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詩と歌

夏の終わりに

作者: 日浦海里

未だ夜の帳が明けきらぬ空が

朱の色に燃えている


空に溢れた水滴に散って

水面に落とした血のように


空の一瞬の脈動は

紺に沈んで

根に沈んで


薄れゆく帳をかき分けるように

まっすぐ伸びるのはひまわりの花


伸びて伸びて目いっぱい

花咲く頃には真白に変わり

青く澄んだ水面に浮かぶ

慈悲と無慈悲の睡蓮の花


夏告げる声は遠のいて

秋告げる声が遠くに響き

空は眠たげに充血させながら

紺に沈んで

根に沈んで


-----

暁の 散る朱の如く 焦がれても

告げるも逢瀬も 紺に沈んで

暁の 散る朱の如く 焦がれても

告げるも逢瀬も 紺に沈んで



朝焼けのように

空一面に広がる朱の色のように

あなたを思い焦がれていたとしても

お逢いできる時は

紺の色の空が広がる時間のように僅かなときしかなく、

想う気持ちは心の根に沈めておかなければなりません

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― 新着の感想 ―
[良い点]  告げる声の遠さは空の高さを表すようで、見上げ秋めく暁の空模様が夏の終わりを惜しむようです。
[良い点] とても素敵な詩を本当に有難うございます。 読んでいて夏から秋へと移ろうこの時期特有の、寂寥感の先触れみたいな自然美が脳裏に浮かび大変感銘を受けました。 季節に息衝く空と花の対比も鮮やかで読…
[良い点]  空が水面。  確かに似た色なのに、そんな風に思うことはなかったなぁと思いながら。  夜と朝、夕と夜の色の移り変わり。  留まらぬ景色だからこそ、僅かな時間でも心に残るのでしょうか。 […
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