⭕ ツアー旅行 3
──*──*──*── 翌日
≪ 靉罔県 ≫に在る《 サービスエリア 》の駐車場からバスが発車してから、バスは夜通し走り続けた。
そして、朝を迎えて──最初の《 サービスエリア 》に到着して、バスは駐車場に停車した。
《 サービスエリア 》で60分の休憩を済ませると、バスは宿泊予定の《 旅館 》を目指して発車した。
──*──*──*── 3時間後
バスは無事《 旅館 》に到着して、駐車場に停車した。
ツアー客達はバスから降車して、《 旅館 》の前で嬉しそうにはしゃいでいる。
運転手さんとバスガイドさんに御礼を言ってから、セロと一緒にオレもバスから降車した。
《 旅館 》でチェックインをしてからは、自由行動になっている。
《 旅館 》の温泉を堪能して身体を休めるのも良し、周辺を観光して楽しんでも良しだ。
明日からは《 旅館 》を拠点にして、色んな場所へ赴いてツアーを楽しむ予定になっていて、メインの桃狩りは最終日に組まれているんだ。
セロとオレは[ 宿泊室 ]に備わっている温泉に入った後、浴衣姿で観光デートを楽しむ事にした。
浴衣で観光デートは楽しそうだ♪
珍しいのを見付けたら買っちゃおう!
──*──*──*── 20時頃
セロと観光デートを楽しんだ後は《 旅館 》に戻ってた。
入浴を終えた後[ 宿泊室 ]に運ばれて来た夕食を食べた。
船の形をした器に盛られた刺身が豪華で、他の料理も花丸満点を付けても良いくらいの味だった。
マオ
「 はぁ~~~~。
種類も豊富で美味しい料理だったよな♪
明日の朝食も楽しみになるよ 」
セロフィート
「 そうですね。
マオ、この後の予定は有ります? 」
マオ
「 ん~~?
有るわけ無いだろ。
セロは読書でもするのか? 」
セロフィート
「 此処は空気が澄んでいて星空が綺麗です 」
マオ
「 ふぅん?
星空ねぇ……。
ならさ、星空を眺めながら夜散歩でもしちゃうか? 」
セロフィート
「 ふふふ…。
それも良いですね。
《 旅館 》の就寝時間は23時ですし、夜散歩を楽しむ時間は十分に有ります 」
マオ
「 よし!
じゃあ、夜散歩に繰り出そう! 」
セロと手を繋いで《 旅館 》を出た。
《 旅館 》から少し離れた先には川原がある。
セロが「 水面に映る星空も綺麗ですよ 」なんて言うから、川原へ行く事になった。
──*──*──*── 川原
昼間に見た川原とは、違った一面を見せてくれる。
ユラユラと揺れる水面に星が映って見える。
星空は当然綺麗だけど、水面に映る星も綺麗だ。
だけど、オレの左横に立っているセロの方が、断然綺麗だけどな!
星空よりもセロを見てしまう。
オレが独り占め出来るオレだけのセロフィート──。
何か音がした?
鈍い音だ。
遠くで水の跳ねる音も聞こえた。
マオ
「 何だろうな?
魚かな?? 」
セロフィート
「 マオ、どうしました? 」
マオ
「 音が聞こえたんだ。
魚かな? 」
セロフィート
「 気になります? 」
マオ
「 まぁな…。
オレ、見て来るよ! 」
セロを残して、音がした場所へ歩いてみる。
川原だから石がゴロゴロ有って夜は歩き難い。
足元を注意して歩いていると、誰かの足が見えた。
下半身が石の上に有って、上半身は川の中に入っている。
マオ
「 何してんだ??
特殊な涼み方でもしてるのかな? 」
???
「 そんな訳ないでしょうに。
既に亡くなってます。
交番へ通報しましょう 」
マオ
「 えっ──?
通報するのか? 」
セロフィート
「 市民の義務ですし。
朝まで放置する訳にも行きません 」
マオ
「 市民の義務ぅ~~?
