✒ リンフォン 4
何故だか、リンフォンを商売の道具として扱う事になった。
セロとシュンシュンはリンフォンの商品化についての話をしている。
気が合うんだろうな~~。
楽しそうだ。
心霊現象,怪奇現象の事はオレには分からない。
専門家のシュンシュンに任せるしかない。
オレに出せるアイデアって何だろうな…。
分からないんだけどぉ!!
マオ
「 ──利用者が気軽に手に出来る様にさ、なるべくカラフルなリンフォンを用意したら良いんじゃないかな?
絵柄は日本らしく伝統的な柄を使ってさ、お洒落な外面に拘ってみるとか──。
リンフォンを転売禁止商品にして、転売ヤーの大量購入を出来ない様にするとか──。
リンフォンの購入は《 セロッタ商会 》の公式HPSからしか出来ない様にしてさ、セロカ会員しか買えない様にして、限定品感を出したらどうかな?
セロカ会員には非売品の特典を付けて配送するとか── 」
霄囹
「 良いんじゃないか?
先ずは限られた相手への限定販売で売れ行きを見るのは賛成だな。
購入特典を非売品にするのもコレクター魂を揺さぶる上手い手段だ。
非売品の購入特典欲しさにオカルトに全く興味の無い一般人が、リンフォンを切っ掛けにオカルトへ興味を持つ可能性もある。
オカルトの和を広げる貢献にも繋がるかも知れないな 」
マオ
「 別にオカルトの和を広げる気は欠片も無いんだけどな~~ 」
セロフィート
「 非売品の特典は何にします? 」
霄囹
「 そうだなぁ~~。
こうしたらどうだ?
2種類の購入特典を用意するんだ。
手軽に心霊現象を体験の出来るリンフォンと手軽に怪奇現象を体験の出来るリンフォンを用意する。
心霊現象のリンフォンには非売品のセロカ君キーホルダーを付ける。
怪奇現象のリンフォンには非売品のキノコンキーホルダーを付けるんだ。
然り気無くリンフォンの宣伝をする為に、キーホルダーにはリンフォンも加える。
セロカ君とリンフォン,キノコンとリンフォンのコラボキーホルダーだ!
好きもんコレクターなら非売品キーホルダーを2点、欲しがる筈さ!
心霊現象と怪奇現象の両方を体験して楽しみたい奴も2つ買うだろう 」
マオ
「 う~~ん……確かに!
じゃあさ、2点購入してくれたセロカ会員にプラス特典を付けたらどうかな?
5万円相当の500P加点します!──みたいな? 」
霄囹
「 じゃあ、リンフォンの値段は幾らにするんだよ?
実質的にタダみたいなもんだけどさ 」
セロフィート
「 最低価格は5万円です 」
霄囹
「 意外と高いな。
ぼり過ぎてないか? 」
セロフィート
「 誰にも真似の出来ない,作れない商品です。
5万円でも安いです 」
マオ
「 セロ──、1万にしたらどうかな?
どうせリンフォンも非売品のキーホルダーもタダ同然だろ。
リンフォン1個で1万も儲かるんだぞ。
取り過ぎは良くないと思う。
特許を取れば、誰にも作れないしさ! 」
セロフィート
「 販売する際には、“ 特許取得商品 ” として売り出します。
偽物を作り販売した際には、個人だろうと企業だろうと訴えます。
見せしめに完膚無きまでに叩き潰します♪ 」
マオ
「 やり過ぎは良くないってば!
パチもんに目くじら立てるなよな? 」
セロフィート
「 別に立てるつもりはないです 」
霄囹
「 マオ、お前は甘ちゃんだな!
特許取得した商品のパチもんを作って販売するのは、立派な犯罪だぞ。
犯罪に目を瞑るのは間違いだ。
犯罪を見逃すの行為を “ 慈悲心 ” とは言わない。
慈悲心を言い訳に使うのは間違ってる!
