⭕ 刑事からの依頼 4
呪術を使い、自転車泥棒をする様な危険人物に変貌してしまった生徒を苛めていた犯罪者予備軍の生徒達の事は、刑事である駻間さん達に任せっぱなしだ。
[ 生徒指導室 ]へ様子を見に行った方が良いかな?
マオ
「 シュンシュン、オレは達も校舎に入って[ 生徒指導室 ]へ向かった方が良いんじゃないか? 」
霄囹
「 必要無い。
一仕事、終えたんだ。
近くに《 CES 》が在ったから、菓子でも買って── 」
マオ
「 シュンシュン~~~~。
未だ仕事中だろ。
《 CES 》に寄るのは帰りな。
苛めっ子達の面を拝みに行かないか。
どんな生徒達なのか、シュンシュンだって気になるだろ? 」
霄囹
「 出歯亀だな 」
マオ
「 でばっ──せめて野次馬って言えよぉ!
オレ、別にエロい変質者じゃないし!
覗き魔みたいな変態じゃないしぃ! 」
霄囹
「 おぃおぃ、何で “ 出歯亀 ” の意味を知ってるんだよ。
普通は知らない筈だぞ。
悪い子ちゃんになったな~~、マオ 」
マオ
「 じ…時代劇の台詞で良く聞いてたから……辞書で調べたんだよっ!
マオキノとセノコンに聞いたけど、『 マオ様は知らなくても良い言葉ですエリ 』って頑なに教えてくれなかったからな! 」
霄囹
「 ははっ。
キノコンはマオに対しては過保護だからな。
教える訳ないよな 」
マオ
「 マオキノとセノコンには黙っててくれよな。
もしも、オレが “ 意味を知っちゃった ” って知ったら号泣しちゃうかも知れないし…… 」
霄囹
「 号泣程度で済めば良いけどな。
悲しさのあまり、胞子を撒き散らして近所が地獄絵図化するかも知れないぞ。
クックックッ── 」
マオ
「 シュンシュン!
笑い事じゃないんだからな!
ご近所が大惨事になっちゃうんだからさ! 」
霄囹
「 黙っといてやるよ。
帰りに《 CES 》で菓子を買ってくれるんだろ? 」
マオ
「 オレに集るつもりか? 」
霄囹
「 口止め料を菓子で済ませてやるんだ。
安いもんだろ 」
マオ
「 ちゃっかりしてるな~~ 」
霄囹
「 そんなに苛めっ子共が気になるなら様子を見に行くか? 」
マオ
「 うん 」
霄囹
「( たくっ──。
ガキじゃないんだから『 うん 』なんて言うなよ。
可愛いじゃないかっ!!(////))
──さっさと[ 生徒指導室 ]に行くぞ! 」
──*──*──*── 校舎内
──*──*──*── 生徒指導室
シュンシュンと入室すると、被害者から加害者になってしまった生徒を苛めていた生徒達が、生徒指導担当の教員が見守る中、刑事達から事情聴取を受けている。
加害者の立場である筈なんだけど、反省してないのか生徒達の態度は頗る悪い。
苛めっ子だからかな?
霄囹
「 どうだよ、駻間さん。
事情聴取は順調か? 」
刑事:駻間
「 いや………… 」
マオ
「 ドラマみたいな取り調べ方をすると逆に訴えられちゃうもんな。
苛めをしていただけあって、性格に難有りそうな顔してるな 」
霄囹
「 お前の発言はアウトだぞ。
性格に難有りってよりは、思考が幼稚で御粗末なのさ。
善悪の区別も出来ない精神破綻者なんだよ。
自分より弱い奴を見下し、虐げ、イキらないと優越感にも浸れない──、惨めで痛い奴等さ。
御愁傷様だねぇ 」
マオ
「 シュンシュンの発言もアウトだろ。
オレよりディスってるし。
侮辱罪で訴えられるんじゃないか? 」
霄囹
「 ディスってない。
僕は事実を言ってるだけだ。
侮辱罪で訴えられるのは、僕よりコイツ等の方だぞ。
駻間さん、[ 体育館 ]で上映会を始める。
コイツ等のクラスメイト,被害者の生徒の両親,コイツ等の両親,全教員を[ 体育館 ]に集めろ。
準備が整い次第、コイツ等が犯した犯行の記録をスクリーンで見せてやるよ。
知り合いの雑誌記者と新聞記者も呼んでやるから記事にしてもらうと良い 」
刑事:駻間
「 ちょっ──、そんな勝手な事をされては── 」
霄囹
「 事件を解決したんだろ。
犯人を逮捕しないと事件は未解決のまま迷宮入りするぞ。
良いのか、それで?
