表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
☀「 セロ 」もしも、玄武,弓弦,霄囹が裏野ハイツで暮らしたら……。  作者: 雪*苺
七月中旬 【 デwwwwwト 】年越しました。
388/424

✒ 事件が終わらない 2


 こわもて刑事は意外にもオレへの事情聴取を丁寧にしてくれた。

 威圧的な態度やうえから目線の偉そうな口調や鼻に付くような対応は微塵も無い。

 はいりょしてくれているのがひし(ひし)と伝わってる。


 もしかしたら、身長が150cmセンチメートルしかないオレは、小学生くらいに見られてるのかも知れない。

 複雑な心境では有るけど、ドラマで見る取り調べみたいな対応で事情聴取を受けるのもいやだから、えて素直に甘んじようと思う。

 今だけオレは小学6年生のげんじのまおとおすぞ!!











強面な刑事

「 ──事情聴取は以上だよ。

  協力してくれてがとう。

  お父さんのほうは終わったかな? 」


 あ……やっぱりぃ~~。

 父親と子供だって思われてたんだな。

 あと(あと)の事も考えては「 兄弟きょうだいです 」って訂正しといたほういよな?


マオ

「 あの……セロとは親子じゃなくて兄弟きょうだいなんです… 」


強面な刑事

「 そうなのか?

  それは済まない事を言ったね 」


マオ

ちがわれるから平気です 」


 こわもて刑事は申し訳なさそうに笑う。

 この人はがいけんの所為で、いろ(いろ)と損をしてそうな刑事かも知れない。


マオ

「 そうだ、刑事さん。

  かわで男の人を殺害してげた人は逮捕された?

  事件は解決した?

  オレとセロね、よる散歩でかわに立ち寄ったばっかりに、第1発見者になっちゃって──。

  犯人に狙われやしないか不安で……怖くて………… 」


強面な刑事

かわの殺人事件か──。

  捜査している班が違うからね。

  状況は分からないんだ。

  ただ “ 犯人を逮捕した ” ってはなしだ聞いてないね 」


マオ

「 そっか……。

  ばなし状態なんだね……。

  おとを聞いただけで姿は見てないけど……犯人は第1発見者のオレとセロに殺害する所を “ 見られた ” って勘違いするかも知れないよね? 」


強面な刑事

「 “ それは無い ” とは言えないね。

  “ 犯人は現場へ戻る ” とも言われているし、可能性は有る。

  不安で心配なら警官を1人、警護に付けるように伝えておこう 」


マオ

いの? 」


強面な刑事

「 これ以上、被害者を出す訳には行かないからね 」


セロフィート

「 その必要は無いです。

  多忙な刑事さんの手をわずらわせる事はしません。

  犯人のほうから接近してくれたほうが事件解決も早まるでしょう。

  人を殺害した危険きわまりない犯人が相手ですし、正当防衛で両足をくらいおおに見てくれますね、刑事さん 」


強面な刑事

「 へし折る?

  おだやかなはなしでは有りませんな 」


セロフィート

「 刃物を振り回し襲ってた殺人犯の両足をのは過剰防衛にされます? 」


マオ

「 へし折る前提かよ…… 」


セロフィート

「 では2度と歩けないように両足の骨をくだけばいです?

  とうぼう防止になります 」


マオ

ずは凶器を持てないように両腕を使えなくしたほういんじゃないか? 」


セロフィート

「 それだと走ってげられてしまうでしょうに。

  首を折っては死んでしまいますし、やはり両足でしょう 」


マオ

「 刑事さん、正当防衛でセーフ…だよね?

