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42階層

「それでは、行って参ります、イボガワ様、攻略のご健闘を祈っております!」

 ポーカ王子がこちらの世界の敬礼(右手で左肩をつかみ肘を顎ぐらいの高さまで上げる)をして私に出発の挨拶と攻略の激励をしてくれる後ろにいるコーノレ団長、ヘッドさん、ドーロさんも敬礼をしている


「はい、それでは匠さんにお願いしますね」

 私がポーカ王子達に頼んだのは41階層で見つけた水車の設計図と、牛、シプホスを匠さんに渡して貰う事

 念のため、護衛として青龍のスキル分身(わけみ)で出したチャルメルぐらいの小さな青龍がポーカ王子達と共に行く、預かっていた荷物も渡してポーカ王子達を見送る


「よしっ、それじゃあ私達も行こうか」


「「「「はい!」」」」

 四神獣のみんな元気だね


「私も一緒に行ってあげるわ、怪我をしても治してあげるから安心しなさい」


「有り難うチャルメル、もしもの時はお願いね」

 本当はスキル瞬間回復で回復出来るのだけど本人のやる気に水を差すのは気が引けるので頷いておく


「任せておいて、その分私を楽しませてよね」


「期待に添える様頑張るよ」

 チャルメルは好奇心旺盛のようで、ポーカ王子達と帰れば普通の生活が待っていると聞き私との同行を望んだ

 チャルメルの楽しめるツボって何なのか分からないけど、攻略してれば色々な事があるだろう

 ポーカ王子達を42階層入口で見送り、私達は42階層スタート地点から続く平原を朱雀に案内を任せシプホスで駆け抜ける

 途中で大きな川があったけど、青龍に木の橋を作って貰いそれで対岸へと渡った

 その頃はお昼時だったので昼食を取り休憩を挟む、渡った先の対岸は自然豊かな森だったのでシプホスから降りて歩きに変更、剥き出しの木の根を避けながら歩き続け森の中から日が見えなくなるぐらいの時間頃に突然前を先導していた朱雀と白虎が消えた、というか景色まで変わった、横にいた青龍、玄武までもいない


「あれ?四神獣のみんなは?」


「ちょっと!これって妖精のイタズラじない!?」

「妖精のイタズラ?」

 私の肩に乗っていたチャルメルは以前と同様にいた、良かった1人じゃない、綱を引いてたシプホスもいるけど、意思疎通できない子はノーカンで


「そんなばかな、この私が妖精の存在に気付けなかったなんて」

 チャルメルは何やらショックを受けている


「チャルメル、これは本当にその妖精のイタズラなの?」


「うん、多分そうだと思う」


「ここがさっきまでいたところを基準にどこら辺か分かる?」


「この森を熟知してないからそんなの分かんないわよ!」


「ん~そっか、みんなと早く合流しておきたいんだけどな」

 チャルメルと話していたら、近くにあった大木の幹と枝がギシギシ音を立てながら動き出して、顔の様に見える三つの洞から


『おいてけ~おいてけ~』

 バリトンボイスで変なことを言い出す、気持ち悪い


「何これ?」


「ミサト、これも妖精のイタズラよ大体は驚かせて森から遠ざける事が殆どなのだけど転移させた時点で必要ないイタズラのはずなんだけど……」


『おいてけ~あたまおいてけ~』

 喋る大木が不穏な事を言った時に足元がぐらぐらと波打ちだした

 不穏な事を言い出した大木を見つめる為に足をしっかりと地面につけて揺れに耐える、念の為神通力を纏い先読みをしておく、揺れていた地面から太い木の根が出てきた

 これはおそらく喋る大木の根だろう先読みしたら、この根は後々邪魔なので今ここで断っておこう神通力と火の魔法を纏った拳を剥き出しの木の根に思いっ切り叩きつける!!

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