも霊体型とはいえモンスターだし、清めとかしても無理だろうな多分
「ねぇチャルメル、モンスターが寄り付かない方法とか知らない?」
「そうね〜、匂いとか、後はもっと強い奴がいると思わせれば寄って来ないかな?」
「匂いと、強い奴か……匂いは兎も角、あいつら倒しても倒してもお構いなしに次々後ろから出てくるよ?」
「私も元々いた森のモンスターの行動しか知らないから分かんないわよ……そうね後は神聖摩法ぐらいかしら」
「おお!もし、それが効くなら絶対にやらないと!みんなお願いね」
そういえば、元々神聖摩法で倒してもあのモンスターが有益な何かになるとは考えなかったので神聖摩法使う事をやっていなかった、これは盲点!
「「「「はい!」」」」
良い返事をしてくれる四神獣の皆
「それでは私から行きましょう」
玄武が出口に向けて手をかざし階層門とモンスターの間に結界を張った、その結界にはいつもと違って神聖摩法が含まれている
『ゔっゔっ、お゛お゛お゛〜!』
玄武の結界を見たモンスター達は一瞬躊躇ったと思ったのに、何故か結界に向けて競うかのように体当たりをしてきた
『ゔああ〜〜』
結界に触れるモンスター達は触れた瞬間に断末魔?(それにしては苦しくなさそうな声色)を上げながら消えて逝く、はっきり言って五月蝿い、モンスター達が消えた下にはお酢が入っているだろう瓶がいっぱい落ちている、これだけのモンスターが消えたという事だろう、道理で五月蝿い訳だね
「ふむ、これは駄目ですな」
玄武は今起きている現象を見て神聖摩法を込めた結界を消した、そうするとモンスター達は目標を見失ったかのようにその場で何かを探しだした、そこで私達に気付くと以前と同じ様に階層門前にへばり付いた
「チャルメル、これはどういう事だと思う?」
「分かんないわよこんなの!」
チャルメルは狼狽えている
「それにしても全然神聖摩法に恐れて無かったよね?」
一度躊躇いはあったけどそれは初めだけ
「寧ろ引き寄せられている気配もありましたな」
玄武は顎髭を撫でながら考えている
「神聖摩法に引き寄せられるのならこれでどうかしら」
青龍が摩法を発動したと思ったら階層門前にいたモンスター達が一斉に後ろを見て視線の先にある白い木へ競う様に突撃しだした、木に触れた瞬間に断末魔をあげながら消えるモンスター達、そしてその下にはお酢の瓶が大量に積み上がる
「うん、少しモンスター達が離れたから声が小さくなって断然マシになったね、ありがとう青龍」
「これでご主人様が安眠できれば喜ばしいです」
「そうだね、これなら寝れるかも、そうだ青龍
、ベッドをお願い」
もう私はあれじゃないと安眠できないよ
「畏まりました」
青龍が木の枝ベッドを作ってくれる、私はそこへダイブして寝転び眠りにつく、これで久しぶりの安眠が取れた