⭕ 囲碁サロン 1
◎ 読者の皆さん、御早う御座います。
いつも覗きに来てくださって有り難う御座います。
ちゃんと暇潰しになっているでしょうか?
今回は《 囲碁サロン 》を舞台にして書いてみました。
囲碁をしない奴なので、囲碁サロンなんて行った事もありません。
勝手なイメージで書いています。
囲碁サロンを実際に知っている読者さんが居たら「 ごめんなさい 」な作品です。
──*──*──*── とある囲碁サロン
マオ
「 へぇ~~。
此処が《 囲碁サロン 》って所なんだ?
《 碁会所 》と違って洒落乙だな~~。
高級感あるぅ~~ 」
セロフィート
「 今や《 碁会所 》は、低価格で庶民派の高齢者が孫を連れて集まり易く、和気藹々と囲碁を楽しめる場所として認知されてます。
《 囲碁サロン 》は高価格では有るものの、お洒落な空間で優雅に囲碁を嗜む事の出来る若者が集まる場所として認知されてます 」
マオ
「 へぇ~~。
《 セロッタ商会 》って確か地域に密着した《 碁会所 》派だったよな。
駅前派の《 囲碁サロン 》にも挑戦するのか? 」
セロフィート
「 《 囲碁サロン 》の出店はしません。
駅周辺には《 宿泊施設 》が在ります。
その中に囲碁を打てる場を設けてます。
態々新に出店する必要はないです 」
マオ
「 そうなんだ……。
じゃあ、今回は何で《 囲碁サロン 》に来たんだ? 」
セロフィート
「 担当さんから『 次回作は囲碁を題材とした内容で執筆してほしい 』と言われました。
《 囲碁サロン 》で働く主人公が駅前周辺で起こる様々な事件を華麗に解決していく内容を希望されてます 」
マオ
「 主人公キャラの職場が《 囲碁サロン 》だから、《 囲碁サロン 》で打ち合わせをするって事? 」
セロフィート
「 そうです。
事件は解決するより起こす方が楽しいでしょう。
主人公を犯人役として執筆したい事を伝えましたけど、却下されました 」
マオ
「 《 囲碁サロン 》で働く主人公が犯人は駄目だろ。
《 囲碁サロン 》に迷惑が掛かるぅ~~。
抑囲碁のイメージも悪くなるんじゃないか? 」
セロフィート
「 知った事ですか 」
マオ
「 知った事だよ!
《 囲碁サロン 》で働いてる店員さんに作業の話を聞いたりするんだ? 」
セロフィート
「 そうでしょうね。
実際に体験する事も有るでしょう 」
マオ
「 セロにまともな接客なんて出来無いだろ。
接客されちゃう側なんだかさ。
《 ホストクラブ 》で担当さんと打ち合わせしてた時だって、女性客からボトルを何本も貢がれて、『 ホストとして働かないか? 』って勧誘されてたしぃ~~ 」
セロフィート
「 はて?
そんな事ありました? 」
マオ
「 あっただろが!
【 新人ホスト怪奇譚 】ってタイトルの新人ホストが怪奇事件の謎を解き明かしてくシリーズ小説!
オロオロしてた担当の代わりにオレが、丁重に御断りしただろ!
今回も面倒な事にならなきゃ良いけど…… 」
セロフィート
「 その時は、マオが何とかしてください♥️ 」
マオ
「 心配しなくてもするよ!
その為に着いて来たんだからな。
それで──、肝心な時には役に立たない担当さんは何処に居るんだ? 」
セロフィート
「 マオ……。
担当している作家さんの所でトラブルが起きたみたいですよ。
2時間程遅れるそうです 」
マオ
「 トラブルって──。
作家が起こすトラブルって何だよ……。
じゃあ、待ってる間どうするんだ? 」
セロフィート
「 久し振りに打ちましょう 」
マオ
「 ハンデを要求するからな! 」
セロフィート
「 はいはい。
好きなだけ置き石してください 」
という訳で、担当さんが来る迄、強運で無敗のセロと囲碁を打つ事になった。
かなりの数の置き石を盤上に置いてからのスタート。
黒番はオレだ。
先手で黒石を打つ。
セロは両眉を下げて、何か残念そうな顔で笑っている。
どういう心境なんだよっ!
期待外れな場所に打ったのか?
セロフィート
「 マオは何時も惜しい場所に打ちますね 」
マオ
「 どゆことだよ? 」
セロフィート
「 もはや才能でしょう 」
マオ
「 褒められてる気がしないな!
良いから打てよ 」
セロフィート
「 はいはい 」
セロが白石を打った後、交互に打つ。
順調に打てていると思う。
でも何でかな?
黒石の数が減ってる気がする??
マオ
「 いや…………明らかに減ってる!! 」
セロフィート
「 どうしました? 」
マオ
「 セロ!
オレの黒石、取ってるだろぉ! 」
セロフィート
「 いやですね、マオ。
君が取らせてくれてるのに 」
マオ
「 はぁぁぁぁ!?
