⭕ ダンジョン攻略 16
──*──*──*── 救護室
《 救護室 》に入ると時間が時間だからか、どのベッドも空いている。
救護員のキノコンなんて患者を放ったらかして、ノートパサコンでネットチェスを楽しんでいる。
幸いな事に利用者はシュンシュンとキギナだけだから、何も言わないでおこうと思う。
マオ
「 シュンシュン,キギナ──。
調子はどんな感じだ? 」
霄囹
「 マオ──。
全くえらい目に遭ったよ。
それで、肝心のオーブは手に入れたのかよ? 」
マオ
「 あぁ!
キノコンが手伝ってくれたお蔭でな 」
キギナ・メグド・ナール
「 そりゃ良かったわね~~。
本チャン前だってのにオーブを手に入れるなんて、マオだけよね 」
マオ
「 オレは単位を貯める為に《 ダンジョン 》に挑戦するけど、シュンシュンとキギナはどうするんだ? 」
キギナ・メグド・ナール
「 私はパスするわ。
11月クリスマスに向けて推しキャラ達のイベントが始まるのよね。
てんこ盛りで忙しくなるの 」
マオ
「 オレのカードは貸さないからな 」
キギナ・メグド・ナール
「 主人でしょ、貸しなさいよ!
知らない奴が貯めてる裏金が消えるだけなんだけど、別に良いでしょ 」
マオ
「 本人以外の使用不可にされてるから無理だよ 」
キギナ・メグド・ナール
「 な…なんですってぇ!?
そんなふざけた仕様にしやがったのは誰よぉ!! 」
マオ
「 セロだよ 」
霄囹
「 あっはっはっ!
ざまぁないな! 」
キギナ・メグド・ナール
「 むきぃ~~~~!!
セロフィートが相手じゃ、抗議も出来ないじゃないのよぉ!
悔しいわぁ~~( ≧口≦ )
因みに霄囹はどうすんのよ?
マオと此処で遊ぶの? 」
霄囹
「 いや、僕は【 VWG・MMQ 】に戻るぞ。
10月中はハロウィンイベントが開催されてるんだ。
そろそろ大詰めだから戻らないとな 」
マオ
「 じゃあ、オレも久し振りに【 VWG・MMQ 】をしようかな 」
霄囹
「 僕はキノコンに[ ログイン ]させてイベントを進めさせてるが、マオは違うだろ 」
マオ
「 シュンシュン、自分に代わってキノコンに【 VWG・MMQ 】をプレイさせてるのかよ… 」
霄囹
「 マオはマオキノかセノコンの分身体に頼んでみたらどうだ? 」
マオ
「 オレの代わりに…………一寸嫌かも…… 」
霄囹
「 セローの語尾に “ エリ ” が付くからか?
セローの姿でキノコンが喋る事になるもんなぁ! 」
マオ
「 ………………想像したくないから言わないでくれよ…。
ゲンブだって同じだろ 」
霄囹
「 僕はマオと違って気にしないから! 」
《 救護室 》に運ばれた時は心配したけど、2人共元気そうで良かった。
異形で眷属で不老不死だもんな、心配無用だ。
オレって以外と過保護かも知れない──。
マオ
「 未だ開店時間には早いけど、2人は開店まで休んどくのか? 」
キギナ・メグド・ナール
「 私は買い物してから帰るわ。
マオ、私の買い物に付き合いなさいよ 」
マオ
「 何でだよ 」
キギナ・メグド・ナール
「 マオは私の財布でしょ! 」
マオ
「 財布を “ しんゆう ” って読むキギナとは買い物したくないよ 」
キギナ・メグド・ナール
「 酷いわ、マオ!
眷属に対して横暴じゃないかしら! 」
霄囹
「 優しいパパンに出してもらえよ。
マオは僕と店内を回るんだ。
男同士でな! 」
マオ
「 オレは《 ダンジョン 》で遊ぶつもりだけど? 」
キギナ・メグド・ナール
「 ハン!
確り振られてるじゃないのよぉ。
ざぁまぁ~~~~♥ 」
霄囹
「 ムカつく死神だな!
マオ、真友の僕に付き合えよ!
《 ダンジョン 》攻略に付き合ってやったんだから、それぐらいしろ! 」
キギナ・メグド・ナール
「 恩着せがましい真友様だ事ぉ~~ 」
霄囹
「 黙れよ、浪費女ぁ!! 」
マオ
「 はぁ……。
何で仲良く出来ないかな 」
霄囹
「 陰陽師にしてみれば、死神って奴は商売敵に近い存在だからな。
“ 仲良くしろ ” ってのが無理な話さ 」
マオ
「 呪いを悪用して対象を殺すんだから、魂を狩り取る死神と似た様な事してるじゃんか 」
キギナ・メグド・ナール
「 だから、商売敵みたいな存在なのよ。
≪ 日本国 ≫で活動してる陰陽師の中には、死神が見える奴も居るのよ。
見えなくても陰陽術を使うと見える奴も居るの。
そいつ等がさぁ、ノルマ達成の邪魔をしやがるのよぉ~~!
マジでウザい奴等なんだからぁ 」
マオ
「 えっ?
そうなのか?
≪ 日本国 ≫の陰陽師は弱くて大した事ないし、話にならない──みたいな感じでシュンシュンがディスってたけど? 」
霄囹
「 そりゃ、異形の僕に比べたら、人間の陰陽師なんて無能に決まってるだろ。
幻夢,玄武も異形じゃないか。
話にならないのは当然だ。
式神の使役も出来ない人間の陰陽師なんて、ミノムシみたいなもんさ 」
マオ
「 そういう意味だったのか……。
異形の陰陽師から見たら──って評価だったんだな 」
霄囹
「 中には実力の有る厄介な陰陽師も居るには居るが──、僕等の敵にすらならない存在だ。
未だ≪ 和圀 ≫の陰陽師の方が、苛め甲斐が有るってもんさ! 」
キギナ・メグド・ナール
「 霄囹ってば、サイテーね★ 」
霄囹
「 黙れよ、キンキン声!! 」
◎ 訂正しました。
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