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下賜

 列に戻り前を向くとウメ王太后が大きな紙を両手で前に突き出して持っていた


「ミサト殿にはポーカ王への多大なる支援をした事を称え、王家より塔外地5の1の3から10区画までを下賜する!」

 ウメ王太后がポーカ王の手助けの褒賞として領地をくれる事を宣言した


「あんなところを?」


「これは下賜する内容か?私は要らんぞ」


 ザワザワザワザワ


 う〜ん、外の領地は相当人気が無いんだね

「これは、ミサト様が望まれた事ですから大丈夫ですよ」


「なんと!?匠卿、どうしてまたミサト様はあんな物を?」


「実はですね……」


「成る程それならば下賜として扱えますな」

 後列の方で匠さんが皆に説明をしてくれているみたい、今の王家に不満は無いので私の事で、貴族達に王家への不信が積もる様な事は避けたいので、匠さんの行動はとても有難い


「1年ぶり剣の王誕生に伴い、これから創造神様に新たな王補佐官の任命についてお伺いを立てる、その結果が分かるまで摘める物や飲み物を部屋の脇に用意させた、その場で休息や歓談をして貰うとする、しばし待たれよ!」

 ウメ王太后がそう言うとポーカ王とレンダ王及びロイル元王とウメ王太后達が舞台脇へはけていった、この場に取り残された皆は気を緩めて顔が綻び近くにいる人と歓談し始めた


「ミサト様が外の領地を求められたと聞こえたのですがそれは何故でしょうか?」

 私の前にいたケット・クリ公爵が領地について尋ねてきた


「実はですね……」

 私は攻略中に会った獣人達の事、彼等の移住について話をした


「なんと、塔内に人が?信じられん、今までその様な事は聞いたことが無い、ああ、ミサト様を疑っている訳ではなく前例の無い事ですので理解が追いつかないだけなのです」

 ケット・クリ公爵は途中で丁寧に注釈してくれたけど、私は別に気を悪くしてはいない、信じられんとか言われて変な顔をしちゃったのかな?


「創造神様より使われし神獣ムスヒ様まで紹介されていますしね疑うなどとんでもない」


「うむ、よきにはからえ」

 叙爵式中は朱雀を真珠に入れていたので部屋天井の隅で待機していたムスヒ様がケット・クリ公爵と話している途中で朱雀を出す様にせがむので朱雀達を出して今は朱雀の肩に乗っている、大衆に注目されている中臆すること無く堂々としている、ムスヒ様の正体を話した時の皆の驚きようは凄かった、正体を話す前に朱雀を出す様話して来たのがムスヒ様がここに来て始めての発言だったので喋れる鳥の時点で驚かれていたのだけど、創造神様の使いと聞いて皆の驚きは尚更で、ムスヒ様を拝む人達までいる

 獣人の移住について正当性を出す為に創造神様から聞いたと正直に言えば私が創造神様と交信出来るとバレてしまうので、ここはムスヒ様に丸投げした、それは効果覿面、ケット・クリ公爵に経緯を話していると周りに他の人達が集まり私の話に聞き入っていた、やっぱり皆も気になっていたのだろう、その周りの人達もムスヒ様の御蔭で信じてくれたし、獣人達の移住に対して好意的になってくれている、まぁ他の人種が来る事によって発生しえる弊害を知らなかったら気にも止めないか、なるべくそういう事が起きないように先導者である私が気を付けるべき事なんだよね、もう一層の事創造神様から仲良くしなさいと言って貰った方が断然楽だと思う、ここの人達の信心深さは半端ないもん


『それは後でムスヒに言わせる事にしましょう』

 創造神様から色良い返事が来た、良かったこれで楽に行ける、後これから面倒なのが獣人さん達の居住地確認や開拓だね、はぁ〜早く500階層へ行きたいんだけどな〜


「ミサト様、私にはミサト様が王家より貰い受ける土地の手前にあります5の1の1から2の管理地が御座いまして、開拓なるものをするのではあれば、わが地に住まう者達をそれに参加させては貰えないだろうか?」

 ケット・クリ公爵が何やら交渉事を持ち掛けてきた


「参加とは手伝って貰えると言う事ですか?」


「はい、そうです」


「それは有り難いのですが、ケット様に何の利点が?」


「それが、私の管理地も開拓なるものが出来ればそこに住まう者達に仕事を与えられると思いましてな、勉学の為にと」

 成る程、知識が欲しいから労働で払いますって事か、ただ問題なのが、ちょっと学んだからと言って、おいそれと出来ましたとならないのが農業でアフターケアが必要になるだろう、しかし私は大半を塔攻略に割くので指導が出来ない、これは匠さんに聞いてみないと


「とても興味深い話なのですがすぐには決めかねますから少々お待ち下さい」

 ケット公爵に断りを入れて匠さんを探す、匠さんは〜いたっ、部屋脇に置かれた摘みと飲み物を食べながら侯爵位の人と歓談をしている


「ケット様、匠さんがいるあちらへ行きましょうか」


「これは失礼、口の潤いが足りませんでしたな、ぜひ行きましょう」

 ケット公爵は私が何か飲みたいと思ったらしい、まぁ匠さんの元へ行けるなら何でも良いや

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