チャルメルの技
そう言う訳でチャルメルが元の姿に戻った後、髪に潤いを与えて貰った、凄くサラサラでツヤがある、こんなの元の世界でも再現出来ないかも!?
「まったく、普通髪なんかより、私の美貌や神聖さが気になる物じゃない?」
「確かにチャルメルの変わり様には驚いたよ、体が変わってしまう技って一体どんな技なの?」
「辺り一帯の魔力を全て神聖力が含まれた精気に変換して瘴気を追い出す技よ、その為に今まで蓄えた精気を消費して技を使うのに適した体に変えないといけないの、あと副次的に周囲の植物が活性化されて木々が生い茂るのよ、今回は毒で私達は催眠にかけられたらしいけど、神聖力のお陰ですぐに解けたみたいね、その上毒の元凶にまで影響が出て良かったわ、私の強い技なんてこれしかないし、アイツも失敗したわね」
チャルメルは胸を張って自信満々に語ってくれる
「催眠を解いてモンスターを弱らせるその技は凄いね、あの体は技の行使に適した状態だったんだね、チャルメルの本当の姿なのかと思った」
「それは違うわ、神様の体に近づけている状態よ、だから神々しさが出てくるのよ、まぁ、一妖精が神様の体に近づけるなんてとんでもない精気を使うから倒れちゃうのよ、精気石があって本当に良かったわ、もし無かったらベル達に1年程精気を補充し続けて貰わないと目が覚めなかったからね」
「それは使い処に困るね」
「そうなのよ、黒狼が私達の領域に襲ってきた時なんて、ベル達は魔物化するし、あの黒狼が周囲の魔力を瘴気に変えてくるものだからこの技を使ったとしても周囲の魔力が無くて効果が薄くなるし、もし黒狼を止められなかったら気絶した私は何も出来ないし、だから当時この技を使えなかったのよ……」
チャルメルは話すに連れて肩を落としていき声のトーンも落ちて落ち込んでいるのが見て取れた
「「「チャルメル様~ううっ」」」
ベル達もチャルメルの心情を理解して少し泣いている
「ほら、以前の事から今後どうすれば良いのか対策を考えておきましょ?」
チャルメル達に前向きになって欲しいので先の事を話題に上げる
「そうね、まずは魔力が十分にある環境が必要ね、その点この塔の中は理想的ね、あとは私が倒れたとしてもすぐに回復出来る状況よね、それについてはミサトが協力して貰くれれば解決するのだけど?」
チャルメルがチラリと私を見る
「精気石だね、良いよいっぱいあるから私が近くにいたらすぐに渡すよ」
「ミサト有難う、次に、使う機会なんて来て欲しくないけど、その時はお願いね、あとは私のサポートをベル達お願いね」
「「はい!」」
「は~い!」
ベル達はチャルメルの問いに元気よく返事をする、良かった前向きになってくれた
「ご主人様、少々宜しいでしょうか?」
青龍が枝葉のかまくらを覗いて聞いてくる
「ん?何かあった?」
「はい、毒を出してチャルメル様達を催眠した元凶を拘束しておりますからご確認して下さい」
え?毒をばら撒くモンスターを見ないと駄目なの?