⭕ 囲碁界に新風が走る! 2
──*──*──*── 裏野ハイツ
──*──*──*── 101号室
──*──*──*── 1階
絲腥玄武
「 ただいま 」
厳蒔弓弦
「 ただいま 」
本体:キノコン
「 玄武様,弓弦様、お帰りなさいませエリ 」
大人の姿で帰って来た玄武と弓弦を出迎えるキノコンは、2人の前にルームシューズを出す。
絲腥玄武
「 有り難う、キノコン 」
厳蒔弓弦
「 初めて此方の碁会所で打って来たが──、イマイチだったな… 」
絲腥玄武
「 うむ……。
セロやキノコンと頻繁に打っている所為か、少々物足りぬな… 」
碁会所の最寄り駅に着いた後、玄武と弓弦は個室のトイレへ入り、大人の姿に戻ってから電車に乗るようにしていた。
最寄りの米●駅に到着した後、裏野ハイツへは徒歩30分だが、子供の歩幅では30分以上も掛かる。
大人の歩幅ならは30分以内に裏野ハイツへ帰り付く事が出来るし、帰宅途中に怪しい輩から襲われる事もない。
絲腥玄武
「 シュンシュンは今日も帰ってないのか 」
分身体:キノコン
「 霄囹ちゃまは、本業の “ 陰陽師 ” として他県へ行ってますエリ 」
厳蒔弓弦
「 忙しそうだな 」
分身体:キノコン
「 お食事後にネット碁をされますエリ? 」
厳蒔弓弦
「 そうだな。
私は先に入浴する 」
絲腥玄武
「 我はネット碁を始めていよう 」
本体:キノコン
「 ──弓弦様、お着替えですエリ 」
厳蒔弓弦
「 有り難う、キノコン 」
キノコンから着替えを受け取った弓弦はスライド式のドアを開けて洗面脱衣室へ入る。
玄武は飲食をしても問題ない〈 器人形 〉に憑依している式神である為、入浴をする必要はなく、キノコンにネットを立ち上げてもらい、世界中の碁打ちと対局の出来るネット碁を始めた。
因みに玄武のハンドルネームは “ くり~ぷれもん ” である。
両手での文字打ちに悪戦苦闘する為、チャットはしない。
入浴を終えた弓弦はキノコンが用意してくれた夕食を済ませると、キノコンに開いたノートパソコンをネットへ繋いでもらい、ネット碁を始めた。
弓弦のハンドルネームは “ 密封おれんじ ” である。
翌朝の朝食の時間までネット碁を続けた弓弦は、キノコンが用意してくれた朝食を食べ終えると正午までネット碁を続ける。
玄武はノンストップで正午までネット碁を続けた。
正午を向かえ、弓弦が昼食を済ませた後、玄武はネット碁を切り上げる。
窓から裏庭へ出ると、右隣の102号室の窓を開け、部屋の中へ入る。
階段を上がり、2階の部屋へ向かい【 セロカ君の本屋 】と書いてあるドアプレートが貼られた202号室のドアを開け、セロフィートとマオが使っている3階の居間に入る。
3階の居間を出て階段を下りれば、1階は本屋だ。
玄武と弓弦は従業員が使うエプロンを首に掛ける。
店員になりすまし店内へ入り、読みたい書籍の物色を始めた。
セロフィートもマオも何時もの事だから気にしない。
玄武と弓弦が来たのを確認したマオは、何時ものようにBRへ下がると、エプロンを外して裏口から出て行く。
近所のマックンナルドヘ通う為だ。
小学校4年生が帰宅する時間になるまで、書籍をタダ読みしまくった玄武と弓弦はエプロンを外し、3階へ上がると裏野ハイツのセロフィートとマオの部屋へ戻り、1階の居間へ下りる。
102号室の窓から裏庭へ出て101号室へ戻り、キノコンへ碁会所へ出掛ける事を伝え、最寄りの米●駅へ徒歩で向かうのだった。
以上が、裏野ハイツで生活を始めた玄武と弓弦の1日の流れとなって行く。
本屋へ行かず、散歩や買い物へ出掛けたりする日もある為、正午から碁会所へ行く迄の行動は日によって異なる。
◎ 訂正しました。
2階の居間 ─→ 3階の居間