夏の終わりに
未だ夜の帳が明けきらぬ空が
朱の色に燃えている
空に溢れた水滴に散って
水面に落とした血のように
空の一瞬の脈動は
紺に沈んで
根に沈んで
薄れゆく帳をかき分けるように
まっすぐ伸びるのはひまわりの花
伸びて伸びて目いっぱい
花咲く頃には真白に変わり
青く澄んだ水面に浮かぶ
慈悲と無慈悲の睡蓮の花
夏告げる声は遠のいて
秋告げる声が遠くに響き
空は眠たげに充血させながら
紺に沈んで
根に沈んで
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暁の 散る朱の如く 焦がれても
告げるも逢瀬も 紺に沈んで
暁の 散る朱の如く 焦がれても
告げるも逢瀬も 紺に沈んで
朝焼けのように
空一面に広がる朱の色のように
あなたを思い焦がれていたとしても
お逢いできる時は
紺の色の空が広がる時間のように僅かなときしかなく、
想う気持ちは心の根に沈めておかなければなりません