⭕ 転売ヤー 2
時間を少し遡ってみる──。
2階の《 フートコード 》で朝食を終えた後、オレはシュンシュンに引っ張られて同じく2階に在るゲームソフトが販売されてる《 ゲーム店 》へ連れて行かれた。
其処には色んなゲームソフトが揃っていて、開店してから大して時間が経ってないのに、御客が大勢来ていて賑わっている。
男性客よりも女性客が多いのは何でだろうな?
《 ゲーム店 》に入った シュンシュンは直ぐ様とあるコーナーの在る場所へ向かった。
そのコーナーは上品なワインレッド色をしたカーテンで仕切られている場所だった。
何でカーテンで仕切られているのかオレには分からなかった。
カーテンを開けて中へ入ると、その空間には男性客だらけだった。
かなり広い売り場なのに男性客が大勢居る所為で狭く感じる。
男ばっかりだから独特の男臭がしてムサい……。
マオ
「 シュンシュン、此処に居る御客ってさ、皆18禁ゲームが目当てで居るのか? 」
霄囹
「 当然だろ。
因みにだ、左側に在る此処は男性専用の18禁コーナーだが、右側には女性専用の18禁コーナーも在るんだぞ 」
マオ
「 女性専用の18禁コーナー??
そんなのも在るんだ?
っていうか、女性も18禁ゲームするのか? 」
霄囹
「 はぁ?
当たり前だろ。
女は “ 18禁を知らない天使 ” とか思い違いしてんなよ。
女にだって性欲は有るんだ。
性欲の捌け口にエロゲーを利用するには男も女も同じだぞ 」
マオ
「 そ…そうなんだ…… 」
霄囹
「 エロゲーは世代や性別の垣根を越え、世界を救う救世主的存在でも有る。
エロを否定する馬鹿の病は完治しない。
恥を捨て、殻を破り、自分の中で押さえ込んでいたエロを認めて、素直に受け入れる事で、エロを嫌悪していた自分から心を解き放ち、エロに全身を委ねれば──、細胞が活性化し、難病なんか死滅させて元気になれるってもんだ。
エロの力は偉大でな、1番の特効薬なんだよ。
エロパワーの凄さが解ったか? 」
マオ
「 ………………脚色し過ぎじゃないのか?
何でも程々にだろ。
悪用して迷惑を掛ける輩だって居る訳だし──。
それにエロの力が凄くて難病が完結しない患者だって居るだろうし…… 」
霄囹
「 当然だろ。
信じる気持ちの強弱も高低も人に依って違うんだ。
況してや心の底から “ 信じきる ” なんて事が出来る人間なんてそうそう居やしない。
クローンじゃないんだから、大なり小なり差が有るのは当然だ。
皆違うのは当たり前だし、世界の常識だぞ。
熱心な活動家が差別を無くそうと幾ら奮闘したって、差別ってのは無くならない様に世界は出来てるんだ。
生まれ出る環境が違う様に、どうやったって自分を産む母親を選ぶ事も決める事も出来やしないんだ。
自分を産んだ母親がどんな奴なのか見てれば、前世の自分の生き様の見当がある程度は付くだろ。
因果応報だな。
自分を産んだ母親に文句を言ったり、恨んだりするよりも前世の自分に文句を言うべきなんだ 」
マオ
「 前世の自分に文句は言えないだろ。
前世の記憶が無いんだからさ……。
それにどんな状態,環境化でも “ 人間として産まれる事が出来た ” って事は奇蹟じゃないか。
十分、黒字繰り越ししてるって事だろ。
頑張って善を積んで功徳の貯金をしてくれた前世の自分に対して、先ずは “ 感謝 ” だろ。
文句を言うのは違うと思うな 」
霄囹
「 セロフィートとつるんでるってのに何で “ 感謝 ” って言葉が出て来るんだよ?
お前、本当に僕の財布なのか? 」
マオ
「 シュンシュン!
財布を “ マオ ” って読むなよ。
オレはセロの財布であって、シュンシュンの財布じゃないんだからな! 」
霄囹
「 ケチ臭い事を言うなよ。
僕の財布だろ★ 」
マオ
「 シュンシュン~~~~。
財布を “ ともだち ” って読むの禁止にするぞ! 」
霄囹
「 なら、財布だな★ 」
マオ
「 全く…… 」
────とまぁ、そんなこんなで現在に至る訳で……。
霄囹
「 おっ!
見ろよ、マオ。
これなんて面白そうだぞ 」
マオ
「 何が? 」
霄囹
「 主人公が前世にダイムスリップするらしい。
前世で出逢う様々なヒロイン達と楽しめる内容だ。
ヒロイン達と子作りも出来て、2作目のソフトでは1作目のセーブデータをコンバートする事が出来るらしいぞ 」
マオ
「 2作目が有るんだ?
データをコンバートすると何か違うのか? 」
霄囹
「 2作目の物語が変わるみたいだな。
セーブデータ無し若しくはコンバートしない状態で進める2作目のノーマル物語とセーブデータ有り、コンバートした状態で進めるスペシャル物語が有るんだ。
中々そそってくれる内容じゃないかよ 」
マオ
「 過去の世界にタイムスリップした主人公はさ、現代に帰れるのかな?
抑どうやって過去の世界にタイムスリップするんだよ? 」
霄囹
「 方法なんか大した問題じゃないさ。
肝心なのは、これがエロゲーだって事だ。
出逢える可愛いヒロイン達に痴漢して楽しめるって事が重要なんだ★ 」
マオ
「 でもさ、イラストを見る限り “ 可愛い ” とは言えないんじゃあ…… 」
霄囹
「 ………………………………そうだな……。
面白そうな内容なんだが……このイラストじゃあ不完全燃焼だな……。
イラストより中身重視の作品か?
このイラストのヒロインとエロい関係になれても勃つ所か萎えそうだな…… 」
マオ
「 ……………………因みに2作目は有るのかな? 」
霄囹
「 2作目か?
探してやるから待ってろ 」
シュンシュンはゲームソフトが並んでいる棚を見始めた。
左手に持っているゲームソフトの2作目を探してくれる。
◎ 訂正しました。
皆18禁ゲーム ─→ 皆18禁ゲーム
捌け口 ─→ 捌け口
◎ 変更しました。
付けていた ─→ 込んでいた