✒ 高級チョコ 3
──*──*──*── 東京都米●市米●町米●横丁
──*──*──*── 犯罪天国都市・米●町
──*──*──*── 裏野ハイツ
──*──*──*── 1階・102号室
シュンシュンの転移陣で[ 玄関 ]に戻って来た。
履いていた靴を脱いで、ルームスリッパに履き変えたら[ 居間 ]のソファーに腰を下ろして座った。
買ったチョコはオレのポーチの中に入れて有るから手ぶらだ。
マオ
「 はぁ~~~~。
本当に良かったのかな、あれで……。
救急隊員が到着する迄の間に何か出来たんじゃないかな…… 」
霄囹
「 馬鹿を言うな。
警察署で朝を迎えたかったのか? 」
可憐で可愛い容姿だった惷麗の姿から、何時の間にか性別反転の術を解いたシュンシュンが喋る。
本来の男の姿に戻ったシュンシュンだけど、少年の容姿じゃなくて青年の容姿だ。
17歳 ~ 19歳辺りの容姿だと思う。
オレより背が高いからって偉そうな口調で喋って来るから、ムッとするんだよな……。
今のオレは完全にシュンシュンの弟ポジションに早変わりだ。
く…悔しいっ!!( ≧口≦)ノ
マオ
「 だけどさ、シュンシュン── 」
霄囹
「 僕は暫く、この姿で過ごす事にするからな。
惷麗の姿での外出は控える様にする。
念の為だ 」
マオ
「 ずっこ!
容姿を自在に変えれるシュンシュンは良いよな~~ 」
霄囹
「 マオだって女装すれば良いだろ。
可愛い服が揃ってるじゃないか★ 」
マオ
「 あれはオレの趣味じゃないし!!
セロとキノコン達が面白がって集めた服なだけだし! 」
霄囹
「 《 高級百貨店 》の中に在る《 高級飲食店フロア 》で起きた痛ましい事件だ。
直ぐにでも夜のニュースで取り上げられるだろうな 」
マオ
「 シュンシュン──、店内には監視カメラが設置されてるよな?
シュンシュンとオレの姿もバッチリと写ってるんじゃないか?
監視カメラの映像を調べられたら…どうするんだよ…… 」
霄囹
「 そんなのは気にするな。
この《 裏野ハイツ 》から《 高級百貨店 》が、どんだけ離れてると思ってるんだ。
4県も跨ぐ他県だぞ。
た・け・んっ!!
警察官や刑事が此処に来る可能性は無いに等しいさ 」
マオ
「 そうだと良いんだけどな…… 」
霄囹
「 何だよ、見捨てた罪悪感にでも悩んでるのか?
止めとけよ、禿げるぞぉ~~ 」
マオ
「 見捨てる選択をしたシュンシュンの所為なのを忘れるなよ!
亡くなってなきゃ良いけど…… 」
霄囹
「 何時迄もクヨクヨしてるんじゃない!
僕等は確実に無関係だったんだ。
確り割り切れ! 」
マオ
「 シュンシュン…… 」
霄囹
「 それよりチョコだよ、チョコ!
早く買ったチョコを分けないか、マオ 」
マオ
「 分かったよ……。
今からテーブルの上に出すよ。
シュンシュン、紙とペンを貸してくれ 」
霄囹
「 ほらよ。
遠慮無く使え 」
シュンシュンは陰陽師が頭に被る烏帽子の中に右手を入れると黒ペンと貼り付けが出来る付箋を取り出した。
大体何時もは、狩り衣の中から取り出すのに今回は違うんだな。
女性のスカートの中よりも烏帽子の中が気になってしかたない!!
