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モンスター討伐

「それでは次に神聖魔法ですね」

「白虎ちょっと待って、今度は僕の炎化をやりたい」

 白虎に朱雀が待ったをかける

「そうですね、神聖魔法は全員が持ってますし後でもいいですね」

「よーし、使うよ!」

 朱雀が魔力を消費すると体が炎に包まれる

「ちょちょっと!!消火消火!!」

「あ、御主人様大丈夫だよこれ、おもしろーい!」

 炎に包まれる朱雀が軽快な声で返事をしたと思うと炎の形が変わっていく、さっきまで朱雀の人型だった形が大鷲になり空を飛び回りだした端から見るとこれは

「火の鳥?」

「おぉ!正しく火の鳥ですな、素晴らしい!!」

飛んでいる火の鳥の翼から小さな火の粉がいっぱい空中に飛び出してきたと思ったらその火の粉が小鳥の形になり、遠方へ飛び立った

「やった、これで偵察が出来るぞ!」

火の鳥の朱雀が私達の元に降りてきてそんな事を言い出す

「一体どうなってるの?」

「これね、今まで霊力で作ってた霊体が魔力で炎になったみたい、元々霊体は変幻自在だったからこれは相性が良いや」

「じゃあ、炎化って、霊体を炎にするってこと?」

「うん、多分そう、白虎も同じじゃないかな、多分」

「なるほど、そう言われるとしっくりします、確かに私もそんな感じでした、体が金属ならば動かせなかったのも納得です」

「しかもこれ凄いよ、魔力を込めると大きくなれるし切り離せば飛ばせるしすっごく便利だよ」

「さっきどっかへ飛んでいった小鳥?」

「うん、偵察に行かせた、小鳥たちが見た物は僕の頭に入ってるよ、まだ繫がりを持ててるから遠隔操作も出来るし、ただ魔力を継続して消費しちゃうから長時間は無理だね」

「それなら魔力感知操作スキルで周辺の魔力を集めて自身に取り込めば魔力の補充が出来るよ」

「えっ!?そうなの?やってみよー」


「ちょっと待った!揖保川さん!!それは本当ですか!?」

「あっ、はい、」

 そう言えば匠さんいたんだった…知られちゃ不味い事だったかな?

『別に大丈夫ですよ、魔力感知操作を所持しているのは貴方達だけですから』

 創造神様が保証してくれるなら安心だね

『あれ、そうなのですか?良かった』

「揖保川さん分かってますか?それがとんでもないことを!?」

「えっ、ええそうですね、これは内密でお願いします」

 匠さんの気迫に押されあたかも分かった風に振る舞っておく

「聞いたのが私だったから良かったものの、そんな事が知られれば馬車馬のごとく働かせられたかもしれませんよ!」

 えっ、ええ!!創造神様話しが違う!

『魔力が枯渇するほど使い込まれる事は無いと言いたかったのですが、人間の事情が多岐に渡りますので考えも及びませんでした』

 ん~んっ、神様スケールぅ~

「匠さん、そんなに働く事があるのですか?」

「現在攻略最先端階層41階の要塞の護りは現王ロイル様の防御魔法で何とかやっていますがやはり人が一人で出来ることなど限界があります、騎士達はロイル様が休息される時間をなるべく取れるよう躍起になっておりますが、騎士達の能力が不十分なため最近はポーカ王子の親衛隊までが借り出される始末、王子の本懐は次の50階層攻略、親衛隊を連れて行きたいはずなのですがそれが叶わぬ状態、もし、無限に魔力が使える逸材ならばその穴埋めをさせられるかもしれません」

「えぇ~、私の目標は500階なんで、要塞の防衛はちょっと、控えさせて欲しいですね~」

「ごっ500ぅ!?なっ何を言ってるのですか!!そんな階層あるわけが!」

「それが有りますよ、こちらに来る前に創造神様から聞きました」

「有ったとしても無茶だ!!貴方はボスと戦ってないからそんな事が言えるんだ!!私が前王フルハント様と共に行った40階層のボスで口惜しくも当時最強だったフルハント様が亡くなられてしまったのです!!私が不甲斐無いばかりに…」

 匠さんが泣いてしまった、何だか申し訳無いです、瞬間回復と言うイカレたチートと四神獣達もいるので簡単に行けるかな~とか思ってました御免なさい。

「そうだったのですか…」

 そんな心待ちではまともな返答、慰めなんて出来る訳もなく重い空気を払拭出来ない

「御主人様、あっちの方に大きなイノシシみたいなのがいたよ」

 そんな中朱雀が空気を読まずにあっけらかんと話し掛けてくる、これに乗っかろう、

「た、匠さん、イノシシのモンスターってどんな物なのですか?」

「イノシシですと!それは絶対に狩らないと久しぶりのイノシシ肉だ!!」

 あ、元気になってくれた良かった

「さぁそのイノシシはどこですかな?」

「あっちだよ」

 朱雀は既に元の姿に戻っていて、先導してくれる

「イノシシはすばしっこい上に強い方なので余り狩られなくて市場に出て来ないんですよね。ジュルリ、ああ、いけない涎が」

「そんなに美味しいのですか?」

「兎肉なら手に入れやすいですけど私はイノシシ肉の方が断然好きですね脂が旨いんですよ、もし食べたいのなら自分で狩るしかなく運要素が高い物なんですよね~、朱雀さんの偵察はとても便利ですね」

