✒ リンフォン 1
僕は陰陽師アイドルの春舂霄囹だ。
実年齢は忘れた。
人間を止めて2000年は過ぎてると思う。
僕の外見年齢は15歳で、≪ 日本国 ≫では15歳は未だ未成年らしい。
保護者の庇護下で暮らさないといけないらしく、成人として認められるのは20歳になってからだ。
僕はセロフィートの庇護下で3男として、裏野ハイツで暮らしている。
僕は今、セロフィートが死神から貰て来たっていう土産物── リンフォンって名前の玩具らしくない代物だ ──を弄っている。
正20面体の立体パズルで、実に不可思議且つ珍しいリンフォンは、熊から鷹へ、鷹から魚へ、魚から何かの動物へ変形するらしい。
最後の動物を作れればリンフォンを完成させた事になり、地獄の門が開き、多くの魂を回収するんだとか。
セロフィートの友達──本当に友達なのか怪しい所だが、僕は空気の読める陰陽師だからな。
セロフィートと死神は “ 友達 ” って事にしといてやろうと思う。
優しいだろ?
まぁ、そいつが本当に死神なのかも怪しいとか思っている。
言わないけどな!
セロフィート曰く、リンフォンは “ 友達の死神の御先祖様達が作った玩具 ” って事だ。
死神見習いの子供達にも使わせていたらしい本品の試作品──謂わば、失敗作を貰って来やがったみたいだ。
セロフィートの事だから、「 リンフォンをくれないと死神一族を〈 テフ 〉に変換しちゃぞ★ 」とか何
僕だって〈 テ
最後の動物はマオが持ってるリンフォンとは異なるらしい。
僕とマオが貰った試
然
改訂版の本
僕は是非とも地獄の門を見てみたいと思っている。
怖いモノ見たさっていうんだろうな。
仮にも
現
続いて、ネット世界に存在するあ
人気のオカルトサイトからマイナーなオカルトサイトに関係無くだ。
リンフォンを手に入れて、完成させる迄の過程を動画配信する事を思い付いて、それもマオキノに手伝ってもらっている。
因
セノコンはセンスが良
マオキノのお蔭で、僕のサイトの登録者数,いいね数も順調に増えている。
仮に大炎上しても僕は構わない。
大炎上「 どんと来
僕ぐらいの優
発信源だって特定する事が容易に出来てしまうんだ。
他
今迄も実
セロフィートの魔法には敵
マオキノ
「 霄
霄囹
「 なにぃ!?
マジかよ!
凄いじゃないか!
やったなマオキノぉ!! 」
マオキノ
「 オカルト好
拡散するのも誘導するのも朝飯前ですエリ★ 」
霄囹
「 頼もしいよ、マオキノぉ~~! 」
マオキノ
「 10代 ~ 30代の若者はリンフォンに夢中ですエリ。
1面が起き上がる度
最後の手前から完成までの動画は臨場感があって大好評ですエリ 」
霄囹
「 マオキノの編集が上
鷹の完成まで未
マオキノ、マオのリンフォンの完成具合は、どんな感じだ? 」
マオキノ
「 未
霄囹
「 はぁ?
セロフィートからリンフォンを貰って2日も経ってるんだぞ。
僕なんて貰った翌日
やっぱりマオには正20面体の立体パズルを完成させるのは難
マノキノ
「 マオ様、リンフォンに飽きちゃったみたいですエリ。
2階でセロ様と一緒に【 少年陰陽師★平安幻想異聞録 】の続きをプレイしてますエリ 」
霄囹
「 マオの奴、飽きるの早過ぎるだろ… 」
マノキノ
「 マオ様も初めは頑張って完成を目指してましたエリ。
リンフォンはマオ様には合わなかったみたいですエリ 」
霄囹
「 フッ!
なら、徳川家
マノキノ
「 霄囹ちゃま、明
動画配信の引き継ぎをキノコンにしときますエリ 」
霄囹
「 有
出来れば後
セロフィートに交渉してみるかな? 」
マノキノ
「 今は止
昼食になれば下りて来
食事中に切り出すと良
霄囹
「 そうか?
じゃあそうするとしようか。
今日
マノキノ
「 霄囹ちゃまのスマホ
霄囹
「 うん?
あぁ、それか──。
熊を完成させてから非通知の電話が鳴り始めたんだよ。
鬱陶しいからサイレントにしてるんだ。
非通知設定したのに同じ番号から掛かって来
電源を切ってても着信が入る度
鬱陶しいよなぁ~~ 」
マノキノ
「 迷惑な怪奇現象ですエリ 」
霄囹
「 それな~~。
スマホ
マノキノ
「 怪奇現象の検証も同時進行で動画配信すれば話題になりますエリ 」
霄囹
「 おっ、それ良
その案、頂きな!
熊を完成させてから1時間毎
マオキノ、僕のスマホ
マオキノ
「 お任せくださいませエリ★
視聴者を煽
霄囹
「 登録者数,いいね数が減っても困るから、あんまりや
マノキノ
「 心得てますエリ。
オカルティアンの心をガッチリ掴んで揺さぶる動画に仕上げますエリ 」
霄囹
「 あ、あぁ……頼むよ 」
マオキノは凝り性で、やり過ぎるから心配なんだよな……。
クオリティは大事だが、高過ぎるクオリティは怖さが半端ないんだ……。
あまり怖過ぎると興味本意で見てくれていた視聴者が離れていく事になり兼ねない……。
やっぱり是
昼食の時間になり、セロフィートとマオが2階から降りて来
マオが【 少年陰陽師★平安幻想異聞録 】の進み具合を話してくれる。
どうやらコントローラーをセロフィートに握られていてるらしく、触
飲み食いしながら大人しく観賞しているらしい。
僕はセロフィートに休みを伸ばしてもらえないか話をしてみたけど、あっさり却下された。
幾
即答は酷いと思うぞ!!