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スキル説明

 生活魔法の別空間から出ると知らないおじさんが、椅子から立ち上がりテーブルに手を着いて驚いている、口と鼻の間にちょび髭を付けて、オデコから頭頂部にかけて髪がなく、顔にシワがあるわけではないのだけど髪が無いので60歳ぐらいに見える私と同じぐらいの身長で小太りな男性、見た記憶が無い

「えっと、どちら様ですか?」

「おっほん、私はロイル王の補佐をしておりますスート・プレイングと申します、イボガワ様が召喚された時、ロイル王の脇に控えておりました」

 え~全然気付かなかった

「ハッハッハ、気付かなかったという顔をされておりますな」

「あ、すみません」

「ロイル王の御威光に比べれば私など風前の灯火、気付かぬのも仕方ありませんよ」

 え?あのぱっとしない王の御威光?それよりもスートさんの頭の方が目立つような…少し頭を見てしまう、部屋の壁の凹みに置いてあるよく分からない光源の灯りを反射させ、頭が少し光っているように見える

「イボガワ様は一体何処から出てきたのですか?突然部屋に現れたと思ったのですが…」

「え?このドアからですよ」

 何言ってるんだろう?目の前にあるドアから出てきたのに

『言い忘れていました、生活魔法の扉は魔法を発動した時貴方に接触していた者しか見えません、ですからそこにいる者は何も認識出来ません、』

 そういう事は早く言ってくださいよー!!凄く電波な子と思われるじゃないですか!

「ドアですか?んん~?」

スートさんは私が指をさした場所を凝視する、どうやって誤魔化そう

「駄目だ揖保川さんが見付からないぞ!何処行ったんだ!?」

 匠さんが突然入ってきた

「あっ!!揖保川さん!!いたぁっ!何処に行ってたんですか!探しましたよ!!」

「すみませんスキルの確認をしてました」

「スキルですか?すでに使い方が分かったのですか!?」

 匠さんが驚いている

「はい、使えちゃいました」

 創造神様と話せる事は隠しておこう、何となく面倒事になると思う、もしもの時が来たら打ち明ける事にしよう


『私としてもそうして頂けると嬉しいです』

 突然創造神様が語り掛けてくる

『あれ、そうなのですか?』

『時々お告げを出すからこそ人々が有り難み、神への祈りを熱心にしてくれますからね、そのため貴方に私と話せるスキルが有るはずなのですがそちらで調べた時にスキルが表れないよう細工をしておきました』

 とても現金な話だった!?


「一体何のスキルを使ったのですか?そしてここから居なくなった事と関係があるのですか?」

 匠さんが質問してくる、もう面倒臭いな、変に取り繕うから面倒なのであって見せてしまえば良いじゃん?

「では見せますね」

 そう言って匠さんの手を取り生活魔法を発動させるとさっきと同じようにドアだけが現れる

「なんだこれは!突然ドアが出てきたぞ!?」

 ドアを見た匠さんが驚くけど

「またドア?そんな物なんて何処にも無いぞ?」

 私が触れて無かったスートさんは見えて無くて目をしかめている

「何を言ってるんだ、ここにあるじゃないか」

 事情を知らない匠さんが反論をする

「これは私が魔法を使う時に触れている人にしか見えない物らしいです」

「ほほう、その様な魔法があるのですか…」

 スートさんは魔法ということで納得してくれている

「らしい?誰かから聞いたのですか?」

 匠さんが痛いところを付いてくる

「こちらに召喚される前に創造神様から聞きました」

 時系列をずらして誤魔化しておくこれならば問題ないだろう

「そうでしたか、創造神様からスキルの手ほどきをして頂けるとは、なんと羨ましい!!」

スートさんが羨望の眼差しで私を見ている

「それで、これはどういったスキルなのですか?」

「あ、これは生活魔法という奴で中に私の世界のトイレとお風呂があります」

「何!?それは羨ましい!!ちょっと中を見せて貰っても良いですか?」

 匠さんが興奮している

「ええ、良いですよ」

「それでは失礼して」

 匠さんが真っ先に入って行く

「おおっ!!タクミ卿が消えた!」

 スートさんが驚く、私も端から見て不思議に思う、ドア事態は薄っぺらい物でその先は何もないのに匠さんがいなくなるのだから、某猫型ロボットの有名な道具みたい

「イボガワ様タクミ卿は一体ど何処へ行かれたのですか?」

「魔法で出したドアをくぐりその先のトイレやお風呂のあるところへ行ったところです」

「それは私もいけませんか?」

「ん~、どうなんでしょう、見えなくても入れるのかな?試してみましょうか」

「お願いします」

 ドアを開けてスートさんが通れるように私は脇に逸れ手で入口を指しながら

「では、こちらからどうぞ」

 エスコートするように誘導する

「ここですか?」

「はい、少し段差がありますから気を付けて下さいね」

「で、では行きます」

スートさんが恐る恐る足を運ぶ、スートさんがドアから一歩入ると私だけ見えていた廊下は消えスートさんはドアから素通りする

「どっ、どうです?私の姿は消えておりますか?」

 スートさんが期待した顔で尋ねてくる

「いいえ、普通に見えてますよ、スートさんは入る事が出来ないみたいですね」

「そんな!!私だって体験してみたかったのに…」

 スートさんがしょんぼりとして心なしか小さくなる

「それでは私と手を繋いで入ってみましょうか?」

 後はこの場合の検証もしてみたいしね

「ぜひ、お願いします!!」

 スートさんが地獄に仏を見つけたような表情の変わり様を見せる

「では、いきましょうか」

「はっ、はい!!」

わたしが差し出したてをスートさんが掴もうとした時に

「揖保川さん凄いですよこれ!!」

 匠さんが出てきた

「凄く良いでしょ?」

「羨ましい!私もこの魔法が欲しかった!!」

 とても言葉に力が入っている

「そっそれほどの物だったのですか?」

「そりゃそうですよ!スート殿はこちらの世界育ちだから不満が出ないだけで、あちらの世界の者ならば躊躇いますよ!」

「え?こちらの世界ではどうなってるのですか?」

「風呂は魔法でどうにかしているのでよしとしましょう、しかし!トイレだけは駄目だ、バケツに溜めるんですよ!!」

 ………

「え゛っ」

「溜めたやつをダンジョンに設けた特定場所に捨ててダンジョンに還元させるんですよ!」

 それはやだな~、創造神様、この魔法を下さり有難う御座います!!

『いえ、どういたしまして』

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