かぐや姫?
光る節のある竹の前まで来る(途中で擬態した竹型モンスターを蹴散らして何とかここまで来た)
「これってあれかな?中にかぐや姫が居るのかな?」
「かぐや姫?」
ポーカ王子達は分からないよね、身振り手振りをして説明をする
「ほう、この中に小さい人が?」
「異世界は変わったお話しを作るのですね、しかしその鉈でこの部分を切れば小さい人が傷付きませんか?」
コーノレ団長があちらでも議論される定番を言いだす、竹取物語の説明をするために出した白熊からドロップした鉈に指を刺す
「確かにそうなんですよね~まぁ作り話ですから真剣に考えなくても良いですよ、よく絵本とかだと、節の上から下にかけて斜めに切っているのに普通にかぐや姫がいますからね、深く考えては駄目なんですよ」
「そう言う物なのですか?ではこれも同じ様に切ってしまいますか?」
『ちゃんと考えてよ!!節の上を水平に切ってよね!!』
………光る竹から声がしたような
「やっぱり上を切るべきですね」
コーノレ団長も何か察した様だ
「そうですね、それじゃあ切りますよ」
持っていた鉈で光る竹の節の上から水平に切った切れ味の良い鉈だね、抵抗無く切れたよ切られた竹の上部が勢いよく倒れると光る節の中が露わになる、中をのぞき込むと小さな女の子?が腰を抜かし竹の内側に背を凭れ掛け上を見ながらあわあわしていた、その子は目が合うと
「ちょっと!さっきから物騒な話をしないでよね!!中に何が入ってるのか分かんないのに!普通は気にするものでしょ!すっごく怖かったんだから!!」
そんな事を言いながら飛び出してきた、私の目の前に飛んで浮かんでいる、背中に透き通った2対の翅があるこれはまるで
「妖精?」
「そうよ私は純然たる精気から出来た神聖な妖精よ、小さいけど凄いんだからね」
「そんなに凄い妖精さんが、どうして竹の中に?」
「私も詳しくは分からないのよ、森が混沌としてたから影響の少ない所に避難して大人しくしてたらある日突然ここに入るよう創造神様に言われて閉じ込められたの、外が騒がしいから見つけて貰う為に光ってたのよ」
「はぁ、それは大変でしたね」
創造神様何してんの?
「それで、ここは何処なの?」
「ここは塔の中のダンジョン41階層にある竹藪ですよ」
「え!!ここって塔の中なの?へ~結構良い所じゃない、なんだ、こんな所なら早くこっちに来れば良かったな~、チェッ」
辺りを見渡しても竹藪で凄く良い所とは思えないけど妖精さん的には良い所らしい
「ちょっと、あなた達は何をしてたの?なんだか騒々しかったけど?」
「え?竹を採ってたらモンスターが出てくるので倒してたところだよ」
「モンスター?どこにもいないじゃない」
「じゃあ、見ててね」
私は妖精さんを出す為に切って倒れた竹をアイテムボックスに入れた
「あら、突然消えたわ!貴方、妖精のイタズラが出来るの?」
「妖精のイタズラ?違うよこれはアイテムボックスって言うスキルなの」
「へぇ~、それで?そのスキルがどうしたの?」
「あれ?おかしいな、熊のモンスターが出るはずなのに…」
「そんなの出て来ないじゃない」
ん~?どういう事?以前も同じ様に切った後の竹を採ったら出た、竹を採る行為は同じなはずだけど、違う事は白虎が切ったか鉈で切ったか、もしかしたらこれがロジック?それなら
「白虎、この鉈で竹をいっぱい切って見て」
白虎に二本の鉈を渡す
「はい、お任せを」
白虎は両手に鉈を持ち構えたかと思うと消えた
『ギャアアッ!』『ギャアアッ!』『ギャアアッ!』『ギャアアッ!』『ギャアアッ!』『ギャアアッ!』『ギャアアッ!』『ギャアアッ!』『ギャアアッ!』
叫び声の大合唱となった
「何よ、一体なんなのよこの変な声は」
「これはモンスターが叫んでいる声だよ、倒れた竹をよく見てごらん」
「ん~、あっ煙が出たと思ったら何か落ちてるわ」
「あれはタケノコだよ、ちゃんと調理すれば美味しいんだから」
という訳で回収回収
次に倒れた竹を回収…
「それじゃあ皆、念の為警戒しててね竹を採るから」
「「「「はい!」」」」
ちょっと恐る恐る倒れた竹をアイテムボックスに入れる……、何も起きない
「やった、熊が出ない!」
「やりましたねご主人様」
「え?一体どう言う事ですか?なぜモンスターが出て来ないのですか?」
ポーカ王子がまだ分かって無い様なので丁寧に説明をした