✒ 買い物デート 5
取り敢えず、ム●ク先生のキーホルダーを1つだけ買って貰う事にした。
100円商品の支払いもセロがMBKで済ませてくれた。
マオ
「 セロ、有り難な!
次は衣料品売り場だな!
服だけじゃなくて、靴や鞄も見たいよな 」
セロフィート
「 はいはい。
ゆっくり見ましょう 」
セロと手を繋いで、100円ショップの店内を出ると、衣料品売り場へ向かった。
──*──*──*── 衣料品売り場
マオ
「 ──なぁセロ、100円ショップだけを集めた店舗って、ビルみたいにするのか? 」
セロフィート
「 そうですね。
他の駅前には8階建て,10階建てのビル風の百貨店が在りますし、似たような感じになります 」
マオ
「 ガチ●ピン,ム●クのグッズ店を入れれなかったら、何を入れるんだ? 」
セロフィート
「 セロカ君グッズ店を入れます。
セロカ君は《 セロッタ商会 》のマスコットキャラクターであり、看板キャラクターです。
復刻版コーナーも作ります。
当時、欲しくても入手が出来なかった人達も買えるようにしましょうか 」
マオ
「 うん、それが良いよ!
セロカ君ファンも喜ぶんじゃないかな?? 」
セロフィート
「 各100円ショップには、税抜き1.000円以上の買い物をした御客にポケットティッシュを渡します。
100円ショップとセロカ君グッズ店の開店記念品です。
ポケットティッシュにはバルトリコーダーを付けます。
最上階のセロカ君グッズ店のレジで、ポケットティッシュを提示してもらい、バルトリコーダーをスキャンします。
税抜き5.000円以上のお買い上げをした御客に限り、セロカPへ100Pがセロカードへ加点される様にします 」
マオ
「 えぇと、100円で1P付くから、1.000円で10Pだったよな。
5.000円だと50Pが付く。
税抜き5.000円以上のセロカ君グッズを買って、ポケットティッシュを提示して、バルトリコーダーをスキャンしてもらうと、セロカードに100Pが加点される。
鯔のつまり、5.000円分買わないと付かない50Pがタダで貰えちゃうって訳だな? 」
セロフィート
「 そうなります。
100円ショップで渡す開店記念品は、100円ショップに因って、デザインと色が異なります。
全種類のポケットティッシュを揃えるには、5店舗の100円ショップで税抜き1.000円以上の100円商品を買い、セロカ君グッズ店でも税抜き1.000円以上のグッズを買わなければ行けません。
最低でも1人6.000円を使う事になります 」
マオ
「 更に税抜き5.000円以上のセロカ君グッズを買った御客にだけ、セロカPをプレゼントってか。
悪どい!! 」
セロフィート
「 何処に “ 悪どい ” 要素があります?
開店記念品は非売品ですし、態々足を運んで来店してくれた御客への感謝の気持ちで100Pをプレゼントします。
バルトリコーダーは当日しか使えませんし、1度スキャンする色が代わり、スキャン出来なくなります。
6種類のポケットティッシュを持っていれば、税抜き5.000円以上の買い物を6回出来ます。
その度にポケットティッシュを提示すれば、600Pがセロカードへ加点される事になります 」
マオ
「 各100円ショップで最低でも税抜き1.000円も使わせて、セロカ君グッズ店で6回も税抜き5.000円を使わせる気かよ?
1階の買い物に税抜き35.000円も使わせる魂胆か?!
えげつい!! 」
セロフィート
「 マオ、言葉が悪いです。
250Pも得をします。
きちんと御客に還元してます。
開店記念品を渡す期間は1ヵ月です。
100Pプレゼントも1ヵ月の限定企画にします 」
マオ
「 ………………100Pを餌にして金を落とさせるって訳だな。
やっぱり悪どい! 」
セロフィート
「 商売とはそういうものです。
提供する店側が得をしなければ、商売する意味が無いです。
商売は “ 儲ける為 ” の手段に過ぎません。
慈善事業ではないのです。
儲けてナンボ、取れる所から搾り取るものです 」
マオ
「 悪徳商売人の鏡だな… 」
セロフィート
「 誰が悪徳商売人ですか。
《 セロッタ商会 》は “ 御客様の為に ” という綺麗事ではなく、“ ガッポリする ” を目的にしている事を忘れないでください 」
マオ
「 抑の根底が違うんだよな…。
根底が……ははは…… 」
セロフィート
「 ワタシは──人形は、人間の為に商売はしません。
人間は金銭を落とす “ カモ ” です。
“ 御客は神様 ” ではなく、“ カモ ” です。
忘れないでください 」
マオ
「 そだったな……。
セロは人類の敵だったよ… 」
そんな話をしながら衣料品売り場を見て回る。
「 これが欲しい! 」って思うような商品は見当たらなかった。
親子連れ,婦人,年配者を対象にしている衣料品売り場だからかな?
