✒ お姉ちゃんじゃない!! 4
霄囹
「 マオの大馬鹿野郎!
ガッポリ出来たかも知れないってのに~~~~ 」
マオ
「 根に持つなよ。
遊んでても金が入って来るんだからさ。
善良な一般人から絞り取るより、何時もしてる様に無駄に裕福な金持ちから好きなだけぼれば良いだろ 」
霄囹
「 チッ! 」
シュンシュンは御機嫌斜めになった。
舌打ちをしてムスッとしている。
一体幾ら請求するつもりだったんだか──。
マオ
「 会員登録してくれると良いな 」
霄囹
「 1ヵ月の会員費は500円だったよな。
6人だから1ヵ月に3.000円の会員費が入る訳だ。
フフン。
ちゃんと《 セロッタ商会 》に貢献してるだろ!
僕の献身的な働きを讃えろよ!
その5万で回らない高級寿司を食べて帰ろうぜ! 」
マオ
「 シュンシュンは回らない寿司が好きだな。
安い回転寿司なら沢山食べれるのにさ 」
霄囹
「 これでも僕は貴族の生まれだぞ!
高貴な僕の口に安もんの寿司は合わないんだよ!!
断固として高級寿司は譲らないぞ!! 」
マオ
「 分かったよ。
今回はオレが御馳走する。
好きなだけ頼むと良いよ 」
霄囹
「 お…おぅ……(////)
流石は僕の主人だな!
太っ腹じゃないか! 」
マオ
「 主人を “ さいふ ” って読むなってば…… 」
腰に付けてるポーチの中からスマホを取り出して、幻夢さんが教えてくれた高級寿司店に電話を掛ける。
予約をする為だ。
“ 一元さん御断り ” で予約が必要な会員制の高級店ばっかりだから、今から電話しても了承をもらえるかは分からない。
シュンシュンと行動すると無駄な出費が増えるんだよな。
使うのはオレの金じゃなくて、知らない誰かが脱税して貯めている裏金だから別に困らないんだけどさ。
因みに裁判に掛かる費用を “ 《 セロッタ商会 》が支払う ” っ事になっているけど、これは表向きだ。
本来は知らない誰かが脱税して貯めている裏金を拝借して支払っているから、《 セロッタ商会 》の財産は1円も減らないんだ。
裏金様々だよな~~。
貯めている筈の裏金が丸ごと忽然と消えるって、どんな感じなんだろうな?
因みに《 セロッタ商会 》では、セロカ会員限定で1年に1回家族イベントが開催されている。
その名も【 埋蔵金を探せ! 】だ。
《 セロッタ商会 》が創立された日に、創立記念として≪ 日本国 ≫の都道府県で一斉に開催されるんだ。
この家族イベントにエントリーする資格を与えられるのは、同居している5人以上の家族に限られている。
少子化が進み、高齢者が増えている時代を考慮して、子沢山の家庭を増やそう運動の一環で行われている。
子供が増えれば、母親の負担が増える事も視野に入っている。
セロカ会員限定で、キノコンをベビーシッター兼家政婦兼高齢者サポーターとして派遣するサービスを無料で利用する事が出来る。
これはキノコンを家庭へ送り込み、キノコンに依存させ、キノコンに頼らないと生活が出来ないレベルへ落とし、キノコンに家庭を牛耳らせる作戦だ。
“ キノコンと共に暮らす生活 ” を目指す為に考えられたとんでもない罠が隠れている恐ろしいサービスでもある。
家族イベントにエントリーが出来る家族の条件は、5人以上で有り、同居をしている事だ。
例えば、高齢者の両親を施設に預けている状態,若しくは病院に入院している状態で、夫婦と子供を合わせた5人家族にはエントリー資格を与えられない事になっている。
子供の数が多く、夫婦と合わせて,若しくは片親と合わせて5人なら、高齢者の両親が施設や病院に預けられていてもエントリー資格を与えられる抜け道が用意されている。
会場には、埋蔵金探しに参加の難しい幼い子供や高齢者が待機する専用のブースが用意されていて、キノコンが子供や高齢者の相手をする様になっている。
待機ブースでは子供や高齢者が退屈しないで快適に過ごせる様にあらゆる工夫がされている。
囲碁に触れてもらい、興味を持ってもらえる様な工夫もされていて、囲碁の普及活動も行われている。
肝心の “ 埋蔵金 ” が埋められている広大な土地は、《 セロッタ商会 》が買い取った私有地で行われている。
広大な私有地の何処かに宝箱が埋められていて、宝箱を掘り起こした家族に金塊が1本、贈呈される事になっている。
因みに宝箱は1家族1つが決まりだ。
宝箱の中身は空っぽで軽いけど、会員カードを差し込む場所が有る。
会員カードを差し込むと、宝箱をゲットした家族が判明し、会場から退場してもらう運びになっている。
受け付けで会員カードを差し込んだ宝箱を出して、必要な手続きを済ませれば、金塊を受け取る事が出来る。
金塊を持ち帰ると襲われる危険性が有るから、記念撮影を済ませた後に、セロカPとして会員カードに加点される。
ガッカリされるかも知れないけど、現金が必要な時にはキャッシュバックが出来るから、家族で確りと話し合ってから、引き出して使ってもらいたい所だ。
金塊だけど、何処かの見知らぬ誰かが、脱税をして隠し持っている金塊を使っているから、《 セロッタ商会 》が損をする事はないんだ。
因みに宝箱は1つの会場に10個も隠されている。
47都道府県で同日に行われる一大イベントだから、470世帯の家族がウハウハな思いを出来るって事になる。
470世帯の家族が得をしても《 セロッタ商会 》が損をする事は無いんだ。
話がズレちゃったな。
まぁ、こういうイベントを行うのもセロカ会員を増やす為なんだ。
1人が入会すれば、翌月から会員費の500円が入って来る。
入会してくれた会員が多ければ多い程、会員費が増える事になる。
会員費が入って来なくても生活には困らないけど、いざという時に使えるお金が無いよりは有った方が良い。
《 セロッタ商会 》では1ヵ月に集まった会員費の金額と会員費を何に使ったのか詳細な内訳をセロカ会員も知る事が出来る様になっている。
但し、全部が嘘っぱちな情報だけどな~~。
平和ボケしている人間を騙すなんてチョロいって事だ。
人間が “ 騙されてる ” って思えない様に巧みに操作しているみたいだから恐い恐い。
態々本気を出さなくても、何時でも軽い気持ちで≪ 日本国 ≫を乗っ取れる段取りは済んでいるって事かな。
オレが≪ 日本国 ≫に飽きたら──って思うと恐い恐い恐い恐いっ!!!!
