ボス戦宝箱
チャルメルが目敏く見つけた宝箱、これはボスのドロップアイテムでいいのかな?
「ミサト、早く開けてみましょ、良いものが入っている気がするのよね〜」
チャルメルがソワソワしながら急かしてくる
「分かったよ、じゃあ開けるね」
パカリと開けるとそこには金色に輝く珠『精気石』が大量に入っていた
「ひゃ〜凄いわこんなに精気石がいっぱい!」
「おお〜凄いです!全て黄金色ですね!」
「いち、にい、さん、し、ご、ろく、なな、はち、きゅう……一人一つでも余りますね」
「ふわ〜すごいです〜」
チャルメルは何が入っているのか分かった瞬間すぐに飛びつき精気石に抱き着いて頬ずりをしている
成る程チャルメルが思う良いものってそういう事ね、ベル、カー、ティンは大量の精気石を見て喜んでいる
「えぇ〜でも、もうこれは持ってるしちょっとがっかりだなぁ〜」
妖精型モンスターを神聖魔法で攻撃すると毎回ドロップしてたからいっぱい持ってる
『何を言っておる、本来はボス戦で傷ついた体を癒す為にと創造神様が御用意された物なのじゃぞ、大いに感謝するべきなのじゃ』
ムスヒ様が少し怒り気味に話しかけて来た
「え?でも40階層を攻略した匠さんは片腕無くしてましたよ?」
ボスを倒したのなら同じく精気石を手に入れているはずなのに匠さんの腕は治ってない
『おおう、それは気の毒じゃのう、この精気石のみでは欠損部位を治す事は出来ぬのじゃ、おそらく出来たのは止血と体力回復、生命活動維持までじゃろう、部位再生ならば精気石とそこにおる妖精の力が必要じゃ』
ムスヒ様は精気石に頬ずりしているチャルメルを指して言う
「え!?チャルメル精気石があれば無くなった腕を治せるの!?」
「ん?やったこと無いけど多分出来るわよ」
私の問い掛けになんてこと無い雰囲気で答えるチャルメル
「すごい自信があるんだね?」
「生きている者なら楽勝よ!」
チャルメルは山盛りの精気石の上に立って胸を張る
「じゃあ1階層に行ったら治して欲しい人がいるのだけどお願い出来る?」
「いいわよ、あっ、でも多分ここにある精気石全部使っちゃうかも……」
「全部?それなら別にいいよ」
また欲しければ妖精型モンスターを神聖魔法で倒せばいいんだし
「そういえば何個あるの?」
「え〜っと、20個ね」
カサッ
チャルメルが宝箱の中で精気石を数えていると宝箱の底で何かを踏む音がした
「ん?チャルメル下に何かない?」
「え?下に?」
カサカサ
「これは紙ね、はい」
チャルメルは紙を取り出し私に渡してくれる
「うん、ありがとう、ん〜一体何かな?」
ガサガサ……バッ
折り畳まれた紙を広げて見るそこには地図?っぽいものが描かれていた