⭕ 玄武とデート 6
玄武さんとオレを囲む様に尻尾をフリフリさせながら小走りで歩く小型の和犬が可愛い~~~~♥️♥️
確かに癒されるけど、心無しか不安だ。
シュンシュンの姿は見えない。
シュンシュンの代わりに目印の式神が地面に残されている。
マオ
「 シュンシュンは1人で何処まで行っちゃったんだ? 」
玄武
「 さてな。
マオ、我達は別の場所を探すとしよう。
何処かに異界を生み出した妖しが居る筈だ 」
マオ
「 うん……。
魔具刀が有ればオレも戦えるのに!! 」
玄武
「 いや、異界の事を良く知らぬ者が異界を歩き回るのは良くない。
異界の広さ,地形,気候,雰囲気は妖しに依って異なる。
異界を住み憑く異形,怪異も様々だ。
我から離れぬ様にな 」
マオ
「 うん…… 」
手錠みたいなので繋がってるから、玄武さんと離れ様がないけどな~~。
玄武さんの力にもなれず、役にも立てないのは辛いな……。
男として情けないよ…。
玄武さんとオレの周りを歩いている小型の和犬は8匹だ。
前後左右に1匹ずつの4匹と左前斜め,右前斜めに1匹ずつの2匹。
左後ろ斜め,右後ろ斜めに1匹ずつの2匹だ。
玄武さんとオレの前を歩いているのは2匹。
だから、小型の和犬の式神は10匹も居る。
犬の姿をした式神だから犬神かな??
マオ
「 玄武さん、犬の姿をした式神って、陰陽師の間では “ 犬神 ” って呼ばれてるの? 」
玄武
「 うん?
そうだな。
一般的にも陰陽師の間でも “ 犬神 ” と呼ばれているな。
陰陽師の中には犬神を愛犬の様に可愛がる者も居るぐらい、重宝される式神だ。
犬種も好きに選べ、大型,中型,小型,超小型も好きに選べる 」
マオ
「 へぇ、そうなんだ 」
玄武
「 空から来るかも知れぬな。
シマエナガの式神も周囲に飛ばせておこう 」
マオ
「 シマエナガも可愛いよね~~♥️
癒されるぅ~~(////)
でもさ、和犬もシマエナガも小さくて可愛いけど、戦えるの? 」
玄武
「 問題ない。
可愛い姿は油断させる為だ。
敵と遭遇すると姿が変わり驚くぞ 」
マオ
「 そ、そうなんだ?? 」
妖しと頻繁に遭遇する様になった。
情けない事だけど、戦えない役立たずなオレは玄武さんの隣でオロオロする事しか出来ない。
玄武さんの犬神達が倒しても倒しても妖しは沸いて来る。
マオ
「 玄武さん!
何で、こんなに妖しが途切れないで出て来るの?! 」
玄武
「 さてな。
式神達が妖しの相手をしてるくれている。
大丈夫だ 」
マオ
「 だけど──!
式神も疲れたりするんだよね? 」
玄武
「 我の式神は妖しの類い喰らう事で原動力を充電する事が出来る。
問題ない 」
マオ
「 妖しを喰べる??
そ、そう言えば──、式神が倒した筈の妖しの姿が見当たらない?! 」
小型の和犬で可愛いワンコ系だった式神達も “ 雪の妖精 ” と呼ばれる小さくて可愛いシマエナガ達も、遭遇した妖しの姿を見た瞬間に姿が変わり果てた。
可愛くて癒し系の姿は何処へやらだ。
いや、もう、メッチャ恐い姿だよ!!
どっちが妖しなのか分からないぐらいだ。
玄武さんとオレを衛ってくれてるのは、紅い毛をフサフサさせている和犬──いや、虎よりも2回りも大きな狼と言った方が良いかも知れない。
玄武さんは慣れているのか、平然としている。
マオ
「 玄武さん、随分と落ち着いてるけど、異界に迷い込んだ事があるの? 」
玄武
「 うん?
そうだな。
式妖魔も自分の異界を持っているからな。
異界には陰陽師よりも詳しいな 」
マオ
「 へ??
玄武さんも異界を持ってる??
どゆこと?? 」
玄武
「 マオには話してなかったか?
我も挧氤も自分の異界を持っている。
我の場合は生前に暮らしていた屋敷をイメージした異界だ。
使役した式神を放し飼いにしている 」
マオ
「 そ、そうなんだ…。
玄武さんの事、未々知らない事があるんだ… 」
玄武
「 式妖魔の異界は個人用だ。
妖しの作る異界とは違うから、他人は入れない。
態々話す必要も無いと思ってな 」
マオ
「 そうだね… 」
式神達に衛られながら歩いていると、激しい爆音が鳴り響いている。
随分と派手な音だな。
マオ
「 何の音だろう?? 」
玄武
「 どうやらシュンシュンの様だな 」
マオ
「 シュンシュン?
こんな所でシュンシュンと合流するなんて!
玄武さん、行ってみようよ! 」
玄武
「 そうだな。
シュンシュンならば、手助けの必要ないだろうがな 」
ド派手な音がする場所を目指して、オレは玄武さんと一緒に向かって歩いた。
何で歩きかって?
玄武さんが走ってくれないからだよ!
◎ 完全に玄武の口調を忘れてますな。
気付いたら、ちょこちょこ直します。