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✒ 少年陰陽師★平安幻想異聞録 32


 コントローラーをシュンシュンにゆだねて、早1時間──。

 時間は深夜2時を回っている。


 シュンシュンはセーブデータをロードして、退魔師試験のミニゲームをサクッとクリアしてくれた。

 お蔭で退魔師試験を1発合格する事が出来て、画面のシュンシュンは晴れて退魔師になる事が出来たんだ。

 評価は勿論、こう評価だ!


 で──、今はセロにデータを消されない為の隠蔽工作を実行中だ。

 オレは知らず知らずに性愛ルート(ハードモード)に入ってしまったけど、シュンシュンは友愛ルート(イージーモード)で進めてくれている。


 友愛ルート(イージーモード)の内容は性愛ルート(ハードモード)違っていて、親切で優しい感じがする。

 今迄のオレの苦労はなんだったんだ……。


 取り敢えず、シュンシュンは友愛ルート(イージーモード)で退魔師試験を合格して、シュン──主人公が退魔師になる所まで進めてくれる事になった。

 オレはシュンシュンのひだりどなりに座って大人しく観賞している。


 友愛ルート(イージーモード)なごやかで微笑ましいイベントが多いみたいだ。

 シュン──主人公には仲の良い友達が増えている。

 年齢も性別も関係無く友達が出来ている。


マオ

「 ──主人公はさ、平安時代に飛ばされる前は、現代の陰陽院の中で犯罪まがいな事をしてるのに、平安時代では友達が沢山出来てるなんて──、なんか腑に落ちないよな… 」


霄囹

「 平安じんは現代の主人公が、どんな奴なのか本性を知らないからな。

  友愛ルート(イージーモード)でも家族愛ルート(ノーマルモード)でも主人公の本性が明かされないまま終わる流れになってるんだ。

  初心者は先ず友愛ルート(イージーモード)家族愛ルート(ノーマルモード)でクリアするもんだ。

  初めから性愛ルート(ハードモード)を選ぶ馬鹿はないって事さ 」


マオ

「 ムッ!

  オレが馬鹿だって言うのかよ~~ 」


霄囹

「 そうなるよなぁ?

  しんぼくせいを戦闘に登場させる裏技はセロフィートの入れ知恵なんだろ?

  ホイホイ、セロフィートの言うとおりに進めたりするから、現代で主人公は犯罪者になるんだよ!

  “ 馬鹿 ” と言わないでなんて言えばいんだ?

  “ 間抜け ” か?

  “ ボン ” か? 」


マオ

「 随分な言われようなんだけど! 」


セノコン

「 マオ様は攻略本を読めませんエリ。

  セロ様の御言葉に頼るしか有りませんでしたエリ 」


霄囹

なんだよ、攻略本って。

  だ発売されてないだろ? 」


セノコン

「 試作品ですエリ。

  発売はまだ(まだ)先になりますエリ 」


霄囹

「 ふぅん?

  ──友愛ルート(イージーモード)はマジで簡単だな~~。

  流石は初心者向けだな。

  マオ、友愛ルート(イージーモード)家族愛ルート(ノーマルモード)でしか入手が出来ない希少なアイテムがあるんだ。

  セロフィートの目も有るからな性愛ルート(ハードモード)は当分のあいだ封印しとけよ。

  これからは友愛ルート(イージーモード)物語ストーリーを進めろ。

  クリアしたら家族愛ルート(ノーマルモード)でクリアだ。

  そのあと性愛ルート(ハードモード)へ入れば、セロフィートも文句を言わないだろ 」


マオ

「 シュンシュン……。

  計画的な犯行だな~~ 」


霄囹

()の為にしてるんだぞ! 」


マオ

「 分かってるって!

  感謝してるよ、シュンシュン! 」


霄囹

「 フン!

