✒ 豪華客船でBAN❗ 3
──*──*──*── 2日目
──*──*──*── 特選室
──*──*──*── ベッド
ベッドの中で寝ていたマオがモゾモゾと動く。
熟睡魔法の効果が切れたからだ。
マオはノソノソとベッドから上半身を起こす。
[ 特選室 ]はシン──としている。
どうやら室内にはマオしか居ない様だ。
マオは壁に掛けられている時計に目を向ける。
マオ
「 ………………9時…………40……分…………9時………………えぇっ!?
うわっあ?! 」
無意識にベッドから身を乗り出していたオレは、バランスを崩しベッドから落ちた。
マオ
「 いっ──てぇ…………。
10時前かよ……。
セロは──、居る訳ないか……。
セロの事だから[ カジノ ]に行ってるんだろうな…… 」
乱れたバスローブを直したら、顔を洗う為[ 洗面脱衣室 ]に入る。
──*──*──*── 洗面脱衣室
鏡の前に立ったオレは、身体に付いている赤い痕に気付いた。
マオ
「 うわっ!
何だよ、コレぇ!(////)
セロが付けたキスマークだらけじゃないかよぉ!!(////)」
嬉しいけど、こんなにキスマークだらけな身体で[ プール ]には行けない……。
セロめぇ──、昨日の[ カジノ ]に行かせなかった仕返しのつもりかな?
だから “ 目を閉じろ ” って言ったんだな!
マオ
「 嬉しいけど……複雑だなぁ……。
[ カジノ ]に行って、文句を言ってやらないと!! 」
顔を洗い終えたオレは、既に用意されていたセンスの良い衣類に着替える。
セロが予めマオの為に用意してくれていた衣類だ。
[ 洗面脱衣室 ]を出たは、カードキーを入れたパスケースの紐を首に掛ける。
何でも入る魔法のポーチを腰に付けて、忘れ物が無いか確認してから[ 特選室 ]を出た。
ドアはオートロックの為、何もしなくても勝手に鍵が掛かってくれる。
オレは遅めの朝食をする為に[ 食堂 ]へ向かった。
──*──*──*── BAR兼食堂
[ 食堂 ]に入ると結構、人が残っていて意外と賑わっている。
オレはホールスタッフに声を掛けられて、空いている席へ案内される。
オレはホットレモンティーとサンドイッチを注文した。
運ばれて来たサンドイッチを食べながら、ホットレモンティーを飲む。
具材が豪華なサンドイッチは美味い。
流石は有名なシェフが提供してくれる料理だ。
サンドイッチを食べ終えてレモンティーを飲み終わると悲鳴が聞こえた。
[ 食堂 ]の奥に人集りが出来ている。
ホールスタッフが救急スタッフに連絡をしている声が聞こえて来る。
騒いでる人達の話に聞き耳を立てていると、どうやらアイスレモンティーを飲んだ途端に苦しみだして倒れてしまったらしい。
口から白い泡を吹いていて、白目を剥いた状態で気を失っているらしい。
レモンティー…………オレも飲んじゃったけどな……。
オレも野次馬に混ざって、死体を拝んでみようと思って、席を立った。
床に倒れている人物を見てみると、見覚えの有る顔だった。
昨日の “ 痴漢オジサン ” じゃないかよ!
痴漢オジサンがアイスレモンティーを飲んで倒れた……。
でも何でだ??
毒でも盛られたって事か??
マオ
「 何がどうなってるんだ…… 」
探偵でも無ければ、刑事でも無いオレには全く分からない。
オレは[ 食堂 ]を出て[ カジノ ]へ向かう事にした。
[ 食堂 ]を出ようとした矢先、また悲鳴が聞こえる。
今度は女性らしい。
またまた人集りが出来る。
騒いでる人達の話に聞き耳を立ててみると、どうやらアイスレモンティーを飲んだ途端に苦しみだして倒れてしまったらしい。
またアイスレモンティーかよ。
口から白い泡を吹いていて、白目を剥いた状態で気を失っているらしい。
激しく喉を掻き毟った痕が、くっきりと残っているらしい。
オレ……ホットだけど、レモンティーを飲んでるんだけどなぁ……。
他にもオレみたいにホットレモンティーを頼んで飲んだ船客は………………。
オレは然り気無く船客の顔色を伺ってみる。
特に不安そうな顔色の船客は居ないみたいだ。
3人の死体を見てるんだから、船客達の顔色が悪いのは当然し、不安な顔するよな……。
レモンティーは人気が無いのか、あんまり頼む船客は居ないって感じかな?
