⭕ 交番 2
お巡りさん
「 でもね、まさか《 タイムミー 》が他県で復活するなんて誰も予想してなかったと思うよ。
昔は≪ 岐埠阜県 ≫だけに止まっていた《 タイムミー 》が、日本全国に出店するなんて──。
時代は変わったよ。
《 タイムミー 》を完全復活させて、更に現代向けに進化させた《 セロッタ商会 》の力は凄いよ 」
マオ
「 えっ?!
《 セロッタ商会 》が絡んでるの? 」
お巡りさん
「 そうだよ。
倒産に追いやられて潰された《 タイムミー 》を完全復活させるなんて難しい事を《 セロッタ商会 》は甚も簡単にやり遂げてしまえる権力と財力を持ち合わせている企業なんだよ!
《 タイムミー 》でも会員カードで支払いが出来るし、Pも付くからね。
然も、毎日5倍だよ!
100円を買ったら、5P付くんだ。
5円がPとして還元される仕組みみたいだね。
Pが貯まると豪華景品と交換が出来る様になってるんだ。
《 セロッタ商会 》が売り出しているブランド商品の袋にはセロカ君シールが貼られていて、シールを集めるとセロカ君グッズと交換してもらえるサービスも有るんだ。
限定グッズの復刻版は人気が凄くて、新作のセロカ君グッズを凌ぐ程みたいだよ 」
マオ
「 そ…そうなんだ?
詳しいね、お巡りさん… 」
お巡りさん
「 まぁね!
子供の頃から《 セロッタ商会 》のファンだからね! 」
《 タイムミー 》のファンじゃなくて《 セロッタ商会 》のファンだった?!
目の前で緑茶を飲んでるセロが《 セロッタ商会 》の創立者兼社長だって知ったら、腰抜かしちゃうかも知れないな。
黙っていた方が良いかもだ。
お巡りさん
「 《 セロッタ商会 》は芸能業界に進出する前は医療業界,介護業界にも進出していて今でも頂点に君臨してるから凄いよ。
《 セロッタ商会 》の作る医療具は随一の最先端技術で作られていて、《 セロッタ商会 》の医療具は80%を占めてるんだ。
古き良き時代から続く伝統文化や技術を守る為に、絶えてしまう前に人材を派遣しては伝統技術の継承にも取り組んでいるんだ。
介護業界では、独り暮らしの高齢者への手厚いサポート,介護が必要な高齢者への手厚いサポート,ヤングケアラーへの手厚いサポート,義肢装具手を必要とする身体障碍者達への手厚いサポート,高齢者や障碍者に寄り添った暮らし易い施設の建設をしているんだ。
《 タイムミー 》を復活させたのも、健常者だけじゃなくて高齢者,障碍者も利用し易い工夫と配慮されていた最先端の《 CES 》だったから、《 セロッタ商会 》の目に止まったからだと思うんだよ! 」
マオ
「 そ…そうなんだ…… 」
お巡りさん
「 あっと、ついつい話過ぎてしまいましたね。
事情聴取の御協力、有り難う御座いました!
もしかしたら明日、再度、刑事が事件現場の証言を聞きに行かれるかも知れないので、ご了承ください 」
マオ
「 また同じ事を話さないといけないのか…… 」
セロフィート
「 証言に矛盾がないかを調べるのでしょう。
偽りの証言をしていると、何度も話している内にチグハグな内容へ変わるものです。
話している本人は意外と気付かないものです 」
マオ
「 マジかよ。
オレの証言は最初から疑われた状態で聞かれるって事かよ…… 」
お巡りさん
「 御免よ、証言に矛盾がないかチェックしながら聞くのは刑事の決まりなんだ。
嫌かも知れないけど、ご協力お願いします 」
セロフィート
「 勿論、協力します。
警察に協力するのは市民の義務ですし。
マオ、今日と同じ事を話せば良いだけです。
マオが無実なのは誰が見ても明らかです。
安心して証言してください。
{ 本当の殺人犯はキノコンに探らせてます。
犯人が見付かるのも時間の問題です }」
マオ
「{ セロぉ~~!
もうキノコンを放ってるなんて流石だな!
キノコンになら安心して犯人探しを任せられるよ。
因みにだけど、見付けた犯人の運命は? }」
セロフィート
「{ マオに任せます }」
マオ
「 有り難な、セロ! 」
お巡りさん
「 どうしたんだい? 」
マオ
「 えぇと……此方の話かな~~ 」
セロフィート
「 マオは明日のツアーに参加しても良いのか不安がっています。
楽しみにしていた観光ツアーですから、こんな事になってしまって…… 」
お巡りさん
「 そうですよね。
ごもっともです。
でも、大丈夫だと思いますよ。
セロフィートさんから大体の予定を教えてもらえましたし。
必要ならば刑事の方から正確な予定を旅行会社へ問い合わせると思います。
明日からの観光ツアー、楽しんでください 」
マオ
「 バスに乗って移動する事になるけど、参加しても良いんだ?
有り難う、お巡りさん! 」
セロフィート
「 そろそろ、お暇するとしましょう 」
マオ
「 そ…そうだな。
戻ったら、温泉に入り直したいし 」
お巡りさん
「 ご協力、有り難う御座いました。
一緒に旅館まで行けなくて済みません… 」
マオ
「 大丈夫だよ。
こう見えても、セロとオレは強いんだ!
セロから護身術を叩き込まれたからさ。
自分の身ぐらいは守れるよ 」
お巡りさん
「 それは頼もしいね。
夜道は暗くて危ないですから、気を付けて 」
マオ
「 うん、気を付ける。
有り難う!
お巡りさんも夜勤?
無理しないで頑張ってね 」
お巡りさん
「 有り難う(////)」
セロフィート
「 おやすみなさい、お巡りさん 」
お巡りさん
「 おやすみなさい、セロフィートさん,磨絽くん 」
オレはお巡りさんに手を振ってバイバイする。
控え目だけど、セロもお巡りさんに手を振ってくれた。
《 交番 》を出たら《 タイムミー 》とは反対方向に向かって歩く。
《 旅館 》に着くのは22時半を過ぎそうだ。
大浴場の温泉は諦めないとかな。
とんでもない夜散歩になっちゃったな!!
◎ 訂正しました。
本当の殺人犯は ─→ 本当の殺人犯は