セロもオレも他県人だろぉ~~。
それにだぞ、通報したらセロとオレが第1発見者って事で容疑者にされるじゃんか。
有りもしない証拠を用意されて殺人犯にされて、逮捕されて── 」
セロフィート
「 ドラマの見過ぎですし。
第1発見者として疑われるのはマオだけです 」
マオ
「 おい! 」
セロフィート
「 安心してください。
マオが誤認逮捕される事は無いです。
マオの犯行証拠はワタシが隠滅しますし 」
マオ
「 こらぁ!
オレは何もしてないだろっ!!
オレは最初から無実だぞ! 」
セロフィート
「 誰がどう見ても被害者と顔見知りの人物の犯行です。
ツアー参加で他県に来たマオとワタシは、被害者とは面識も接点も無いです。
そんなマオを犯人逮捕する程、警察も無能では無い筈です? 」
マオ
「 何で疑問系だよ。
其処は言い切る所だろ!
不安しか無いんだけどぉ~~。
メインの桃狩りは出来るんだろうな? 」
セロフィート
「 見に来ず《 旅館 》へ戻れば良かったですね、マオ。
好奇心に流されるからです 」
マオ
「 セロが『 気になります? 』なんて聞いて来るからだぞ! 」
セロフィート
「 ワタシに責任転嫁しないでください。
“ 見に行く ” と決めたのはマオでしょうに 」
川原でセロと話していると、お巡りさんが現れた。
夜だけどちゃんとお巡りさんは来てくれた。
セロとオレは鑑識をする刑事が来る迄、お巡りさんから簡単な事情聴取を受ける事になった。
──*──*──*── 事情聴取
オレは死体を見付けた経緯をお巡りさんに話す為に、セロと立っていた場所に戻った。
マオ
「 それで星空を見ていたら──、不意に鈍い音が聞こえて……。
遠くで水の跳ねる音も聞こえたんだ 」
オレは鈍い音と水の跳ねる音が聞こえた場所へ歩く。
マオ
「 此処で石の上に下半身が見えて──、前に歩いたら上半身が川の水に浸かってたんだ。
こんな夜に変な涼み方してるな──って思ったんだけど…… 」
セロフィート
「 交番へ通報したのはワタシです 」
マオ
「 あのさ、23時が就寝時間だから、22時半には《 旅館 》に戻りたいんだけど── 」
お巡りさん
「 それは大丈夫ですよ。
刑事は明日、警察署から来られますから 」
マオ
「 良かった~~。
《 旅館 》に閉め出されて野宿しなくて済むんだな 」
セロフィート
「 マオ、大袈裟です。
未だ21時を回ったばかりですよ 」
マオ
「 えっ?
じゃあ、22時半まで1時間20分も有るんだな 」
セロフィート
「 此処は暗いですし、事情聴取の続きは交番でしましょう 」
マオ
「 えっ?
交番に行くのかよ 」
セロフィート
「 行きましょう。
お巡りさん、良いですか? 」
お巡りさん
「 構いませんよ。
では、交番まで案内します 」
セロフィート
「 お願いします、お巡りさん 」
マオ
「 あのさ……途中で《 タイムミー 》に寄っても良いかな? 」
セロフィート
「 マオ……。
《 コンビニ 》は帰りにしてください 」
お巡りさん
「 ははは…。
構わないよ。
《 交番 》の通り道に《 タイムミー 》が在るから、ホカホカの中華まんを買ってから《 交番 》に行こうか 」
マオ
「 やったぁ!
お巡りさん、有り難う! 」
そんな訳でセロとオレは、お巡りさんと一緒に《 交番 》へ向かう事になった。
事件現場を検証する鑑識さん達が川原に現れる。
テキパキと動く鑑識さん達による現場検証が始まった。
◎ 補足です。
一般的なコンビニでは、7月中旬にホカホカな中華まんの販売はしていないと思いますが、タイムミーでは “ 夏でも中華まんを買える ” という設定です。
熱々おでんも買えちゃいます。