口が裂けても言わない様にしないとだぞ!!
霄囹
「 マオ──、あの寿司屋で良いのか? 」
マオ
「 え?
あ…あぁ……そうかな。
幻夢さんの名刺を見せたらOKって言ってくれたんだ 」
霄囹
「 幻夢め!
高級飲食店を知り過ぎじゃないか? 」
マオ
「 う~~ん……。
オレの為に探してくれてるみたいなんだよな(////)
幻夢さんは自分が認めた高級飲食店には、作品を1点だけ贈呈してるんだ。
《 セロッタ商会 》から発刊してる料理店を紹介する雑誌にも掲載されてるらしいよ。
人気が出ちゃうと御客が殺到して大変な事態になるからさ、会員制に変わって予約しないと入れない様になるんだ。
支払いに会員カードを使える様になるから、Pが貯まってセロカ会員には嬉しいサービスだよ 」
霄囹
「 ふぅん。
知らない内に《 セロッタ商会 》の傘下に入れられてるって事かよ 」
マオ
「 あはは……。
まぁ……そんな所かな?
店主も損はしてないと思うよ。
《 セロッタ商会 》なら手に入り難い食材も新鮮な状態で納品してもらえるからさ。
世間が値上げラッシュでも《 セロッタ商会 》では値上げしないで販売してるから、食材費の高騰に頭を悩ませる必要が無いんだ。
質を落とさず、量を減らさず、値上げもしないで料理を提供する事が出来るって事さ。
世間では米不足が問題になってて、今は何処の店でも5Kgしか販売されてないけどさ、《 セロッタ商会 》のネット販売では、5Kg,10Kg,15Kg,20Kg,30Kg,米俵一俵ってな感じで購入する事が出来ちゃうしな。
種類も豊富だし、元々お高い高級米として販売しているから値上げもされてないしさ 」
霄囹
「 セロカ会員になれば、値上げを気にせず買い物が出来るって事か 」
マオ
「 キノコン達の活躍も有って、会員登録をしてくれる御客が着実に増えてるのは事実だよ。
値上げラッシュ様々って所かもな 」
霄囹
「 ヘソクリ感覚でセロカPを貯めて、自分の小遣いに出来るのも魅力なのかもな。
会員限定で受けれるサービスも増えてるしな 」
マオ
「 そうなんだよな。
──そう言えば、最近では《 映画館 》でも会員カードを使える様になったみたいだよ 」
霄囹
「 へぇ? 」
マオ
「 チケットを買う時に会員カードを使うと10日,20日,30日はセロカPが5倍になるし、毎週水曜日は女性Dayで一律1.000円、毎週木曜日,毎週金曜日は高齢者Dayで一律1.000円、毎週土曜日,毎週日曜日は子供Dayで半額っな感じで安くなるんだってさ。
売店で飲食物を買うと100円に2P加点されるし、自動販売機で飲み物を買ったら100円に1P加点されるんだってさ 」
霄囹
「 男が一律1.000円になる日はないのかよ? 」
マオ
「 大抵の男は働いてるじゃないか 」
霄囹
「 女だって働いてるだろ。
妻の代わりに主夫をしてる男だって居るじゃないか。
不公平だと思わないのか?
男女平等はどうした?
差別だろ 」
マオ
「 それだけ世の中は男社会って事だよ。
男は女性より給料も多く貰えてるし、稼ぎの少ない女性よりも稼ぎの多い男に多目に支払わせる魂胆だろ。
男が1.000円で映画を観れる曜日を作るより、女性Dayを無くした方が男女平等だろ 」
霄囹
「 無くす気はないんだろ 」
マオ
「 《 映画館 》で映画を観るのは男より女性の方が多いらしいからな。
安くすれば、少ない稼ぎの女性も喜んで映画を観に来てくれるし、お金を落としてくれるじゃないか 」
霄囹
「 その通りだな。
稼ぎが少なく財布の紐が堅い女に少しでも多くの金を落とさせるか──。
永遠のテーマみたいなもんか 」
マオ
「 あはは……。
永遠のテーマは言い過ぎじゃないかな? 」
高級寿司屋の前に到着する。
シュンシュンは子供みたいに両目を輝かせながら、「 早く入ろう! 」と急かして来る。
興奮気味なシュンシュンを宥めてから、高級寿司屋の玄関をガラッと開けた。