ホールスタッフが連絡した救急スタッフが数人やって来た。
ホールスタッフが野次馬と化している船客を散らせ、救急スタッフを呼んでいる。
もう手遅れなんじゃないかな~~。
兎に角、オレは[ 食堂 ]を出ると[ カジノ ]に居る筈のセロの元へ走った。
あっ、[ 食堂 ]から出て走ったら怪しまれてしまうかも知れない。
今更だけど、しまったぁ~~~~。
──*──*──*── カジノ
両扉を開けると、まるで別世界に来てしまった感を感じる[ カジノ ]に入る。
高身長で白髪のセロは目立つから直ぐに見付かった。
セロは既にウハウハな状態だった。
スタッフはセロが稼いだカジノチップの見張りをしている。
両替したら幾らになるんだか──。
勝負事に関しては負ける事の出来ない強運持ちのセロは、ここぞとばかりに容赦無い。
マオ
「 セロ! 」
セロフィート
「 マオ──。
[ プール ]はどうしました? 」
マオ
「 『 どうしました? 』じゃないだろ!
{ セロの付けてくれたキスマークの所為で行くのを諦めたんだぞ! }」
セロフィート
「 行けば良いでしょうに 」
マオ
「 恥ずかしくて行けるかよ!(////)
当分[ プール ]には行けないよ…… ]
セロフィート
「 “ 虫刺され ” だと誤魔化せるでしょうに 」
マオ
「 逆に怪しまれるだろが!
それよりも大変な事が起きたんだよ! 」
セロフィート
「 大変な事です? 」
マオ
「 そうなんだ!
取り敢えず、ゲームを中断してくれよ 」
セロフィート
「 このゲームが終わり次第、話を聞きましょう 」
セロはトランプでウノをしているらしい。
現在はセロが連勝中みたいだ。
トランプを使わないで、ウノ専用のカードを使えば良いのにな!
結局、トランプカードを使ったウノの勝者はセロだった。
セロが勝った事で、スタッフがセロが儲けたカジノチップを回収する。
対戦者達は悔しそうな顔をしている。
セロが抜ける事になって、対戦者は嬉しそうな顔をする。
そりゃ、勝ってばかりのセロが抜けるんだから、喜ぶのは当たり前だよな。
セロはスタッフにも船客達からも要注意人物としてチェックされているみたいだ。
セロフィート
「 お待たせ、マオ。
どんな話を聞かせてくれます? 」
休憩用ブースへ移動したら、ソファーの上に腰を下ろして座る。
セロがスタッフに飲み物を注文してくれた。
スタッフはセロに丁寧に会釈をして、飲み物を取りに行ってくれた。
マオ
「 それにしても稼ぎ過ぎじゃないのか?
そんなに稼いじゃって、どうするんだよ? 」
セロフィート
「 マオが使えば良いです。
ワタシは何をしても勝ってしまいます。
マオなら直ぐに負けてくれるでしょう? 」
マオ
「 疑問系で言うなよ(////)
確かにオレは賭け事には弱いけどさ…… 」
セロフィート
「 ワタシの稼いだチップで思う存分に楽しんでください 」
マオ
「 良いのかよ? 」
セロフィート
「 [ プール ]へ行けなかった事に対する御詫びです 」
マオ
「 有り難とな(////)
折角だし、オレもカジノを楽しむよ 」
セロフィート
「 そうしてくれると、稼いだ甲斐が有ります。
それで──、私に話したい事とは何です? 」
マオ
「 うん…………[ 食堂 ]で起きた事なんだけど── 」
オレはセロに[ 食堂 ]で起きた一連の出来事を話して聞かせた。