  ──マオ、ゲームに没頭するのもいけどな、たまにはそとに出て日光を浴びろよ 」


マオ

「 シュンシュン、お母さんみたいな事を言うんだな? 」


霄囹

()はセロフィートに依存し過ぎだし、甘え過ぎだ。

  少しは自立した生活をしてみろ。

  セロフィートが留守にしてる時間はチャンスだぞ 」


マオ

なんのチャンスだよ? 」


霄囹

「 セロフィートは死神と宜しくヤってるんだろ?

  マオは僕と宜しくヤろうじゃないか! 」


マオ

「 下品な言い方するなよ!

  オレのセロはたしかに死神に会いに行ってるらしいけど、やましい事なんてしてない! 」


霄囹

「 どうだろうなぁ~~?

  ()はさぁ、セロフィートのなにを分かってるんだ?

  アイツがマオに秘密にしてる事なんていくらでもあるだろ?

  なんで信じられるんだよ~~ 」


マオ

「 オレがセロを信じなかったら、誰がセロを信じるってんだよ! 」


霄囹

「 セロフィートはさぁ、誰かに “ 信じてもらいたい ” なんて微塵も思ってないだろ?

  ()にだって求めてないだろうよ! 」


マオ

「 黙れよ、しょうれい──。

  (しょう)(れい)に言われなくても、オレだって分かってんだよ 」


霄囹

「 ハッハッハッハッハッ!!

  今迄、猫を被っていたのに本性のお出ましか?

  いねぇ~~。

  久し振りにギラギラしてるじゃないか~~。

  きらいじゃないよ、今の()もねぇ 」


セノコン

「 マオ様、喧嘩は駄目ですエリ。

  しょうれいちゃまをべれるのは嬉しいですエリ。

  でも…………べるのがしくなってますエリ~~。

  マオ様ぁ~~、しょうれいちゃまの友達をめないでくださいませエリ…… 」


マオ

「 セノコン…………。

  めちゃくちべたそうな顔して言われてもな……。

  取り敢えず、涎は拭こうな? 」


セノコン

しょうれいちゃまがべれると思うと──、涎がまらないですエリ~~ 」


霄囹

「 …………相変わらず食欲旺盛なキノコンだな… 」


 シュンシュンは涎がまらないセノコンを見て顔を引き吊らせている。

 そうだった──。

 オレの一言で、シュンシュンはキノコンにべらてしまう運命なんだった。


 シュンシュンがオレに危害を加えたら、シュンシュンはセノコンとマオキノから瞬殺される。

 セロが決定した絶対に揺るがない決まりだ。


 シュンシュンはキノコンにべられたくないから、なにが起きてもオレにだけは危害を加えたりはしないだろう。

 シュンシュンは人間をめてるから、人間以上にセロとキノコンの恐怖こわさ全身からだで理解していると思う。


 逆立ちしたってセロとキノコンには勝てない事をシュンシュンは本能で理解してるんだ。

 だから──、生きたいからシュンシュンは必死にいのちけで、セロとキノコンに尻尾を振ってるんだ。


マオ

「 …………御免な……シュンシュン…。

  オレが悪かったよ…。

  シュンシュンの兄貴なのに大人おとなが無かったよ… 」


霄囹

「 …………フン!

  僕はキノコンにわれるのは御免だからな!

  もう暫く “ 兄弟ごっこ ” と “ 家族ごっこ ” に付き合ってやるよ! 」


マオ

「 “ ごっこ ” とか言うなよ 」


霄囹

「 十分に “ ごっこ ” だろうが!

  そんな事より──、プロになったげんづるの対局を見に行かないか? 」


マオ

げんさんとづるさんの? 」


霄囹

「 あぁ、そうさ。

  プロとして活躍してるげんづるの姿を見たくないか?

  2人の兄貴として応援に行ってやろうじゃないか! 」


 シュンシュンは悪戯をしようとたくらむ悪ガキみたいに口元をゆがませるとニヤッと笑った。

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