42階層へ
入口から10メートルほどまでは芝生があり、それから石畳になっており、その先には螺旋階段が見えている、シプホスは階段大丈夫かな?螺旋階段の外側、向かって左側なら行けるかも、念のためシプホスから降りてシプホスの補助をしながら行かないと駄目かな
「シプホスは引っ張って行こうか」
「それが宜しいかと思います」
玄武も同意してくれた
「それじゃあ、螺旋階段の外側、向かって左から上がりますよ」
「「「「はいっ!」」」」
ポーカー王子達は敬礼をしながら揃って返事をしてくれる
「あたしはここにいるわ」
チャルメルは私が引くシプホスの頭の上に乗った、チャルメル分ぐらい問題ないだろうし、邪魔ならシプホスが退けるだろう、シプホスに合わせて階段を登って行った、階段には横の壁に照明があるので足元をしっかりと確認しながら登れた、10分程登り続けたら、広い踊り場があった、石畳で出来た踊り場の床には大きな魔法陣があった
「ここは?」
「ん~、分からないから念のためこれには触れてないよ」
私の先を行っていた朱雀が状況を教えてくれる
「イボガワ様、転移魔法陣がありましたか?」
青龍、玄武の後ろから来ているコーノレ団長が話し掛けてくる
「これはどうすれば良いのですか?」
「魔法陣の中央に立って下さい、そうすれば転移されます」
「分かりました、朱雀、中央に立ってみて」
「分かった~」
そう言って朱雀が中央に立つと朱雀の姿が無くなった
「おぉ、では、私もお先に失礼いたします」
そう言って白虎も朱雀に続き転移した
「それじゃあ私も」
魔法陣の中央に立つと視界が揺らぎ少し浮遊感があったかと思ったら朱雀と白虎がいた
「ご主人様こちらにも魔法陣があります」
白虎に言われ下を見るとさっき見た魔法陣と同じ魔法陣があった自分と朱雀と白虎が立っているのは魔法陣の外周部分、そして周りを観察していると青龍が私の隣に出てきた
「ご主人様、お待たせしました」
青龍が来てから次に玄武も来た
「ご主人様、コーノレ様が皆が揃うまで待っていて欲しいとのことです」
「うん、分かった、後はまた階段を登るだけみたい」
ここにきてから見えていた階段を指す
「成る程、揃い次第再び登る事になりそうですね」
玄武と話しているとコーノレ団長が来た
「すみません、すぐに皆が来ますので少々お待ち下さい」
次にポーカ王子、ヘッドさん、ドーロさんが来たので再び螺旋階段を登る、因みにチャルメルはシプホスの頭の上で寝ている、妖精って寝るんだね、また登って10分程で41階層で寝た螺旋階段前の入口と同じ様な石畳の次に芝生が茂る扉のない大きな出入り口があった、外の景色も見て取れる
「ここが42階層……」
「はい、ここが誰も来たことが無い42階層です!」
コーノレ団長が興奮している
「ん~?何~?」
コーノレ団長の声に目が覚めたらしいチャルメルが目を擦りながら起きる
「チャルメル、42階層に着いたよ」
「あら、もうついたの?」
チャルメルはシプホスから離れ私の左肩に乗る
「ご主人様、また偵察を出しておくね」
「うん、朱雀有り難う」
朱雀が偵察用の火の鳥を数羽外へ放つ
「それじゃあ、行こうか」
「「はい!」」
皆気合いが入ってる、いざ42階層へ!
出入り口から一歩出た時に
「ご主人様!何か来る!気をつけて!」
朱雀が教えてくれる、白虎は私の前に来て警戒態勢青龍と玄武は私の両隣に来て後ろのポーカ王子達を脅威から守る布陣を作る
ポーカ王子達も剣を抜き警戒する、朱雀に言われてから私も何が来るのか気を配ると前方上空から何か嫌な感じのものが近づいている事が分かった、今まで感じた事の無い悪の権化な存在感、気を引き締め、神通力を纏う、本当は無限に神通力を使える訳じゃないけど出し惜しみしてる場合じゃない感じがする