本気採取
42階層に到着、まずは偵察だよね
「朱雀、次に行く森で採った事がある美味しかった野菜や果物を探してきてくれる?」
「うん、分かった〜」
そう言って朱雀は火の鳥を飛ばしてくれる
「それじゃあ青龍お願いね」
「はい」
青龍が神獣化を使って龍になってくれたのでそれに跨り森の手前まで飛んで貰う、帰りの時間も考えるとあと数時間しか無いから効率良く採取をしよう
「みんな手分けして取りに行こうか、朱雀は先に火の鳥で探し出した物がある場所へ皆を案内してね、植物に詳しい青龍とカーは別行動、あと皆この袋を持って行ってね、3時間後またここで集合にしようか」
攻略する前に匠さんに物資を用意して貰った時、大量の物資入れに使われていた大袋を皆に渡す、因みに私はアイテムボックスがあるからいらない、四神獣の皆はアイテムボックス無いからね
「命叡様の護衛は無しですか?」
玄武が尋ねてくる
「うん、手分けした方がいっぱい取れるからね」
「命叡様ならば大丈夫かと思いますが……朱雀、火の鳥で案内だけでなく護衛もしっかりとして下さい」
玄武は私の事を信頼してくれているけど万が一もあるから心配してくれる
「うん、任せて命叡様には火の鳥を5体付けるね」
そう言って朱雀は白い火の鳥を5体私の周りに付けてくれる
「ありがとう朱雀、それじゃあ各自採取頑張ろう!」
「「「はい!」」」
森の入り口から火の鳥の誘導に合わせて皆ばらばらに森を進んでいく私には朱雀の白い火の鳥が5体とチャルメル達、四神獣達に朱雀の白い火の鳥は1体だけ、森に入ったところで
「ベル、カー、ティン!私達も探すわよ!」
チャルメルがベル達に呼び掛け飛んでいく
「「はい、チャルメル様!」」
「は〜い」
それに返事をしたベル達も飛んで行き私だけが取り残される、何気に異世界に来て一人になったのはお風呂に入るプライベート以外で初めて、朱雀の火の鳥が私を囲む様にいるけど一応一人に違いない、一度来たことのある森だから気軽に歩るき10分程した時に誘導してくれていた前の火の鳥の一匹が突然前にあった木に突撃
『キィィイ!!』
断末魔が聞こえたかと思ったら木は白い炎に包まれる、どうやら焼かれた木はモンスターだったみたい、その場には以前採ったリンゴみたいな果物を沢山実らせた木が現れた
この果物があると言う事は以前41階層でチャルメルが先走って果物を取ろうとした所を襲ってきたモンスターと同じなのかもしれない、その時は朱雀の火の鳥で簡単に倒した木型モンスターだったはず、今ここにいる火の鳥はムスヒ様のお陰で白くて神聖魔法の力が含まれているから木型モンスターは倒される事なく普通の果樹に変わってしまったのだろう、あの時木型モンスターを倒したら数個のリンゴがドロップしたけど、沢山実っているこの果樹ならそれ以上取れそう、私は取れ易い下の方に成った果実をむしり取って行った、けど果実はもっと上の方にもある、これはチャルメル達に頼もう
「おーい、チャルメル〜こっちに来て手伝って〜」
チャルメルがいるだろうと感じる方へ声を上げると
「なになに〜?」
「ミサト様いかが致しましたか?」
チャルメルとベルが口の周りを果汁でいっぱいにした状態でこっちに来た
「何か食べてたの?」
「木苺がいっぱいあったのよ!ベルここに出して」
どうやら見つけた木苺を食べていたみたい
「はい」
ベルが魔力を消費するといっぱい積まれた木苺が地面に現れた、どうやら転移魔法でこちらに運んだみたい
「これをアイテムボックスに入れておけば良いんだね?」
「そうよ、ミサトのアイテムボックスは本当に便利ね」
「そうだね、これがある無しで攻略難易度が変わるぐらいだね」
「それで、ミサト何かあった?」
チャルメルが呼び掛けた用件を聞いてきた
「この木の上にある果実を取って欲しいの」
「おお〜!いっぱいあるじゃない、任せなさい、ベル行くわよ!」
「はい!お任せを」
張り切ったチャルメル達がむりし採っては私の元へと何往復もして採り尽くしてくれた
「チャルメル、ベルありがとう」
「いっぱいあって嬉しいのだけどちょっと疲れたわ」
「これならカー達も呼ぶべきでしたね」
二人は木の枝でぐったりとしている
ガサガサッ
後で物音がしたので振り向くとそこには
「∑%♂☆〜!?」
今まで見てきたモンスターの中で一番最悪最凶なモンスターが木の幹にしがみついていた、もう驚きすぎて声にならない声が出る