  護身術で身を守るだけだし、セーフだよね? 」


強面な刑事

「 過剰防衛だと判断される可能性は高いと思いますな。

  “ へし折る ” だの “ 骨をくだく ” だのと言う物騒な事は一般市民にはず出来得ない事ですからな 」


セロフィート

「 それは残念です。

  刃物を振り回し襲ってた殺人犯に対して、抵抗せず大人しく刺されろ──と言いますか。

  酷いはなしです 」


マオ

「 迎え討たずに尻尾を巻いてげるのもしゃくだよ。

  殺人犯を調子かせちゃう事になるじゃんか。

  どうせならノックアウトさせたいよな 」


セロフィート

「 刑事さん、ノックアウトも過剰防衛にはいります? 」


強面な刑事

「 “ 防衛の為、やむを得ずした行為 ” と判断されなければ、過剰防衛とみなされるだろうな 」


マオ

「 “ やむを得ない行為 ” にはならないよな…。

  へし折る気まん(まん)で──、骨をくだく気まん(まん)で──抵抗するんだもんな。

  ノックアウトも駄目か…… 」


セロフィート

「 残念ですね、マオ 」


マオ

「 残念がってるのはセロのほうだろ 」


セロフィート

「{ 刺されても死ねませんし、逆にこわがられるでしょう }」


マオ

「{ そだな…。

   すっかり忘れてたよ }」


強面な刑事

「 お兄さんはなか(なか)ユニークな発想をされるのですな… 」


セロフィート

「 ふふふ…。

  “ ユニークな発想 ” ですか。

  オブラートに包まなくとも “ 過激な発想 ” と言ってくださっても構いませんよ。

  こう見えても物書きですし 」


強面な刑事

「 物書き…ですかな?

  ルポライターとかですかな? 」


セロフィート

「 いえ、しがない小説家です。

  趣味で書いていたネット小説が編集さんの目にまりまして──。

  最近だと【 私が犯人だった件 】が発売されました 」


マオ

なに…そのタイトル?

  犯罪をおかした犯人視点のはなしかよ? 」


セロフィート

「 違いますし。

  日常で起こる一寸ちょっとしたさい不思議ミステリーにもだいなりしょうなり、なんかのドラマが展開している──という内容です 」


マオ

「 日常で起こる一寸ちょっとしたさい不思議ミステリー??

  どゆこと??

  探偵推理小説って事か? 」


セロフィート

「 探偵は登場しません。

  誰でも “ 犯人となり得る ” という事を伝えている内容です 」


マオ

「 犯人…………物騒なはなしだな… 」


強面な刑事

「 部屋を出るときにはたしかに机のうえに置いていた筈のライターが、帰宅をしたら別の場所に移動していた──とかのミステリーに対する謎に迫る内容の小説でしたな。

  誰もない筈の部屋で、ライターが移動する謎を解明しようとする主人公の葛藤がおもしろいと評判ですな 」


マオ

「 刑事さん、知ってるの? 」


強面な刑事

「 愛読しとります。

  表紙がシマエナガ(雪の妖精)なのはニクい演出ですな 」


セロフィート

「 ふふふ…。

  カバー裏にもシマエナガ(雪の妖精)の写真が印刷されてます 」


強面な刑事

「 自分は予約して買いましたよ。

  予約特典にシマエナガ(雪の妖精)のクリアファイルとシマエナガ(雪の妖精)のセレブポケットティッシュ6パックが付いていましたな。

  勿体無くて使えてませんよ 」


マオ

「 小説に予約特典を付けて販売してたんだ?

  購入特典は無かったのか? 」


セロフィート

「 数量限定で購入特典にはシマエナガ(雪の妖精)しおり4点セットが付いてました 」


マオ

「 わぁ~~。

  シマエナガ(雪の妖精)に便乗しまくってる小説なんだ…… 」


セロフィート

シマエナガ(雪の妖精)さま(さま)です。

  人にも依りますけど、同じ値段で買うなら “ 特典付き ” を買いたいと思うでしょう? 」


マオ

たしかに…… 」


強面な刑事

「 勤務ちゅうで無ければサインを頂きたかったのですが……残念です…… 」


セロフィート

「 ワタシのマオが小説を読んでくださっている刑事さんの事情聴取を受けたのもえんでしょうし、サインをした小説を送らせて頂きましょう 」


強面な刑事

いんですか? 」


セロフィート

「 勿論です。

  発売予定の新刊と合わせて発送させて頂きます。

  刑事さんの御名前と所属部署と警察署の── 」


 セロ、楽しそうだな。

 このこわもて刑事がセロの玩具おもちゃにならない事を〈 (宇宙を)(運営する)(大いなる)(主宰者) 〉に祈ろうと思う。

 小説を買ってくれるファン(カモ)の1人だし、大丈夫……だよな??

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