考察のはずが……
どうやら塔内に転移されてからアチ村の人達に変化があったみたい、それと同時にカヤツの機嫌が悪くなった……っと、機嫌が悪くなるという事は、カヤツの思い通りに成ってなかったと考えられる、一体それは何か?悪魔にとって都合の良い事なんてろくな事では無いだろう、それさえ分かればアチ村の人達を説得しやすい、まぁ信仰心と洗脳を壊した段階で今までの事に対して疑問を抱くみたいなのでそれだけでも説得は出来るだろう、でも私自身が悪魔の思惑を分かっていないとモヤモヤするのでもう少し考えてみよう
「カヤツの行動に何の意味があったのだろう?」
「コチ村にいたガフェルも似た様な事をしていましたよ」
コチ村の村長ガベルさんが横から話しかけて来た
「ん〜ガフェルとカヤツの両者が共に同じ事をやっていたとなると何か重要な事だったのかな?」
「話を聞く限り悪感情から出る瘴気の回収をしてたんじゃない?負けて悪感情が増せば瘴気も沢山出るし」
チャルメルが淡々と答えを言ってくれる、モヤモヤが消えて良かったけど、今から考えるぞ〜っと意気込んだところなのに出鼻を挫かれた、まぁ答が分かって良かった、けどなんとなく釈然としない
「そういえば、悪感情から瘴気が出るの?」
もしそうなら地球は瘴気がいっぱいになるよ!?
「そうよ」
チャルメルが胸を張って言い切る
『厳密に言えば悪感情から出る邪気と周りにある魔力が混ざり合って瘴気になるのじゃ、悪魔の力の源は瘴気じゃから村人同士を争わせて瘴気を発生させておったのじゃろう、しかし塔内は瘴気を少し浄化する為、力を余り得られない故悪魔の機嫌が悪くなっておったのじゃろう』
ムスヒ様が丁寧に教えてくれる、地球にいた時に見えていた邪気なら納得、あれ?これって聞けばすぐに分かったのでは?
ちょっと肩透かしで脱力感に囚われるけど、アチ村の人達にカヤツの悪事を聞かせて説得出来るね、あっ、でも信仰心と洗脳は壊さないと混乱しちゃうからやるなら村人全員を集めて一気にやった方が良いよね
「村長カッツさん村人の皆さんをここに呼んでください、お話があります」
「はい、分かりました」
アチ村の四方に散らばっていた村人を集め信仰心と洗脳を壊してから説得の演説をした
「我々も創造神様を信じます、そしてミコト様が仰る1階層?へ行きたいと思います」
アチ村の村長が村人の総意を代表して話してくれる、因みにコチ村の人達に感化されて私の事を『ミサト様』と呼び出した、もう訂正するのは諦めた
「コチ村はまだ皆に話しておりませんが何とか説得して、ミサト様と一緒に1階層へと行きますぞ!」
コチ村の村長さんはコチ村の皆を説得する事に気合いが入っている、ガフェルの洗脳を壊さないと駄目なので私も一緒に説得する様になるだろう
「そう言えばムスヒ様、創造神様が村人達を1階層へ送るのをムスヒ様にさせると仰っていましたけど、どの様にするのですか?」
『うむ、妾も創造神様から聞き及んでおる、妾の名はムスヒ、色々な物を結ぶ事が出来る、ミサトと村人を結び、離れていても呼び寄せる事が出来るのじゃ、そうじゃのう、試しにコチ村の者を皆こちらへ呼び寄せてみせようか?』
「それは良いですねお願いします」
コチ村の人達を説得する為にわざわざコチ村まで戻らないといけなかったけど手間が省ける