目の前に犯罪者が居るのに “ 未成年 ” を言い訳にして野放しにするのか?
今回と同じ事が起こるぞ。
第2,第3の被害者が出て、新たな加害者が生まれる事になるが──、本当に良いのか?
今からする事は、事件を解決させる為に必要な過程だ。
上から文句を言われるのが心配なら、僕が黙らせてやるから安心しろ。
僕は顔が広いんだ。
お偉いさん達の “ 恥ずかしい秘密 ” をチラ付かせれば、煩い口も嗣ぐんで見逃してくれる 」
マオ
「 シュンシュン…… “ 犯罪者 ” じゃなくて、未だ “ 予備軍 ” だからな。
苛めてた生徒を自殺に追い込んで死なせた訳じゃないんだからさ── 」
霄囹
「 自殺未遂する程迄に追い詰めた奴等だぞ。
予備軍じゃなくて、立派な “ 犯罪者 ” さ。
少年法で守る義理も価値も無い奴等だ。
上映会の準備は僕の式神──キノコンにさせる。
駻間さんは刑事の特権をフル行使して必要な人間を集めてくれよ。
断る奴は “ 事件解決に協力しない ” って罪状で強制連行すれば良いからな! 」
マオ
「 強制連行は駄目だろ。
警察でも民間人を強制連行は出来ないって知らないのかよ 」
霄囹
「 事件を解決させる為の協力に貢献するなら未だしも、拒む奴は善良な市民とは言わない!
強制連行をされても文句を言う資格は無いのさ 」
マオ
「 無茶な事を言うなぁ…… 」
霄囹
「 分かったよ。
強制連行は見送りにしてやる。
その代わりと言っちゃ何だが──。
駻間さん──、『 明日から一家揃って路上生活する羽目になっても構わないなら来なくて良い 』と伝えろ。
来なかった家族には、貧乏神を憑かせてやるからなぁ。
貧乏神と死ぬ迄お付き合いしてもらう 」
マオ
「 えっ?
貧乏神って《 家 》に住み憑くもんだら?
人に憑かせる事なんて出来るのかよ? 」
霄囹
「 プロの陰陽師を舐めるんじゃない。
高度な呪術を使えば、貧乏神を増やす事も出来るし、人間に憑かせる事だって朝飯前さ。
僕は凄い陰陽師だからな! 」
マオ
「 強制連行するより酷くないか?
貧乏神に憑かれた状態で人生を終えるまで生きるなんて── 」
霄囹
「 事件の解決に “ 協力したくない ” って言うんだから仕方無いだろ。
自業自得だ。
僕はちゃんとチャンスを与えてるぞ。
拒む奴が悪いんだ。
人生の選択には常に覚悟を持って選ばないといけないのさ。
人生ってのは “ 一寸先は闇 ” だからな 」
マオ
「 それっぽい事を言って誤魔化そうとするんだから──。
シュンシュン、一寸セロみたいになって来てるぞ! 」
霄囹
「 おい。
2度と言うなよ、それ!
全身に鳥肌が立ったじゃないかよ 」
マオ
「 鳥肌って──。
( そんなに嫌なら言わなきゃいいのに── )」
霄囹
「 マオ、上映会をするにしても肝心の証拠となる映像が無いと出来ないが、用意は出来てるんだろうな? 」
マオ
「 それならバッチリだよ。
セロがBRDにダビングしてくれたから、デッキさえ有れば見れる様にしてくれたよ。
今回は1つ返事で受けてくれたんだよな~~。
オレってセロに愛されてるのかな(////)」
霄囹
「 何か引っ掛かるが……まぁ、良いさ。
僕等は先に[ 体育館 ]へ向かうぞ 」
マオ
「 シュンシュン、待てよ!
えぇと…………刑事さん……シュンシュンが御免なさい…… 」
刑事さんに謝罪の言葉を伝えた後、「 早く来いよ! 」って呼ぶシュンシュンの後を追って[ 生徒指導室 ]を出た。




