表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
63/431

✒ 少年陰陽師★平安幻想異聞録 29


 居間を出るとアイコンが出る。

 どうやらししとう屋敷の中を自由に歩き回れるみたいだ。

 1人だからかな?

 よし、この時間を有効活用して、色んな部屋で〔 物色 〕しまくって、珍しいアイテムを〔 拝借 〕してゲットするぞぉ!!


 ──というわけで、オレはゆみさんとさいさんの事は後回しにする事にした。

 珍しいアイテムをゲットする方が大事だもんな!!











 ししとう屋敷の中を自由に動き回って、ドット絵のシュンシュンにみたいな犯罪まがいギリギリな事をさせまくった。

 語弊になっちゃうな。

 ギリギリじゃなくて、完全にアウトな犯罪行為だ。

 火事場泥棒だって迄はしないだろう。


 だけど、これはゲームだ。

 ゲームの中でれだけ犯罪をおかしても現実リアルで逮捕はされない!

 ゲーム、最高!!


 非消耗品アイテム,消耗品アイテムの数が一気に増えた。

 ししとう屋敷の中は、お宝の宝庫だった。

 あり~~がと、ごーざい~~~~まっす★


 〔 物色 〕〔 拝借 〕タイムが終わったら、いよいよ最後まで残していた部屋へ向かう。

 さいさんの部屋だ。

 ししとう屋敷のラスボスの部屋~~!!


 ドット絵のシュンシュンがさいさんの部屋の前に到着した。 

 ドキドキするなぁ~~。

 2人でなにをしてるんだろう??


 [ さいの部屋 ]〔 覗き見 〕〔 盗聴 〕〔 入る 〕 の3択が出る。

 〔 覗き見 〕〔 盗聴 〕は完全に犯罪行為だ。

 するけどな!


 選ぶ前にステータス画面を出して[ セーブ ]しとく。

 やりなおしが出来るようにしときたい。


 オレは先ず〔 覗き見 〕を選ぶ。

 シュンシュンは法術を使って、さいさんの室内を覗き始める。

 法術の使い方を完全に間違えてるけど、室内の中を〔 覗き見 〕出来るなんて、陰陽師って犯罪出来まくりんぐじゃんか!

 陰陽師…………恐いな。


 さいさんの室内を覗いて見ると──、さいさんとゆみさんが、お酒を飲んでいる。

 ゆみさんって、お酒が飲めるんだ…。

 オレの知らないゆみさんだ。

 づるさんもお酒を飲むのかな??


 なにを話してるのか内容はまったく聞こえないけど、楽しそうに話しているように見える。

 どうやらお酒を飲みながら囲碁を打っているみたいだ。

 まぁ、真剣勝負をする訳じゃないし?

 異母兄弟同士で打つんだもんな?


 お酒を飲みながら囲碁を打ってるのは分かった。

 なにを話してるのか会話が気になるから、〔 盗聴 〕を選ぶ。

 シュンシュンは法術を使って〔 盗聴 〕を始めた。


「 ──ゆみは随分としゅんに対して、お熱のようですね。

  しゅんは私の息子になります。

  仲がい事は構いませんけど、これからは控えてください 」


「 ──それはしょうれい次第だ。

  しょうれいが拒むなら私もひかえる 」


ゆみきみも来月には19歳になります。

  きみの為になんにんか姫を選んでいます。

  しゅんが陰陽師試験,退魔師試験を受けている期間内に訪ねなさい 」


なにを言い出すんだ? 」


ゆみか、きみがどんなにししとうこばみ、けても、ししとうに産まれた事実は消せません。

  ししとうの人間である事を捨てる事は出来ません。

  父上,母上方,一族の者が許さないでしょう 」


「 ……………………それは…… 」


ゆみ迄も私がきみかばえると思わないでください。

  私にも限度があるのです。

  一の姫の息子であるゆみに子供が産まれれば、父上は安心します。

  母上方も一族の者達も大人しくなります。

  私の子供達が刺客や暗殺者からいのちを狙われる事もなくなります。

  すべてが──という訳にはいきませんけど、正統な世継ぎが産まれれば、丸く収まります。

  それはゆみも分かっているでしょう。

  ししとう屋敷の当主になりなくないなら、子供に継がせればいでしょう。

  ゆみの子供が成人する迄は、私も後見人として支えますし、父上が守ってくれます 」


「 ………………それは…… 」


「 自分の子供に自分の代わりに当主の座を継がせるのは酷だと言いますか?