男性用も売ってるけど、若者向けというよりは年配者向けの商品が多いし、買い物に来ている御客も年配者が多い。
10代後半 ~ 40代前半向けの商品は、あまり取り扱ってないみたいだ。
マオ
「 セロ、そろそろ帰ろう 」
セロフィート
「 もう良いです? 」
マオ
「 うん、十分だよ。
お腹も空いて来たしな~~ 」
セロフィート
「 もう正午を過ぎてますね。
切り上げましょう 」
セロと手を繋いでエレベーターを利用して、1階へ下りた。
──*──*──*── 1階
エレベーターから出て1階の店内を歩くけど、さっき迄の賑わいが消えていた。
シン──と静まり返っている。
店舗内に曲は流れてるけど、人の声がしない。
マオ
「 やけに静かだな?
何でだろう? 」
セロフィート
「 マオ、見てください。
人が集まってます 」
マオ
「 本当だな。
何してるんだろう? 」
手ぶらで帰りたいから、買い物バッグはセロが転送魔法で転送してくれた。
セロと一緒に人集りの方へ歩く。
近付いたら、1人の男が刃物を持ちながら、何かをしているみたいだ。
マオ
「 なんだあれ?
真っ昼間から刃物なんか振り回したりしてさ。
異常者? 」
セロフィート
「 米●町ですし。
犯罪を起こす人間は皆、異常者です 」
マオ
「 そだな。
常識と良識を兼ね備えて良心を失ってない真っ当な正常者は犯罪なんて起こさないよな? 」
セロフィート
「 迷惑な人です。
邪魔ですし、黙らせてしまいましょう 」
マオ
「 そだな。
自分より弱い立場の人質を取るなんて卑怯な奴だよ。
こんな馬鹿げた事を2度と起こす気が起きないぐらい懲らしめてやらないとな! 」
セロフィート
「 ワタシが話し相手をしている間に人質はお願いします 」
マオ
「 分かった。
セロ、呉々も危ない事はするなよ 」
セロフィート
「 ワタシの心配をしてくれます? 」
マオ
「 犯罪者の心配してんだけど… 」
セロフィート
「 ワタシの心配をしてください 」
マオ
「 オレより強いくせに何言ってんだ… 」
セロは古代魔法を発動させると1階から2階へ行けないように結界を張った。
犯罪者がテナント店に逃げ込めない様に、店内から出られない様に結界が張られる。
逸その事、睡眠魔法で犯罪者を眠らせたら良いじゃんな。
でも、セロはしない。
セロは使い捨ての玩具で遊びたいんだと思う。
セロがオレの姿が見えなくなる魔法を掛けてくれる。
オレは物音を立てず、静かに移動する。
人質を助けれる位置まで近付く。
セロフィート
「 ──おや、随分と物騒な物を持ってますね? 」
犯罪者
「 な…何だ、お前はぁ!? 」
セロフィート
「 買い物に来ている御客様ですけど?
貴方は違うようですね 」
犯罪者
「 ──お前も向こうに行け!!
言う事を聞かないと──、ち…近付いたら人質を殺すぞ!! 」
セロフィート
「 はぁ?
何故ワタシが見ず知らずの貴方の言う事を聞かねばなりません?
それに見知らぬ子供の生死など知った事ですか 」
犯罪者
「 な゛っ……何だとぉ!!
俺は刃物を持ってるんだぞ!! 」
セロフィート
「 刃物を持っていたら何です?
皆が皆、素直に言う事を聞いてくれると思ってます?
貴方はオツムのおめでたい人の様ですで。
あぁ……それて犯罪という奇行に走るのですね? 」
犯罪者
「 き、奇行…だと? 」
セロフィート
「 おや、自覚が無いのですか?
オツムのおめでたい人は自分が奇行者である自覚が無いのですね 」
犯罪者
「 き…貴様ぁ!!
言いたい放題言いやがって──、本当に人質を刺すぞ!!
刺したら死ぬんだぞ!!
助からないんだぞ!! 」
セロフィート
「 自分より弱い立場の子供を刺し殺して何が楽しいです?
流石は奇行者です 」
セロは笑顔で犯罪者を逆撫でする様な事を態と言っては、笑顔でパチパチパチと拍手をしている。
完全に面白がってるよ。
人質の子供は余っ程怖いのか、お漏らししている。
セロフィート
「 そんな弱い子供を刺し殺すより、ワタシを刺しては、どうです?
子供よりワタシの身体の方が大きいです。
刺し易いと思いません? 」
犯罪者
「 なっ……何を言ってるんだ!?
お前はぁ!! 」
セロフィート
「 その刃物──ナイフで誰かを刺し殺したいのでしょう?
