表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/398

⭕ 少年★陰陽師★探偵 1


──*──*──*── テレビ局


──*──*──*── 楽屋


春舂霄囹

「 はぁ~~~。

  陰陽師の僕がなんで探偵するんだよ、まったく…… 」


 僕はしゅんしょうしょうれい

 ではない別の≪ しまぐに ≫で暮らしていた。

 ≪ 平城京 ≫で60歳を向かえた僕は、強くなる為、より長く生きる為にらえた妖魔をらいまくり、人間を捨てた。

 ≪ 平城京 ≫が場所を移り≪ 平安京 ≫と名を代えて繁栄していた頃、「 ≪ 大陸 ≫からました 」と言うわたびとのセロフィート・シンミンとマオ・ユーグナルと出逢った。


 出逢ったときは双方が敵対する関係だったが、セロフィートやキノコンが僕より遥かに強い存在であり、僕なんて足下にも及ばない存在だと思い知ったあと──、僕は生き残る為にプライドを捨てて、セロフィートに尻尾を振った。

 いのちを優先してセロフィートの傘下にくだったんだ。

 僕だってけっして弱くはない。

 ただ、セロフィートとキノコンの強さがデタラメにケタ違いってだけだ。

 剣術に於いては、マオにもかなわないと自負している。

 強い者に従うのは、異形,怪異の世界でも同様なんだ。


 僕はセロフィートに服従した事を後悔しない。

 後悔するときたとしても、それは遠い未来の僕の事。

 そのときの僕に丸投──任せようと思う。

 げんじの屋敷で過ごすようになって、さん(ざん)な目に遭わされた事も有りはしたが、多少は打ちけれたと思っている。

 流石に手を繋いで仲良しこよしなんて出来るなかではないけれど、僕がげんじの屋敷で過ごせれたのは、マオの存在が大きいと思う。


 マオは不思議な奴だ。

 気に入らない奴ではあるが、きらいにもなれない。

 僕を “ シュンシュン ” と呼んで馴れ馴れしくしてるのはマオだけだ。

 外見的な年齢が近い所為もあるかも知れないが、不思議といやではない。

 げんにも “ シュンシュン ” と呼ばれているが、イカサマをして引き籠らせてしまった罪悪感もあるからな……呼ばせている。


 11月に本来の “ 式神バトル ” ってヤツを開催して見せ付けてやった翌年──、セロフィートとマオの提案もあり、旅行に行く事になった。

 と似ている≪ しまぐに ≫が在るとマオが言ったから、連れててもらったのが≪ にっぽんこく ≫だった。

 “ 似ている ” って言っても、妖魔,妖怪,ものあやかし,異形,怪異,霊体,幽霊,りょうあくりょうおんりょうりょう,地縛霊…など(など)が存在している──って所ぐらいだ。


 陰陽師,退魔師,祓い師(エクソシスト)るにはるが、僕からすればはなしにならないほどのカスだ。

 “ カス ” ってのは言い過ぎかも知れないけど、≪ にっぽんこく ≫に存在している妖魔,妖怪,ものあやかし,異形,怪異,霊体,幽霊,りょうあくりょうおんりょうりょう,地縛霊のたぐいは、僕の式神の相手にもならないほどに弱い。

 倒すなんて楽勝だ。

 多額の報酬を提示しても文句なんて言われないし、仕事の依頼はドンドン入ってる。

 いくらでもボレるのっていよねぇ~~。

 僕以外の陰陽師,退魔師,祓い師(エクソシスト)なんて廃業に追い込んでやる!


 セロフィートに “ 陰陽師アイドル ” なんてもんにされて、TVテレビ業界に投げ込まれて、歌って踊れる客寄せパンダみたいに利用されて──、踏んだり蹴ったりだ。

 まぁ、稼がしてもらってるから文句を言える立場じゃないけどな。

 オカルトブームってヤツにあやかって、心霊関係の仕事には困らないし、動画配信の伸びもじょう(じょう)だ。


 鰻登りで絶好調な僕にの月9ドラマからの出演オファー。

 しかも、主役に抜擢とている。

 主役──主人公が現役の高校生で陰陽師って設定だ。

 妖怪退治のシーンは出ると有名な心霊スポットで本格的に撮るって聞いていたから、セロフィートに頼んで承諾してもらったのに、だか探偵要素まで入れられている。


 昼間は高校の校内で頻発する事件を解決し、夜は陰陽師として妖怪を退治する。

 高校の校内で頻発する事件を起こしていたのは人間だったが、裏で妖怪が絡んでいる事がドラマの中盤で判明し、高校の校内で推理バトルやら陰陽バトルやらが増えてる。

 終盤の台本が無いから内容は分からないが、主人公の決め台詞は決まっていて「 真犯人は貴様だ!! 」らしい。


 しかも、主題歌は僕が歌う事になった。

 バックダンサーはキノコン。

 過去に一斉ブームを巻き起こした変なダンスが振り付けになっている。

 曲のタイトルは「 謎は推理★shock★サスペンス 」らしい。

 台本を読んで考えられた歌詞らしいが、まったもって信用が出来ないな。


春舂霄囹

まったく……セロフィートに『 やりたい! 』って言った建前、『 やっぱめる! 』とは言いがたいからな…… 」


キノコン

しょうれいちゃまの決め台詞、カッコいいですエリ!

  主題歌のバックダンサーも頑張りますエリ! 」


春舂霄囹

「 キノコ~~~ン!

  がとなぁ~~(////)

  キノコンが僕の式神として友情出演を許されてホッとしてるよぉ~~ 」


キノコン

しょうれいちゃま、暑苦しいですエリ★ 」


春舂霄囹

「 そゆこと言うなよ~~。

  傷付くじゃないかぁ~~。

  キノコンと僕のなかだろ~~。

  一蓮托生じゃないか~~ 」


 僕はキノコンに抱き付いて、キノコンの顔に自分のひだりほほをスリスリさせる。

 キノコンは危険極まりない存在だけど、僕から危害を加えない限り大人しい。

 僕に対してフレンドリーなのはセロフィートの命令を忠実に守っているからだ。

 じかで僕を監視して、セロフィートにちく報告をしているんだろう。

 僕は別に構わないけどね!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