✒ 玄武とデート 3
──*──*──*── ボート池
玄武さん,シュンシュンと一緒に他愛ない話をしながら、目的のボート池に到着した。
ボートに乗れる池だから、“ ボート池 ” って呼ばれてるらしい。
ボート池には、ボートに乗る為に人が並んでいた。
殆んどが異性同士のカップルだ。
中には同性同士のカップルも居るかも知れない。
霄囹
「 何だよ、混んでるじゃないか。
順番を待ってたら日が暮れちまうぞ 」
玄武
「 シュンシュン、言葉遣いを気を付けろ。
後、腕を絡めるな 」
霄囹
「 腕を絡めるぐらい良いじゃないか!
今の僕は可憐で可愛い女の子なんだぞ!
減るもんじゃないんだ、腕を組ませろ! 」
マオ
「 シュンシュン、玄武さんが迷惑そうにしてるじゃんか。
離してやれよ 」
霄囹
「 嫌だね!
今日の僕は玄武の彼女なんだ 」
玄武
「 悪寒が止まらない。
冗談でも止めろ 」
霄囹
「 僕は本気だ!
玄武ぅ~~~~、2人で静かな場所へ行ってイチャイチャしよう~~♥ 」
玄武
「 …………頭痛がして来たんだが… 」
マオ
「 シュンシュン、玄武さんにダメージを与えるなよ!
こんなに列が出来てるならボートは諦めるしかないかな…… 」
オレはガッカリと両肩を落とした。
別に “ どうしても乗りたい! ” って訳でもないしな……。
霄囹
「 しょうがないな。
陰陽術で蹴散らしてやるよ 」
マオ
「 シュンシュン!?
何する気だよ? 」
霄囹
「 “ 池の底には死体が埋まってる ” って良く言うだろ?
今日日死体は “ 池の中へ遺棄する ” ってのが主流なんだ。
池って場所は、昔から死体を捨てるのに持って来いの場所だからな!
重りを付けて落とせば死体は上がって来ないし、池に生息している魚が食べてくれるから始末するには適してるのさ。
随分と大きな池だからな陰陽術を使えば、死体や大量の白骨死体が出て来るかも知れないぞ!
ワクワクするなぁ! 」
マオ
「 嫌な事を言うなよ…。
そんな事したら警察が来て、立ち入り禁止になるじゃんか。
逆にボートに乗れなくなるだろ!
池から死体が上がる事件は見飽きてるんだよ… 」
霄囹
「 面白そうじゃないか!
それに池の彼此から黒い靄も出てるんだ。
試して損はないぜ 」
マオ
「 シュンシュン~~~~。
大体、死体を遺棄するなら、池じゃなくて底無し沼じゃないのか?
池に死体を遺棄するならミンチにしてバラ撒けば、魚が食べてくれるよ。
骨は粉末にして水洗トイレに流しちゃえば良いだろ? 」
霄囹
「 お前、何気に詳しいな~~。
底無し沼まで運ぶ迄が大変な作業じゃないかよ。
死体をミンチにするのも骨を粉末にするのも一苦労だぞ。
大体、脳ミソや臓器の類いは、どう処理する気だよ? 」
マオ
「 臓器売買に回すとか? 」
霄囹
「 お前さぁ、セロフィートに感化され過ぎてないかぁ?
それ全部、セロフィートが居ないと出来ないじゃないか 」
マオ
「 うっ……そう言われると…そうかも…… 」
霄囹
「 全く……。
池から死体を上げるのは止めてやるよ 」
マオ
「 本当か──シュンシュン? 」
霄囹
「 あぁ──、しないしない。
ボートを諦めて何処に行くんだ?
ラブホか? 」
マオ
「 何で真っ昼間からラブホに行くんだよ!
玄武さんが誤解されちゃうだろが!
職質されたら、どうすんだ! 」
霄囹
「 御互いに愛し合ってる恋人同士がラブホに行って何が悪い!
昼間だろうが夜だろうが、時間帯なんて関係無いんだよ! 」
玄武
「 我は誰とも愛し合ってないのだが? 」
霄囹
「 連れないなぁ、玄武ぅ~~~~♥️
玄武と僕の事に決まってるじゃないか~~ 」
玄武
「 我から10m離れて歩け 」
霄囹
「 玄武!
マオには優しいのに僕には塩対応し過ぎやしないか? 」
玄武
「 気の所為だ 」
霄囹
「 僕は玄武にだったら押し倒されても良いし、セクハラも痴漢だってされたって良いんだぞ! 」
玄武
「 いい加減にしないか。
我を犯罪者にする気か?
腕を離せ! 」
霄囹
「 玄武!
お前はヘタレか!?
可愛い僕がカモンしてるってのに何で頑なに拒むんだよ!!
ちゃんとブツは付いてるのか!? 」
玄武
「 我は式妖魔なのだが。
我が憑依している身体は〈 器人形 〉なのだから、付いてる訳ないだろう 」
マオ
「 そうだよ!
玄武さんは人間じゃないんだ!
可愛い顔してゲスい事を言うなよ… 」
霄囹
「 僕の何処が “ ゲスい ” って言うんだよ!! 」
マオ
「 玄武さんを誘惑してるからだ!
玄武さんが嫌がる事をするなよ。
余計に嫌われるぞ! 」
霄囹
「 玄武ぅ~~!
マオが意地悪な事を言って来るぅ~~ 」
玄武
「 我の腕に胸を擦り付けるのを止めないか 」
霄囹
「 何で拒むんだよ!
本物の胸だぞ!
パットじゃないんだぞ!
玄武の為に勝負下着を選んで来たってのに! 」
玄武
「 1ミリも頼んでないんだが? 」
マオ
「 シュンシュンさぁ、何で玄武さんに御執心なんだよ… 」
霄囹
「 マオには関係無いねぇ 」
何でシュンシュンは玄武さん何だろう??
セロならシュンシュンが玄武さんに夢中な理由を知ってるかも知れないな。
よし、セロに聞いてみよう!!