オレはポーチの中から購入したチョコの箱を出して、丁寧にテーブルの上に置いて行く。
ポーチからチョコの箱を出し終えたら、付箋に文字を書いて箱に貼り付ける。
セロの分,マオキノの分,セノコンの分,弓弦さんの分,玄武さんの分,幻夢さんの分,キギナの分────。
残りはシュンシュンとオレの分だ。
シュンシュンは自分用の1箱10万円するチョコの箱と東京タワーの形をしたチョコ,スカイツリーの形をしたチョコ,エッフェル塔の形をしたチョコ,自由の女神の形をしたチョコを取る。
オレは動物の形をしたチョコ,大仏の形をしたチョコ,ガラスの靴をイメージしたチョコを取る。
大仏の形をしたチョコを食べるなんて、一寸罰当たりな気がして引けちゃうな。
買った以上は大仏チョコもガラスの靴チョコも残さず食べるつもりだ。
動物の形をしたチョコも買った責任として美味しく頂かないとだ。
食べるのが勿体無くて部屋に飾っときたい出来なんだけどな──。
霄囹
「 さてと、僕は隣の部屋へ戻るとするよ。
マオも来るだろ。
チョコを冷蔵庫に入れて冷やしとかないと溶けちまうからな 」
マオ
「 そうだな 」
セロ,マオキノ,セノコンに買ったチョコの箱を冷蔵庫の中へ入れる。
弓弦さんの分,玄武さんの分,幻夢さんの分,キギナの分のチョコの箱をポーチに入れたら、シュンシュンと[ 玄関 ]へ向かう。
ルームスリッパを脱いで、靴に履き替えたら、ドアを開けて102号室の部屋を出た。
──*──*──*── 陰陽師4事務所
101号室の[ 居間 ]上がらせてもらって、冷蔵庫の中へチョコの箱を入れさせてもらった後、シュンシュンの転移陣で《 陰陽師4事務所 》に来た。
何でかと言うと、幻夢さんとキギナに買ったチョコを渡す為だ。
生憎と幻夢さんとキギナは留守だった。
取り敢えず、キノコンに事情を話して[ ランチルーム ]に設置されている冷蔵庫の中へ幻夢さんのチョコとキギナのチョコを入れさせてもらう。
付箋が貼って有るし、キノコンが管理してくれるから間違って持ってく様な事は無いと信じたい。
キギナが付箋を貼り替えて幻夢さんの分を持って行かなきゃ良いけど──。
[ ランチルーム ]でキノコンが作ってくれた本格的なピッツァを食べながら、TV番組を見る。
あの《 高級百貨店 》で起きた事件が放送されてないかのチェックだ。
シュンシュンは度数の高い焼酎を片手にピッツァを食べている。
マオ
「 放送はされてないみたいだな。
4県も跨ぐ他県で起きた事件だし、米●町では放送しないのかもな 」
霄囹
「 米●町で起こる事件の方が凶悪性が高いからな。
インパクトが足りなくて霞んでしまうのかもな。
TVでは放送されてなくてもネットニュースで話題に上がってるんじゃないのか? 」
マオ
「 あっ、そっか!
旬なニュースを知るならネットニュースが有るよな!
でもさ、ネットニュースを見る為には専用のアプリをDLしないと駄目なんだよな?
オレ、アプリのDLなんてした事ないんだけど…… 」
霄囹
「 全く……世間の情報に疎い奴め。
僕のスマホを使って探してみろよ 」
マオ
「 有り難な、シュンシュン! 」
シュンシュンからスマホを借りて、他県の最新ニュースを検索してみた。
マオ
「 あっ、これかな──。
【 ◯◯◯県で有名な《 高級百貨店 》の7階に在る《 高級飲食店 》で集団食当たり発生!? 事故か、事件か── 】って記事が有った!
【 集団食中毒の可能性も兼ねて、《 高級飲食店フロア 》を立ち入り禁止とし、詳細が判明する迄は各店舗の営業中止を決定──。現在の死亡者は26名。軽い症状だった患者の容態が悪化し、衰弱する患者が急増中── 】だってさ。
えらい事になってるじゃないか!
軽い症状が悪化して、患者が衰弱して行く──。
唯の食当たりや食中毒じゃないって事かな? 」
霄囹
「 そんな事、一々気にするんじゃない。
他県の事なんだ。
死亡者が出てるから何だよ 」
マオ
「 シュンシュンは冷たいな…… 」
霄囹
「 はぁ?
異形が人間の心配して、どうすんだ!
良いか、人間は実験の素材に過ぎないんだ。
必要以上に感情移入するんじゃない 」
マオ
「 ………………酔ってないよな? 」
霄囹
「 はぁ~~?
この程度の度数で酔う訳ないだろ。
少年の姿じゃないんだからな 」
シュンシュンに言っても駄目だ。
セロに相談してみようと思う。
セロだって昔よりは大分丸くなってるからな!
相談したら、きっと何とかしてくれるんじゃないかな。
駄目なら “ おねだり ” でもして動いてもらいたい。
…………………………恥ずかしいけど(////)
[ ランチルーム ]でピッツァを御馳走になった後、キノコンに御礼を言って[ ランチルーム ]を出る。
シュンシュンは《 陰陽師4事務所 》に残るらしく、オレは1人で転移魔法陣を使って《 裏野ハイツ 》へ帰った。
《 陰陽師4事務所 》には、何時でも好きな時に転移魔法陣が使える部屋が在るんだ!!




