⭕ 少年陰陽師★平安幻想異聞録 24
獅聖幻夢をモデルにしたと思われる獅東屋敷の当主──獅東彩志は、随分と弓嘉さんと仲良しみたいだ。
和やかに軽口を叩き合える仲って事は相当な仲良しな間柄って事だよな??
オレの弓弦さんなのにぃ!!
あっ──、違う違う!
弓弦さんじゃなくて弓嘉さんだった(////)
オレの弓嘉さんなのにぃ!!
「 ──という事があってな、霄囹は私の恩人だ。
何か恩返しがしたくてな… 」と弓嘉さんの台詞。
「 それで霄囹殿を弟子にした訳ですか 」とニコニコ笑顔の彩志さん。
気の所為か彩志さんの笑顔が怖い……。
「 私の弓嘉の窮地を救ってくれた恩人を無下には出来ませんね。
弓嘉の弟子になったのなら、家族も同然です。
霄囹殿の部屋を用意させます。
どうぞ、私の屋敷で暮らしてください 」と彩志さんの台詞。
「 あ…有り難う御座います!
助かります… 」と笑顔を絶やさない彩志さんに恐縮するシュンシュンの台詞。
「 霄囹殿は、陰陽師として活躍をされる予定ですか? 」と探りを入れて来る彩志さんの台詞。
「 いえ……。
退魔師試験を受けて、退魔師になるつもりです 」とシュンシュンの台詞。
「 退魔師に…。
霄囹殿は何期生の陰陽師ですか? 」と彩志さんの台詞。
期生??
陰陽師に◯期生とかあるんだ?
えっ……この質問はヤバくない??
だってさ、シュンシュンは平安人じゃないんだから、平安時代の陰陽院で陰陽師試験を受けてないんだ。
………………どう答えたら良いんだよ??
貴族相手に嘘なんか吐けないだろう!!
ヤバいよ、シュンシュン!
ピンチだぞ!!
「 …………僕は見知らぬ森の中に倒れていました。
意識を取り戻して、見知らぬ森の中をさ迷い──、弓嘉と出逢う≪ 村落 ≫へ辿り着きました… 」とシュンシュンの台詞。
「 森の中で倒れていた?
それは…穏やかではないですね。
妖魔にでも襲われていたのですか? 」と首を傾げた様子で彩志さんの台詞。
「 …………僕は間違いなく陰陽師です。
僕には法力が有ります。
法術も使えるし、呪符も作れるし、霊符も作れます 」とシュンシュンの台詞。
「 呪符が作れるのは兎も角、霊符を作れるとは凄いですね 」と感心した様に驚く彩志さんの台詞。
「 作った呪符も霊符も使えます。
依り代を使い、使役している式神を召喚する事も出来ます 」とシュンシュンの台詞。
「 霊符を作れるだけでなく、使えるのですか?
益々凄いですね 」と興味津々な様子で彩志さんの台詞。
「 …………僕は6歳で陰陽院で陰陽師試験を受け、見事に合格して陰陽師となりました。
史上最年少の陰陽師です 」とシュンシュンの台詞。
「 6歳で陰陽師試験に合格したのですか?
その様な前代未聞な事態が起きれば私の耳にも入ります。
ですが、陰陽院から6歳で陰陽師となった子供の話は聞いた事がありませんね 」とシュンシュンの言葉を疑う様子で彩志さんの台詞。
「 彩志さ──いえ、獅東様が聞いた事が無いのは当然です。
僕が陰陽師試験を受けた陰陽院は、≪ 平安京 ≫の陰陽院ではないからです 」とシュンシュンの台詞。
「 ≪ 平安京 ≫の陰陽院ではない?
陰陽院は≪ 平安京 ≫にしかない筈です。
≪ 平安京 ≫の外に陰陽院は在りませんよ 」と呆れた様子の彩志さんの台詞。
「 ──信じていただく事は難しいと思います。
例え嘘吐き呼ばわりされても文句を言える立場ではない事も分かっているつもりです。
それでも僕は事実を言います。
見知らぬ僕を弟子にしてくれた弓嘉に嘘を吐いて偽りたくないから── 」とシュンシュンの台詞。
「 霄囹殿は前置きが長いですね。
嘘か真実かは別にして、聞くだけ聞きましょう。
話してくれますか? 」と何を考えてるのか分からないニコニコ笑顔で彩志さんの台詞。
「 有り難う御座います、獅東様!
僕は平安時代よりも未来の時代から時を遡り、平安時代の森の中に出ました。
“ とある妖怪 ” の妖術で──、だと思います 」とシュンシュンの台詞。
「 平安時代より未来の時代??
時を遡って来た?? 」と驚いた様子の弓嘉さんの台詞。
「 その話が本当ならば、霄囹殿は未来の陰陽院で陰陽師試験を受け、合格をした──という事になりますね 」と彩志さんの台詞。
「 はい。
僕は平安時代の陰陽院を知りません。
僕が陰陽師だという事を平安時代で証明する事は出来ません…。
だから、僕は退魔師試験を受けます。
退魔師として活動しながら生計を立て、僕を平安時代へ送った妖怪を探し出すつもりです。
元の時代へ帰る為に、時を操る妖怪を必ず── 」と決意したシュンシュンの台詞。
「 元の時代へ帰る…… 」と動揺を隠せない様子の弓嘉さんの台詞。
「 …………確かに俄には信じ難い内容ですね。
話した相手が私で無ければ、この場で捕らえられ、陰陽院へ連行されても仕方無い内容です 」と彩志さんの台詞。
「 ──彩志! 霄囹を捕らえる事は私が許さない! 」と本気でシュンシュンを庇う弓嘉の台詞。
「 弓嘉、落ち着いて。
霄囹殿を捕らえたりしません。
弓嘉の恩人であり、弟子なのですからね。
安心してください 」とニコニコ笑顔のままで彩志さんの台詞。
「 それなら良いんだが… 」と安堵して胸を撫で下ろす弓嘉さんの台詞。
「 霄囹殿が胸を張り、堂々と陰陽師を名乗り、活動が出来る様に私が陰陽院へ手を回しましょう。
先に陰陽院で陰陽師試験を受けてください。
未来の陰陽院で陰陽師試験に合格する事が出来た霄囹殿ならば楽勝でしょう。
霄囹殿の後見人は私がなります。
晴れて陰陽師になれた後、退魔師試験を受けてください。
霄囹殿の退魔師試験は、陰陽院から申請します。
陰陽院を通して退魔師となれれば、報酬とは別に陰陽院から給料が出ます。
悪い話ではないでしょう 」とニコニコ笑顔で彩志さんの台詞。
「 …………有り難う御座います、獅東様──。
其処迄していただけるのは何故ですか?
僕が未来から来た陰陽師だから──ですか? 」と不思議そうに思いながらシュンシュンの台詞。
確かにシュンシュンの言う通りだ。
何で「 初めまして 」のシュンシュンに此処まで良くしてくれるんだ??
何か並々ならぬ様な事情でも有るのか??
う~~~~ん、分からん。
◎ 訂正しました。
霄囹さん ─→ 霄囹殿