✒ 犬神の呪い 9
霄囹
「 マオ──、何手こずってるんだよっ!!
怪物相手なら一撃で倒せるだろがっ!!
何で怪異の類いが相手だと調子が出ないんだっ!! 」
シュンシュンの野次と罵倒が酷ぉ~~~~。
オレだって一生懸命、精一杯、全力で頑張ってるってのにぃっ!!
シュンシュンは良いよな、見てるだけなんだから!!
セロのポジションにシュンシュンが居ると無性に苛々して来る!
駄目元でアレを使ってみるか?
キノコンに付き合ってもらって何度も繰り返し挑戦しているけど、未だに成功してない奥の手──。
全集中して、魔具刀に全属性の魔法を注ぎ込む。
魔具刀の刃が虹色に輝き始める。
全属性の魔法を混ぜると何故か虹色に輝くんだ。
魔具刀の刃が虹色の輝きに包まれる。
此処迄は問題無く、上手く出来ている。
問題なのは、この後だ。
上手く出来るかな?
キノコンに試した時は、上手く巻き付ける事が出来なくて、何度も失敗している。
コツは掴めてる筈なんだけどな──。
マオ
「 ──いっけぇぇぇぇぇぇーーーーっっっ!! 」
オレは握っている柄を動かして右から左へ向けて力の限り振る。
虹色に輝く刃は形を変えると犬神へ向かって伸びる。
刃だったモノが、鞭へと形を変えて犬神の胴体に巻き付く。
マオ
「 よしっ!
全属性の魔法を食らえっ!! 」
オレは全属性が合わさった魔法を解放させる。
眩しい光が犬神を襲う。
全属性を混ぜた光が容赦無く、犬神にダメージを与えてくれる。
成功した!?
練習では出来なかったのに、本番で出来るなんて、凄い奇蹟だ!!
目で見ても犬神が弱って来ているのが分かる。
これは──とんでもない技かも知れないぞ!!
とうとう……ついにオレにも剣技が──。
なんて名前を付けようかな(////)
霄囹
「 出かしたな、マオ!
良くやった!
今から犬神を下す!!
そのまま捕まえてろよ! 」
シュンシュンは陰陽術を使う。
オレの攻撃で弱った犬神には抵抗する力が残っていないみたいだ。
とうとう、シュンシュンは予定通り犬神を下した。
霄囹
「 ふぅ──。
何とかなったな。
能力が封じられてなければ、こんなザコ、弱らせなくても強引に下せるってのに── 」
マオ
「 シュンシュン、やったな!
時間は掛かったけど、下せて何よりだよ 」
霄囹
「 マオが手こずってくれたお蔭でな! 」
マオ
「 頑張った主人に対して嫌味かよ。
嫌な感じぃ~~ 」
霄囹
「 ちゃんと褒めただろ 」
マオ
「 シュンシュン、態々犬神を下してどうするんだ? 」
霄囹
「 呪詛師に返してやるのさ 」
マオ
「 返すのに下す必要が有るのか? 」
霄囹
「 普通に返しても呪詛師には戻らず、依頼主に向かうだけだからな。
下した犬神に細工をしてから、返してやるのさ。
そうすると、呪詛師と依頼主が仲良く報いを受けれるのさ 」
マオ
「 細工?
呪詛師と依頼主に報いを受けさせれるのか?
そんな事が出来るなんて凄いな! 」
霄囹
「 フフン!
妊婦,胎児,ペットを殺しといて、片方だけ報いを受けるのはフェアじゃないからな!
どうだよ、僕は慈悲深いだろ? 」
マオ
「 今回だけは、シュンシュンの背後に後光が輝いて見えるよ! 」
霄囹
「 そうだろ、そうだろ!
もっと褒めてくれて良いんだからな★
だが、閑羽と哲朶には言うなよ。
刑事にバレると面倒だからな 」
マオ
「 あっ、結界を張ってあるから《 空き地 》に入って来れないんだっけ 」
霄囹
「 呪詛が帰って報いを受けたとしても、因果応報とは別だからな。
やった分のツケは、確り別の形に変わって戻って来る。
例え今世で帰って来なくても安心は出来ない。
魂は生まれ変わるから、来世に旅立った自分に必ず帰って来る。
生まれ出た時の宿命が、悪くなったりもする。
全ては神佛次第だ 」
マオ
「 法律で裁けなくて、正当に罰せられない分を、シュンシュンが呪詛返しで罰するんだな 」
霄囹
「 フフン!
然もだ、僕が呪詛返しした証拠は残らない。
完全犯罪だ 」
シュンシュンはニヤっと悪者らしく笑う。
出逢った時のシュンシュンは、完全に悪者だったから全く違和感が無い。
マオ
「 シュンシュン、犬神にどんな細工をするんだ? 」
霄囹
「 闇呪術を使うんだ。
僕が作った特製の呪物も使う。
クックックッ──コイツぁイカす呪詛になるぞ、マオ!
自分の才能が恐いねぇ~~ 」
マオ
「 シュンシュンって昔から自分に酔うよな 」
霄囹
「 僕は才能に溢れる自分が大好きだからな!
始めるぞ 」
シュンシュンは地面に描かれている陰陽陣を闇呪術用の陰陽陣に変える。
陰陽陣の真ん中に一斗缶を置くと、その中に赤い液体が並々と入った血液パックを5つも入れる。
更に不気味過ぎる人形──シュンシュンが作った特製の呪物かな?
更に5枚のカラフルな御札が入れられて、赤色,黄色,黒色,緑色,青色に染められている米も入れられた。
何故か元気に泳いでいる金魚も入れられる。
それから束ねられた黒髪も入れられる。
マオ
「 シュンシュン、そんなに使うのか? 」
霄囹
「 そうだ。
最後に僕の作った特製の呪物を入れる 」
マオ
「 えっ?
不気味な人形が呪物じゃないのか? 」
霄囹
「 あぁ──。
確かに呪物だが、大したもんじゃない 」
そう言うとシュンシュンは作った呪物を一斗缶の中へ入れた。
一斗缶の中へ下した犬神も入れて蓋をした。
陰陽陣から出たシュンシュンは、呪文みたいなのを唱え始める。
闇呪術が発動して陰陽陣の中は、ドス黒くて邪悪極まりない黒炎に包まれた。
シュンシュンは燃やすのが好きみたいだ。
マオ
「 シュンシュン、何をしてるんだ? 」
霄囹
「 犬神に細工してるのさ。
炎が消えたら完成だ。
蓋を外して開ければ、犬神が呪詛師と依頼主へ戻るぞ。
クックックッ──死ぬより辛いお仕置きの時間が始まるぞ 」
マオ
「 死ぬより辛いって…… 」
霄囹
「 パトカーの中で菓子を食べながら待ってようぜ 」
そう言うとシュンシュンは《 空き地 》から出るとパトカーへ向かて歩く。
オレも《 空き地 》から出てパトカーへ向かって走った。




