⭕ 回らない寿司 2
──*──*──*── 高級寿司屋
《 高級寿司屋 》に到着する前にスマホで連絡を入れた事で、大将から来店許可を貰えた。
何でもキャンセルが4件も出たから「 どうぞ 」って事だ。
棚ぼたラッキーだな♪
入店したら先ずは大将に御礼を言う。
幻夢さんと何度も来てるから大将とは顔馴染みだ。
大将はカウンター席に座らせてくれた。
キャンセルを入れた御客に出す為に仕入れたネタを使って寿司を握ってもらえる事になった。
「 初めまして 」のシュンシュンを大将に紹介する。
シュンシュンは初めての回らない寿司に感動しているのか、透明ケースの中に並んでいるネタを見ながら両目をキラキラと輝かせている。
大将が慣れた手付きで寿司を握ってくれる。
シュンシュンと一緒に握られた寿司を舌鼓を打ちながら食べていると、何やら外が騒がしい。
折角、美味しい寿司を堪能しているのに邪魔しないでほしいよな!
マオ
「 外で何が起きてるんだろうな? 」
霄囹
「 知るかよ。
また事件でも起きてるんだろ 」
マオ
「 米●町じゃあるまいし、事件じゃないだろ 」
霄囹
「 気になるなら外に出て確認して来いよ。
僕は行かないぞ! 」
高級寿司を食べるのに忙しいのか、シュンシュンは外の事は気にならないみたいだ。
オレも外の事は取り敢えず無視しといて寿司を楽しもうと思う。
仮に外で起きている騒ぎが事件でも、態々自分から首を突っ込んで関わる必要も無いもんな!
シュンシュンとオレは美味い高級寿司をキャンセルされた4名分を確りと堪能した。
支払いはMBKを使って引き出した現金で一括払いした。
《 寿司屋 》に向かう前に、《 銀行 》へ立ち寄って現金を引き出していたんだ。
《 高級寿司屋 》での支払いはキャッシュが多いんだけど、幻夢さんは何時もピン札の束を出して支払いをしていた。
幻夢さんは生粋の現生派らしい。
現金の一括払いをすると、何処の店でも喜ばれるんだよな。
現金で支払うと偶に端数を切り捨ててオマケしてくれる時も有るんだ!
マオ
「 大将、御馳走様!
美味しかったよ 」
霄囹
「 マオ、折角だし、土産用に包んでもらおうぜ 」
マオ
「 そうだな。
折角だし、皆に── 」
霄囹
「 何言ってんだ。
帰ってから食べる自分用に決まってるだろ。
5万円分の── 」
マオ
「 シュンシュン!
1人で5万円分は多過ぎだぞ!
1万だからな! 」
霄囹
「 ケッチい奴だな!
お前の金じゃ無いんだから、奮発しろよ!
僕等は真友だろ 」
マオ
「 都合の良い事、言うんだもんな~~。
大将、土産用の寿司を10人前、用意してくれる? 」
霄囹
「 マオ~~!
太っ腹じゃないかよ!
僕の為に10パック分の寿司を── 」
マオ
「 違うに決まってるだろ。
セロの分,幻夢さんの分,玄武さんの分,弓弦さんの分,キギナの分,セノコンの分,キノコンの分,キノコンの分,シュンシュンの分,オレの分だよ 」
霄囹
「 チェッ、僕のは1つかよ……。
なぁ、惷麗の分も買ってくれよ! 」
マオ
「 買わない!
気に入らないなら、シュンシュンの分は麼白に渡すよ 」
霄囹
「 分かった分かった。
1つで我慢してやるよ。
有り難うな、マオ(////)」
マオ
「 シュンシュン……(////)
大将、シュンシュンの分には、ガリを多目に入れてやって! 」
霄囹
「 嫌がらせかよ…… 」
マオ
「 何でだよ。
此処のガリ、美味いじゃん。
オレ、大将が作るガリと茶碗蒸しとだし巻き玉子が好きなんだ♥ 」
霄囹
「 お前なぁ……。
メインは寿司なんだから、茶碗蒸しやだし巻き玉子よりも寿司を褒めろよ 」
マオ
「 寿司が美味いのは大前提に決まってるだろう 」
大将の1番弟子が用意してくれたガリ,茶碗蒸し,だし巻き玉子をシュンシュンと一緒に摘まみながら、土産用の寿司が出来上がるのを待つ。
10人前の土産寿司を受け取ったオレは、現金で10万 + 消費税を支払った。
マオ
「 皆に良い土産が出来たな、シュンシュン。
──有り難う、大将! 」
だし巻き玉子,ガリをサービスしてくれた気前の良い大将に御礼を言って、《 高級寿司屋 》を出た。
外に出ると日が暮れ掛かっている。
何の気無しに空を見上げてみたら、雲行きが怪しく感じた。
マオ
「 一雨来るかな? 」
霄囹
「 転移陣を使えば直ぐだぞ。
人気の無い場所へ行くぞ 」
マオ
「 シュンシュンが居てくれると帰りが楽で助かるよ! 」
シュンシュンの転移陣で《 裏野ハイツ 》へ帰る為、人気の無さそうな裏路地へ移動する事にした。
◎ 変更しました。
取り敢えず、置いといて ─→ 取り敢えず無視しといて
◎ 訂正しました。
仮に外で ─→ 仮に外で
有るんだよな! ─→ 有るんだ!