犯罪を見逃した時点で、“ 共犯者 ” って事を自覚しろよ。
僕達は佛様じゃなんだ。
1度でも見逃す必要は無い!
取っ捕まえて警察に付き出して良いんだ。
犯した罪を暴いて、罪に見合う処罰を与え、きちんと償いをさせ、改心する機会を与える事が、本当の “ 慈悲心 ” ってヤツだ! 」
マオ
「 シュンシュンが言うと説得力が無いよ… 」
霄囹
「 それがどうした!
説得力なんか無くたって良いんだよ!
問題ないねぇ。
迷惑極まりないモラルを欠いた商売敵は、沸いて来ない様に “ 叩き潰すに限る ” って事を僕は言いたいんだ! 」
マオ
「 …………………………。
好きにしたら良いよ。
オレは無関係だからな!
巻き込むなよ! 」
セロフィート
「 マオ、君はワタシだけのマオでしょう。
立派な共犯者です♪ 」
マオ
「 くぅ~~~~、そうだったぁ!! 」
霄囹
「 1度、乗り込んだ豪華客船からは降りられないんだよ!
救命具も救命ボートも無いんだからな!
覚えとけ! 」
マオ
「 最悪だぁ~~ 」
セロフィート
「 霄囹さん、リンフォンの鷹を完成させる過程で、体験している怪奇現象を教えてください 」
霄囹
「 そうだな~~。
後は──、足音が聞こえる。
妙な耳鳴り──音が聞こえる。
“ 何か ” が壁,天井,床,窓にぶつかる音が聞こえる。
赤子の泣き声が聞こえる。
──ぐらいかな?
怪奇現象にしては些かショボいかも知れないな 」
マオ
「 物が勝手に動くとかないのか? 」
霄囹
「 それは怪奇現象じゃなくて超常現象だよ。
これまで身近で起きてる怪奇現象の中には、超常現象も入ってるかもな 」
マオ
「 怪奇現象,心霊現象,超常現象って何が違うんだ? 」
セロフィート
「 怪奇現象は主に怪異の類いが起こす悪戯等を指します。
心霊現象は主に悪霊,怨霊,死霊等が起こす騒ぎを指します。
超常現象は主に通常では説明の付かない現象を指します。
怪奇現象,心霊現象を引っ括めて超常現象と呼びます。
超常現象= 怪奇現象であり、心霊現象でもあります 」
マオ
「 そうなんだ? 」
セロフィート
「 怪物,UMA,UFO等も怪奇現象に含まれます。
奇跡的,超能力的な現象も超常現象に含まれます 」
マオ
「 お、おぅ…… 」
セロフィート
「 怪奇現象なのか心霊現象なのか分からない場合は、超常現象と言えば大抵は通じます 」
マオ
「 そうなんだな…。
リンフォンで動物を完成させる度に体験出来る怪奇現象や心霊現象は、シュンシュンが実際に体験してる怪奇現象を参考にするのか? 」
霄囹
「 当然だろ!
ショボい怪奇現象は脚色して──、初心者用リンフォン,中級者用リンフォンに使えば良いさ。
上級者用リンフォン,もっと過激な超常現象を体験したい人向けリンフォンには、僕の陰陽術をふんだんに使ってやるよ! 」
セロフィート
「 完成が楽しみです♪ 」
マオ
「 そだな……。
でもさ、初心者用,中級者用,上級者用,もっと過激な超常現象を体験したい人向け用の区別っは何でするんだ? 」
セロフィート
「 《 セロッタ商会 》から発売する商品です。
セロカ君の数で区別します 」
マオ
「 セロカ君の数? 」
セロフィート
「 はい♪
初心者用にはセロカ君を1つ,中級者用にはセロカ君を2つ,上級者用にはセロカ君を3つ,もっと過激な超常現象を体験したい人向け用にはセロカ君を4つです。
折角ですし、セロカ君キーホルダーとキノコンキーホルダーの絵柄を4種類にしましょう 」
マオ
「 絵柄を増やすぅ?? 」