誰でも良いなら、ワタシでも構わないでしょう?
違いますか? 」
犯罪者
「 ………………お、お前は……死にたがりなのか!? 」
セロフィート
「 誰が “ 死にたがり ” ですか。
勘違いも甚だしいです。
ワタシは〈 久遠実成 〉から与えられた命を粗末にはしません 」
嘘ばっかりだな。
人間を容赦なく排除しまくってるくせにぃ!!
全く、どの口が言うんだか!
セロフィート
「 〈 久遠実成 〉から与えられた命を自らの意思で終わらせる事は大罪です。
どの様な事情が有ろうと自ら命を捨てる自殺は大罪です。
来世では決して人間には生まれ変われません。
『 来世こそは共に結ばれよう 』と誓い合い、今世で心中する人間は多いです。
来世で人間として生まれ変われないのに、 “ 生まれ変われる ” と勘違いして命を粗末にしてます。
自分で自分の人生を終わらせる事は大罪ですけど、どの様な事情が有ろうと他人の命を無下に奪う事も大罪です。
来世は人間には生まれ変われません。
貴方もそうです。
此処で誰かを殺せば、貴方は来世で人間として生まれ変われません。
『 それでも構わない 』というならば、気の済むまで好きなだけ殺せば良いです。
ワタシは貴方の奇行を止めはしません 」
セロぉ~~~~、「 好きなだけ殺っちゃえよ 」は問題発言だぞ!!
他の御客達もドン引きしてるぅ~~!!
セロフィート
「 おや?
刺し殺しませんか?
度胸の無い奇行者ですね 」
犯罪者
「 …………イカれてやがる……。
“ あのよ ” とか “ このよ ” とか──イカれた宗教家が居やがる…… 」
セロフィート
「 はぁ?
誰が “ 宗教家 ” ですか。
ワタシは目に見えない大自然の法則──形而上学を教えただけです。
自殺や他殺をしても来世では “ 人間に生まれ変われる ” と残念な勘違いしている “ お馬鹿さん達 ” に、命を奪えば来世では “ 人間には生まれ変われない ” という事実を教えました。
為になりましたね♪
命を1つ奪えば、10年は人間に生まれ変われず、功徳も善を積めない動植物に生まれ変わります。
ミドリムシやプランクトンかも知れません 」
犯罪者
「 ──やっぱり、イカれた宗教家じゃねぇか!!
俺は──、こんな糞みたいな世界から旅立つんだ!!
こんな地獄からおさらばするんだ!!
天国へ行くんだぁ!!
邪魔するんじゃねぇ!! 」
セロフィート
「 失礼な奇行者です。
冥土の土産──と言うのでした?
天国と地獄は死後の世界を指してません。
肉体から離れた魂は輪廻の流れへ還り、来世へ生まれ変わります。
産まれた境遇,環境を天国と思うか、地獄と思うからは本人次第です。
貴方が生まれ変わった自分の境遇と環境に嘆くなら、生まれ変わった世界は貴方にとっては “ 地獄 ” なのでしょう。
貴方が “ 天国 ” だと思わぬ限り、来世は地獄のままです。
勿論、今世でも同様です。
貴方が “ 地獄 ” だと思い続ける以上、今世は貴方にとって “ 天国 ” となる事もないでしょう。
人間にとっての天国とは、自分にとって都合の良い御都合主義の世界を指します。
人間にとっての地獄とは、自分にとって都合の悪い世界を指します。
要は本人の心持ち次第だという事です。
“ 病は気から ” と言われるでしょう。
それと同じです 」
犯罪者
「 訳の分からねぇ事を長々とベラベラ喋りやがってぇ!!
糞がぁぁぁ!! 」
セロフィート
「 何故怒ります?
短気は寿命を縮めます。
“ 短気1発100万円 ” という言葉を知りません? 」
犯罪者
「 うるせぇ!!
お喋りがぁ!!
黙れぇぇぇぇ!! 」
セロフィート
「 ワタシが貴方の言う事を素直に聞く理由は無いです。
そんなに頭に来ているなら、ワタシを刺せば良いでしょう?
さぁ、何処からでもどうぞ。
ワタシは逃げたりしません 」
セロは笑顔を絶やす事なく、犯罪者に対して両手を広げながら「 カモン 」している。
オレがセロの胸に飛び込みたいぐらいだ。
犯罪者は人質の子供を突き飛ばすと、「 うぁぁぁぁぁあ゛ぁぁぁ!! 糞がぁぁぁ!! 死ねぇぇぇぇ!! 」って叫びながら刃物──ナイフの柄を両手で握って、セロに向かって走り出した。
◎ ちゃんと犯罪者を煽れているのか分かりません。
リアルで人を煽った事が無いので。