⭕ 少年陰陽師★平安幻想異聞録 15
セーブデータは4つある。
≪ 村落 ≫に入る前に1つ,着替える前に2つ,就寝後に1つ──。
セロが居てくれないから、これからもセーブデータは増えるかも知れないな。
[ セーブ ]が終わると画面が切り替わって、翌日の朝を迎えた。
ドット絵のシュンシュンは既に陰陽師の衣装──狩り衣に着替え終えていて、弓嘉さんと朝食中だ。
2組の布団はちゃんと折り畳まれて置かれている。
朝食が終わるとシュンシュンと弓嘉さんが出掛ける準備を始める。
減った必需品を調達に出掛けるんだな。
「 霄囹が手伝ってくれたお蔭で、必需品の調達も無事に済んだ。
阿修山へ向かおう 」って、弓嘉さんから台詞が出る。
──はい??
翌日じゃなかった??
既に足りない必需品の調達と補充作業は済んでいた??
えっ……何日目だよ??
翌日だと思っていたのに、何日か日数が経ってる??
ワープするんだ…。
必需品の調達場面は、カットされる要らないシーンだったのかな??
シュンシュンと弓嘉さんは宿泊室を出た。
弓嘉さんが宿屋の主人と向き合って手続きを始めると、宿屋で働いている従業員がシュンシュンに近付いて来た。
従業員は「 昨晩も、お楽しみでしたね♥️ 」って意味不明な台詞をシュンシュンに言うと画面から去って行った。
…………………………「 昨晩も、お楽しみでしたね♥️ 」だと??
“ 昨晩は ” じゃなくて “ 昨晩も ” って、どゆことだよ??
日付が変わる前に、“ 何が起きていた ” って事なのか??
何の説明も無いから分からないな…。
セロが来たら、空白の数日間に “ 何があったのか “ って事を教えてもらわないとだ。
手続きを済ませた弓嘉さんとシュンシュンが宿屋を出る。
弓嘉さんから「 これから阿修山へ向かう。阿修山周辺に出る妖魔の強さは大した事ないが、阿修山に入ると妖魔が強くなる。妖術を使う妖魔も増える。油断は禁物だ。心して掛かろう 」って台詞が出る。
「 分かった。
妖魔退治には自信があるけど、注意するよ。
行こう 」って、シュンシュンから台詞が出る。
これから請け負った依頼を解決しに行くってのに、和やかなムードなのが妙に気になる。
取り敢えず、≪ 村落 ≫を出る前に[ セーブ ]しとこう。
2つある着替える前のセーブデータの1つに上書き保存した。
シュンシュンと弓嘉さんが≪ 村落 ≫を出ると画面が切り替わって、地図が出た。
どうやら≪ 平安京 ≫周辺の地図らしい。
地図上に居る2頭身のシュンシュンを動かして行きたい場所を選ぶみたいだ。
試しに2頭身のシュンシュンが≪ 平安京 ≫へ動かしてみるけど、「 ブブー 」って音が鳴って入れなくなっている。
他の場所にも移動させてみるけど、行った事の無い場所をえらんでも「 ブブー 」って音が鳴って入れなくなっている。
現在、2頭身のシュンシュンが行ける場所は、さ迷っていた森,滞在した≪ 村落 ≫,これから向かう阿修山の麓にある≪ 集落 ≫だけみたいだ。
≪ 集落 ≫まで2頭身のシュンシュンを動かすと、画面の下に【 村落 ─→ 徒歩・4日 ─→ 集落 】って出る。
片道4日も掛かるのかよ。
移動に費やされる日数が出るんだ…。
ゲームなんだし、要らなくないか??
画面が切り替わって、≪ 集落 ≫に到着。
弓嘉さんから「 今夜は此処の宿屋に宿泊しよう 」って台詞が出る。
「 退魔仲介所がある。
退魔仲介所から請け負った依頼に関しては、最寄りの退魔仲介所へ顔を出す決まりだ。
経過報告に向かう。
宿泊希望があれば宿屋の手配も退魔仲介所がしてくれる 」って、続けて弓嘉さんから台詞が出る。
ゲームだからかな。
宿泊する宿屋の手配まで退魔仲介所がしてくれるなんて親切だな。
自分で宿屋に交渉しなくても良いなんて楽じゃん♪
弓嘉さんの案内で≪ 集落 ≫に在る退魔仲介所へ向かう事になった。
弓嘉さんとシュンシュンは到着した退魔仲介所の中へ入る。
受け付けの前で弓嘉さんが退魔仲介所に入ってからする事を丁寧に教えてくれる。
こういう親切な所は弓弦さんと同じだな。
何か懐かしいな~~(////)
退魔仲介所での必要なやり取りが終わる。
宿屋の手配も退魔仲介所がしてくれた。
≪ 集落 ≫での用事を済ませたら、宿屋へ直行すれば良いみたいだ。
≪ 集落 ≫でする用事ってのは、請け負った依頼に関する情報収集をする事だ。
集落民に話し掛けて、依頼に関連する情報を仕入れないといけない。
退魔仲介所を出ると、集落民に聞き込みをする為、弓嘉さんと別行動をする事になった。
16時頃まで集落民から情報収集をしていた。
弓嘉さんと合流したら、宿屋へ向かった。
現在は宿泊室に居る。
夕食も終えて、畳の上には2組の布団が敷かれている。
シュンシュンと弓嘉さんは、集落民から収集した情報を纏めている最中だ。
情報収集の整理が終わると、就寝する流れに入った。
シュンシュンと弓嘉さんが御互いに「 おやすみ 」の挨拶を終える。
画面に[ 弓嘉からの誘い ]〔 受ける 〕〔 断る 〕〔 誘う 〕の3択が出る。
だから、何の “ 誘い ” だよ!!
う~~ん……〔 断る 〕を選ぶと仲良くなった弓嘉さんとの関係に亀裂が入りそうで嫌だ。
これからも仲間として仲良くして行きたい。
〔 受ける 〕か〔 誘う 〕か……。
う~~ん……どっちが正解なんだろう…。
取り敢えず、角が立つのは嫌だからな、オレは〔 受ける 〕を選んだ。
パッと画面が暗くなる。
暗くなった画面から、キラキラ輝くミラーボールが回っている映像が流れる。
ハープの綺麗な音色も聞こえて来た。
朝を迎えるだけなのに──って、確か前も思ったよな。
画面に【[ セーブ ]しますか? 】ってアイコンが出た。
オレは〔 する 〕を選んで、また1つ新しいセーブデータを増やした。
◎ たったこれだけの文章を書き上げるのに、7時 ~9時まで掛かってしまいました。
ゲームのシュンシュンが良からぬ方向へ向かっていますが、マオは全く気付いていません。