絶拒
「ポーカよそんなに気に入ったのか?」
王は少し気まずそうにポーカという青年に質問している
「はい、王よどうか私めに彼女を」
青年は椅子から立ち上がり王に低頭する
「ふむ、あの能力を見てしまえば欲しくなるのは分かる、しかし彼女の意思確認をしないといかんじゃろ」
「分かりました、見事に口説いて見せましょう」
何処からそんな自信が出るのか分からない大口を叩き、私の方へ体を向け
「イボガワミサトよ光栄に思え次期王である私の妃になる事を許そう」
何だこの上から目線は、まぁ、実際に玉座と同じ舞台上だから上からではあるのだけど…
私には愛するお父さんがいるのだから論外
「絶対に嫌、お断りします」
迷う事無く即答、寧ろ拒絶
「ふっ、会って早々に言われて戸惑うのは分かる、では私の力をその身で味わうと良い!」
そう言いながらゆっくりと高台から階段を降りてこちらに来る、帯刀していた細身の直剣を抜き剣を上に掲げ
「私は魔法剣士!偉大なる亡き父と同じ最高位なり!!」
そう言ったかと思うと剣が燃えだす、剣が炎を纏っていると言った方が正しいかも、何をされるか分からないので元の世界でやっていた空手の基本の構えを取り、神通力を体に纏わせ呼吸を整え気合いを入れる、やれるものならやってみろ、寧ろ馬鹿を殴る口実になる
「なっ!?何だその力は!?」
あれ?神通力が見えてる?
「「「おおー神々しい」」」
周りにいる人達も何か反応している?うるさいな集中集中、あの馬鹿を殴らないと
「ますます君を欲しくなった、見よ!私の力を!」
馬鹿がこちらに普通ではあり得ない素早さで掛けてくる、そして炎を纏わせた剣を構える私の左手に向けて振り込んで来る、私はすでに神通力で馬鹿の行動を予見していたので難なく剣を避け馬鹿に腹パンをキメる
「う゛っ!おぉぉおっおっおぉぅぐぅ」
馬鹿は腹を抱えてうめきながら膝を折り床に突っ伏す、ちょっとやり過ぎたかな、実はさっきの剣は寸止めだったし、でも分かっていたけど、私にとって譲れない所に入り込んだこの馬鹿に一発入れてやらないと私の気が収まらなかった、まだまだ私も未熟だな、精進しないと、後これどうしよう?