何でオレがセロに黒石を取らせてやらないといけないんだよ!
そんな事したらセロに勝てないじゃないかよ! 」
セロフィート
「 おや、ワタシに勝つ気で打ってました?
ワタシを “ 勝たせてくれる ” と思ってました♪ 」
マオ
「 そんな訳ないだろ! 」
セロフィート
「 そろそろ投了します? 」
マオ
「 するかよ!! 」
マオ
「 とぉりょお~~~~ 」
セロフィート
「 有り難う御座いました。
今回もマオに勝たせてもらいましたね♪ 」
マオ
「 嫌味ぃ~~。
あんなに置き石したのに負けるなんて…… 」
セロフィート
「 マオ、置き石をしたからと言って必ず勝てる訳ではないです。
弓弦さんは優しいですから、負けてくれるかも知れませんけど 」
マオ
「 それも何か嫌だな……。
セロ、この状態から黒石が逆転する手は有るのか? 」
セロフィート
「 勿論あります。
棋譜を記録してから見せましょう 」
マオ
「 オレの華麗なる逆転劇の始まりだな! 」
碁罫紙に棋譜を記録した後、セロが赤石を使って黒石の続きを打ち始めた。
オレが白石を担当している所為なのか、負けていた黒石が白石を容赦無く攻める。
勝っていた白石が黒石に押されていく。
オレの抵抗と頑張りも虚しく、白石は黒石に逆転されて負けてしまった。
セロだから出来る神業だ。
マオ
「 黒石が逆転して勝てたのに複雑だぁ~~!
オレが白石を担当したばっかりに、白石が簡単に逆転されたんじゃ…… 」
セロフィート
「 マオ、自分を過小評価してはいけません。
マオが弱い訳ないでしょう。
マオだから、この程度で済みました。
自信を持ってください 」
マオ
「 セロに言われてもなぁ~~ 」
セロフィート
「 もう一局、打ちます? 」
マオ
「 遠慮しとくぅ~~。
それより、昼食も出来るんだよ?
セロとカップルパフェが食べたい! 」
セロフィート
「 はいはい。
メニューを見てみましょう 」
囲碁を切り上げて、メニューを手に取ったら広げて見てみる。
美味しそうなデザートの写真が載っている。
ランチ用の料理も豊富だ。
マオ
「 ランチ用の料理も洒落乙ぅ~~。
カップルパフェは無いみたいだな…… 」
セロフィート
「 2種類のパフェを2人で食べれば良いでしょう。
マオが食べたいパフェを選んでください 」
マオ
「 うん(////)
じゃあ── 」
注文した2種類のパフェをセロと一緒に食べる。
セロが頻りに「 あ~~ん 」をして来るから照れるぅ~~(////)
オレしかパフェを食べてない気がするけど、“ 気の所為 ” だって思う事にする❗
マオ
「 両想いの相手と食べるパフェは格別に美味いな♥️ 」
セロフィート
「 ふふふ…。
嬉しい事を言ってくれますね、マオ。
そうそう、この《 囲碁サロン 》には良く、囲碁の強い院生の子が来るそうです 」
マオ
「 院生の子ぉ?
院生って囲碁のプロを目指して頑張ってる研修生だっけ?
普通は《 囲碁教室 》に通うんじゃないのか? 」
セロフィート
「 偶には院生以外とも打ちたいのでしょう。
運が良ければ稀に院生より強いアマチュアと打てる日も有ります 」
マオ
「 あぁ~~そっか。
アマチュアって《 碁会所 》や《 囲碁サロン 》に来て打つんだっけ?
手軽に打てるネット碁も良いけど、直に相手と向かい合って打つ方が楽しいもんな! 」
セロフィート
「 現在では《 囲碁サロン 》の中で小大会を開催したり、周辺の《 囲碁サロン 》と協力し、中大会を開催したりと囲碁を盛り上げる活動をしてます。
小説の参考にもなります 」
マオ
「 小説に書いたら、色んな世代の人に知ってもらえるな。
切っ掛け作りに貢献か~~ 」
セロフィート
「 《 囲碁サロン 》の宣伝小説になるつもりは無いですけど 」
マオ
「 そんな事、言うなよ。
囲碁の普及活動に繋がる訳だしさ。
オレだってセロの小説が売れる事で囲碁普及の貢献になる全面的に協力するし! 」
セロフィート
「 マオ……。
言質は取りました♥️
早速、マオに頼らせてもらうとしましょう 」
マオ
「 は?
どゆことだよ? 」
セロフィート
「 担当さんが来ました 」
マオ
「 …………女じゃないよな?
オレが居るのに担当と浮気なんて許さないからな! 」
セロフィート
「 妬いてくれて嬉しいです♪ 」
セロの担当をしている編集者が近付いて来る。
良かった。
男みたいだ。
◎ 訂正しました。
次回作は囲碁を題材とした内容で執筆してほしいそうです。─→ 『 次回作は囲碁を題材とした内容で執筆してほしい 』と言われました。
出来ない ─→ 出来無い
容赦なく ─→ 容赦無く