⭕ 玄武とデート 7
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「 あぁ~~~~ハッハッハッハッハッハッぁ!!!!
雑魚が何れだけ襲い掛かって来ようとも、雑魚は雑魚でしかないって事を学びやがれぇ!! 」
やっぱりシュンシュンだった。
シュンシュンは召喚した式神に指示を出して、無数に出現する妖しを蹂躙していた。
屠った妖しの屍の上に立って、高らかに大声を上げて笑っている。
何処ぞの傍若無人な俺様殿下かよ…。
マオ
「 シュンシュン、羽目を外し過ぎてないかな? 」
玄武
「 そうだな。
かなり羽目を外している様に見えるな 」
マオ
「 シュンシュ~~ン! 」
オレは左手を挙げながら、シュンシュンの名前を呼ぶ。
シュンシュンに向けて左手を元気に振りながら合図を送ってみる。
霄囹
「 マオ!
玄武も無事だったか!
此方には来るなよ!
巨大な割れ目が有るからな!
落ちたら一貫の終わりだぞ 」
マオ
「 えっ──クレバスが有るのか?? 」
シュンシュンとは話が出来るけど、確かに巨大なクレバスがシュンシュンとオレの間に立ち塞がっている。
行き来するのは難しそうだ。
玄武
「 随分と楽しそうだな 」
霄囹
「 玄武ぅ~~~~。
割れ目の下から妖力が上がって来るんだ。
妖しが沸いて出るのは、この妖力の所為だ。
割れ目の下に僕の式神を向かわせた。
妖力の因を絶ってくれるだろう 」
マオ
「 シュンシュン、1人で大丈夫なのか? 」
霄囹
「 はぁ?
僕を誰だと思ってるんだ!
最強で最恐の陰陽師様だぞ!
僕の式神も最強で最恐なんだぞ!
僕が先に異界を作った妖しを祓ってやるから待ってろ! 」
胸を張って偉そうに高らかと宣言をしたシュンシュンは、空を飛べる鳥型の式神の背中に飛び乗る乗ると、彼方へ飛んで行った。
マオ
「 シュンシュン……行っちゃった 」
玄武
「 我等は歩いて移動するしかないな。
犬神の背中に乗って移動が出来れば良いんだが… 」
マオ
「 出来ないの? 」
玄武
「 うむ。
背中に乗せて戦う戦闘に向かない式神だからな 」
そんな訳で、玄武さんとオレは異界を歩いて移動する。
異界は先へ進む度に裂け目が増えている。
玄武さん曰く、どの裂け目からも妖力が出ているみたいだ。
オレには全く妖力は見えないけどな~~。
遭遇する妖し退治しなから先へ進んでいると、大きな湖が見えた。
どうやら湖の先は果てしなく湖みたいだ。
マオ
「 湖だ……。
異界に湖ってあるんだ? 」
玄武
「 マオ、湖には近付くな。
湖の中には死体が沈んでいるぞ 」
マオ
「 えっ?
死体が沈んでる??
何で?? 」
玄武
「 どうやら餌にした人間の肉体を湖の中へ沈めて保存している様だ。
悪趣味ではあるが、妖しを倒せれば、異界が消える。
湖の中で保存されている死体も現実世界に戻るだろう。
家族の元へ帰れるな… 」
マオ
「 そっか!
異界を作った妖しは肉体じゃなくて魂を喰べる妖しなんだ!
肉体が残ってる状態で家族と再会する事が出来るって事だな!
玄武さん──、早く妖しを探して祓っちゃおう!! 」
俄然やる気が出て来たぞ!
──とは言っても、オレは戦えない役立たずだけどな~~~~。
んで──異界に入って数時間後、合流を果たした玄武さんとシュンシュンの式神が、正義のヒーロー宜しく “ 集団リンチ ” というエグくてエゲつない特権を振り翳して行使しつつ、異界を作った妖しを理不尽に蹂躙し、極限まで痛め付けた末にシュンシュンの陰陽術により強制的に祓われた。
なんか最後は可哀想だったな……。
異界を作った妖しが祓われた事で、異界は直に消滅するらしい。
空を飛べるシュンシュンの式神の背中に乗って、エレベーターの場所へ向かう。
エレベーターが見えて来た!
エレベーターに到着する迄の間に玄武さんとシュンシュンは目印に使っていた式神を回収している。
因みに玄武さんの式神達は、玄武さんの異界に戻っている様だ。
エレベーターの中に入ると、シュンシュンが1階のボタンを押した。
エレベーターの扉が閉じて、エレベーターは1階へ向かって動き出した。
◎ “ 特権 ” にすべきか “ 特許 ” にすべきかで悩みました。
取り敢えず、「 特権 」にしときました。