「へっへーん、そうでしょ」

 朱雀がむねを張って鼻高々になっている

「何処かに逃げてしまうとか無いのですか?」

「イノシシはそれがあるので不意打ちでやらないと逃してしまうのが難易度を上げている要因です、モンスターの割に臆病で食に貪欲でイノシシを狩りたいのであれば大体は餌でおびき寄せるのが定番ですね、餌を置いたからと言って絶対に来てくれる訳も無く、たまたま走って来てくれた所をやる、ぐらいの方が時間との兼ね合いで一番良いとされてます、そのため運が絡むのですよ」

「あ、それじゃあ、こっちに来るよう誘導しようか?」

朱雀があたかも簡単な事の様に言い出す

「え?出来るの?」

「うん、多分出来るよやってみるね」

 朱雀がそう言ってからしばらくすると地面が揺れ出した

「地震!?」

「いや、ここはダンジョンですよそんな訳が!」

 匠さんが違うと言うし多分違うのだろう

「だったらこれはなんですか!?」

「わかりません!こんなのボスの時ぐらいしか感じたことが無いです!」

 ボス?あーあ、なんかフラグ立ってません?

「え?これイノシシのせいだよ」

朱雀が変なことを言い出した

「匠さんイノシシって、こんな地響き起こすものなのですか?」

「いえっ、あり得ません!地球のイノシシより少し大きいってほどですよ!!」

「朱雀!そのイノシシの大きさどれぐらい!?」

「そうだねー、御主人様がいた所の氏神様の神社の石鳥居をくぐり抜けられないぐらい」

「そんなのイノシシじゃないでしょ!!」

「え?イノシシ型もんすたぁなんじゃないの?」

 朱雀と問答をしていると草原の遠くから山が近づいてくる山は言い過ぎかな?ちょっとした丘が近づいてくる

「ほら、あれだよ」

 朱雀が嬉しそうに指を差す

「分かったから迎撃迎撃!!」

「はいっ、もんすたぁよ、新たな力の錆としてやろう!!」

「白虎、私もやるわ」

「青龍、ぶっつけで大丈夫なのか?」

「二人の様子を見てたから何となく分かるわ、本当に創造神様は相性の良い力をお与えになったみたい」

 白虎の前に青龍が出て行く、私も準備しておこう、身体強化に魔法拳そしてもしものために神通力も使って先読みして力を溜めて…

『命叡さん、これは私からのプレゼントです頑張って下さい』

 !?どっ、どうこと!?

『創造神様!?詳しくお願いします!』

『実は命叡さんを召喚させる前に地上の者達に貴方の召喚を知らせ、期待の星だから盛大に持てなすよう言っておいたのですが、そんな事をすれば最先端要塞の防衛の要である王が動けませんから、貴方を召喚する日とその前後一日はモンスターが要塞を襲わない様にしたのです、しかし私は神、無条件で施しを与える訳にもいきませんので、襲うはずだったモンスターの瘴気をこの一体に集めて出来たのがこのイノシシです、対価の後払いになったので少し強くなり30階層のボス程の強さになりました、スキルのお試しにお使い下さい』

『うっわ~、ありがとう御座いますって、なる訳ないでしょ!対価の後払い?そもそも私を盛大に持てなす必要ないでしょうに!』

『分かってないですねー命叡さん、力を見せないと分からない者がいるわけですよ、このモンスターを難なく倒せば階層攻略に出ることが認められる訳ですよ』

『あれ、でも、人の事情に詳しくない創造神様がそんな配慮を前もってできます?少し前の匠さんとのやり取りで思い付いたとかじゃないですか?』

『う゛、そう言えば今神通力を纏ってましたね、確かに思い付いたのはつい先程です、これを機会に堂々と攻略に勤しんで下さい』

『あ~、もう、有難く使わせて貰いますよ、でも私の出る幕余り無いですね』

『当然です、私がしっかり力を与えましたからね』

 創造神様とやり取りをしていると、確かに鳥居をくぐれない程の大きなイノシシが火の小鳥に追われてこちらまであと10メートルほど先に迫っている、前に出ていた青龍が魔力を消費したと思ったらイノシシの進路を塞ぐ様に木が急に出てきた、その木はしなやかに蛇のようにうねりイノシシを搦めて締め上げる、この段階でイノシシはまだ元気だったが、白虎が絡めている木ごとイノシシの首をちょん切った、私戦闘準備したのに…

「あんな大きなイノシシを一撃で!?」

 イノシシを倒したと思ったらボンッと煙が出てその煙がなくなると先程のイノシシの皮と牙、そして皮の上には一辺2メートル弱程のブロック肉がいっぱい積まれていた

「これは素晴らしい!!王子への謝礼に良いものが手にはいりましたな!」

 え?あの王子への謝礼品?

「私も戦闘に参加するべきだったのでしょうが、足がすくんでしまいましてな、すみません」

「40階層のボスを体験したのならば、あれぐらいどうって事無かったのでは?」

「あれ以来大物に対する恐怖心が出来てしまいましてな、この一層程度であれば大丈夫なのですが、あそこまでいくと、ちょっと…」

「そうだったのですか、そう言えば匠さんの強さって、どんな感じなのですか?」

「私は剣聖、剣を振れば右に出る者はいません、片腕は無いですがまだまだやれます、今は王子や兵士達の指南をしております、思いのほか成長してくれなくて悩んでおりますけど」

 匠さんは帯刀している剣の柄頭を撫でながら困り顔をしている

「それにしても、このようなモンスターが1階層で出るなど今まで聞いた事も無い、一体どうなってるんだ」

 匠さんが訝しげな顔をしてイノシシのドロップ品を見ている

『ちょっとー!創造神様、フォローお願いしますよ!!』

『分かりましたお告げを出しておきます』

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