  私に対しては酷とは思わないのに? 」


「 ………………それに関しては……済まないと思っている… 」


「 少しでも私や私の子供達に “ 申し訳無い ” と思う心があるならば──、子孫を残しなさい。

  男同士では子孫を残す事は出来ません。

  しゅんほどの子ならば、事情を理解してくれるでしょう。

  一の姫の息子として産まれた役目を果たしなさい。

  姫達から預かっているふみを渡します。

  返事を書いて近日中に屋敷を訪ねなさい。

  子供達が産まれても育てるのは母親です。

  ともに暮らす訳ではないのです。

  季節の行事,祝い事の日に顔を会わせて過ごすだけです。

  最低でも5人は作りなさい。

  いですね? 」


「 ……………… 」


「 返事はしてくれませんか?

  兄としてではなく、当主として命令した方がいですか? 」


「 ………………考える時間を── 」


「 時間ならば十分に与えました。

  ゆみ、覚悟を決めなさい。

  迄も逃げていてはいけません。

  い加減、本来の自分と向かい合ってください 」


「 …………………… 」


「 困った弟ですね。

  まで拒否するのですか?

  私にも言えない事ですか? 」


「 ……………………しょうれいには言わないでほしい…。

  しょうれいには知られなくない…… 」


ゆみが望むなら、しゅんには話しません。

  しゅんが退魔師試験に合格する日が期限だと思ってください。

  おおいに励むように── 」


「 ………………善処はする… 」


 ──なんだろうな……。

 聞いたら駄目な話を聞いちゃったみたいだ。

 オレのづるさんが──じゃなくて、シュンシュンのゆみさんが、貴族の娘さんの屋敷へ行って子作りに励まないといけない話を聞く事になるなんて──。


 お貴族様の跡取り──お世継ぎ問題ってなか(なか)ヘビーでカオスだな…。

 複数の娘さんの屋敷でパオパオしまくって最低でも5人は産ませろって??


 さいさんは20歳(はたち)で、3人の奥さんがて、4人のお父さんだったよな。

 ゆみさんはなんにんの奥さんになんにんずつ産ませる気なんだ??


 シュンシュンが陰陽院へ行って、陰陽師試験を受けてから、退魔師試験に合格する迄の期間のあいだに子作りに励むらなら──、最低でも5人を相手にする事になるから…………、ゆみさんは奥さんを5人も持つ事に──。


 財力と権力を持つ貴族って凄いな……。

 子供が産まれたら、5つの屋敷に資金援助とかしないといけないんだろ?

 ゆみさん、それだけの財力あるのかな??


 跡取りの子供なんだし、ゆみさんの父親が資金援助とかするのかな??

 ゲームの中での事だし、オレの知ったこっちゃないんだけど気になるぅ~~。


 さいさんに渡されるふみに返事を書いて、5つの屋敷へあししげかよって子作りに励むのか……。

 それをシュンシュンには「 内緒にしてほしい 」って……。


 ごめん、ゆみさん!

 全部、聞いちゃったよ!!

 画面の中のシュンシュンは、どうするんだろう……。

 ゆみさんの事、かなり気に入ってるみたいだし……しんちゅうは穏やかじゃないかも知れないな。


 オレだって、セロがゆみさんの立場だったら黙ってられないしな!

 子作りを阻止しようとなんとかしようと行動して奮闘するかも知れない。

 だけど……たしかに、男同士じゃ子孫は残せないんだよな……。


 さいさんの言う事も分かるんだ。

 ゆみさんが正統な跡取りじゃなければ問題なかったんだろうけど……。


 じつだアイコンが1つだけ残っている。

 [ さいの部屋 ]〔 入る 〕だ。

 ……………………はっきし言って、オレは選びたくない。

 選びたくないけど、選ばないとはなしが進まないみたいだから、選ぶしかない。


 ステータス画面を出して[ セーブ ]をする。

 どんな展開に発展するのかマジで恐い。

 予測が出来ない。

 カオス降臨か?!

 これは明らかに制作者側の悪意が具現化されてるイベントだと思う!!


 なんで〔 戻る 〕を追加してくれないんだよ!!

 仕方無いから覚悟を決めて、オレは選びたくない〔 入る 〕を選ぶ。

 ドット絵のシュンシュンがさいさんの部屋のふすまを力一杯に開けて、「 スッパーーーン!! 」とデカいおとを出す。


 「 修羅場さん、こんにちは 」の時間がたぁぁぁぁぁ!!

 ハードモードなんてだいきらいだ!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