✒ 夏祭りと花火大会 10
セロ,幻夢さん,玄武さん,弓弦さん,オレの5人は、屋台で買った料理を持ち寄って食べた後、花火を見れる絶景のベストスポットへセロの転移魔法で移動した。
シュンシュンとキギナが居ないけど、小さな事だから気にしない。
隣にセロが居てくれたら、オレは十分なんだ♥
──*──*──*── ベストスポット
マオ
「 此処の花火も綺麗だったな♪
一寸迫力が足りなかった感じが気持ちしたけど── 」
セロフィート
「 それは仕方無いです。
中規模の花火大会ですし 」
マオ
「 もう8月も終わる頃だし、最後に盛大な花火大会が見たいよな。
何処かで開催しないかな? 」
セロフィート
「 大規模な花火大会は盆前に終わりました。
中規模の花火大会も今回が最後になります。
小規模の花火大会は8月末迄ギリギリ開催されます。
夏祭りも数回は楽しめます 」
マオ
「 そっか……。
もう小規模な花火大会しか残ってないのか──。
なら、残りの8月は夏祭りは全力で楽しまないとな! 」
セロフィート
「 次は誰の用意した浴衣でしょうね 」
マオ
「 もう女装は勘弁してほしいんだけどぉ~~。
オレも皆みたいに男物の浴衣を着て、ビシッと決めたいよ! 」
セロフィート
「 マオがビシッと決めても七五三に見えると思いますけど? 」
マオ
「 ディスり方に悪意を感じるぅ~~!! 」
セロフィート
「 マオの気の所為です。
ワタシは褒めてます 」
マオ
「 “ 褒める ” って書いて、“ けなす ” って読むヤツだろが!! 」
セロフィート
「 マオ、君は少々被害妄想が過ぎます。
何故、そんな子になってしまいました? 」
マオ
「 マジで言ってんのかよ?
オレ、激怒プンプン丸なんだけどぉ! 」
セロフィート
「 はい?
君は時々面白い事を言います(////)」
マオ
「 今のはムカ着火ファイヤーだぞ! 」
セロフィート
「 はいはい。
良かったですね♪ 」
セロはニコニコと嬉しそうに微笑みながら、オレの頭を撫でる。
鈍チンなセロに腹を立てると無駄に体力が減るから腹が空くぅ~~。
マオ
「 そう言えばさ、《 セロッタ商会 》は花火大会に参加しないのか?
米●町の花火大会の時、参加する企業の中に名前が入ってなかったよな 」
セロフィート
「 毎年、夏祭りと花火大会が滞りなく行える様、裏方としてサポートしてます。
縁の下の力持ちとして、表舞台からは一線引いてます 」
マオ
「 そ…そうなんだ 」
セロフィート
「 貢献は出来る時にして、恩を売ります。
裏方の立場を最大限に利用し、牛耳ります。
此方に依存させてしまえば、征するのは容易いです。
天下を掴みたいなら、人の嫌がる事も率先し、自分の株を上げつつアピールします。
相手を依存させ、頼らないと何も出来ない役立たずな駄目人間へと調教すれば良いのです 」
マオ
「 調教って…… 」
セロフィート
「 気を付ける事は、“ 信頼の出来る人 ” になる事を目指し、“ 便利な人 ” にならぬ様に努める事です。
“ 便利な人 ” にならぬ為にも、相手を駄目人間へと調教し、用済みとなれば容赦無く捨て去ります 」
マオ
「 えっ、捨てる?? 」
セロフィート
「 同情は厳禁です。
本気で依存されても困るでしょうに。
駄目人間へ堕としてから捨てれば勝手に自滅してくれます♪ 」
マオ
「 何ておっかない事を言うんだよ…… 」
まぁ、それでこそのセロなんだけど……。
天下を取る気ではいる訳か──。
マオ
「 じゃあさ、来年も再来年も花火大会には参加する予定は無いんだ? 」
セロフィート
「 今の所は無いです。
マオは《 セロッタ商会 》が打ち上げる花火を見たいです? 」
マオ
「 まぁな~~。
キノコンとかベイにゃんとか──可愛いキャラクターの花火が夜空を彩ったら綺麗だろうし、子供が喜んで盛り上がると思うんだ。
今でもハートとかニコちゃんが打ち上げられてるけどさ、何れもイマイチで盛り上がらないし…… 」
獅聖幻夢
「 マオ殿は手厳しいですね。
打ち上げ花火も自然を相手にしますから、イマイチに見えてしまうのは致し方無いと思いますよ 」
玄武
「 うむ──。
作る職人は大変だがな 」
弓弦
「 《 セロッタ商会 》が打ち上げる花火なら、自然の影響を受けない綺麗な花火を見れるかも知れないな 」
マオ
「 だよね!
セロ、来年は無理でもさ、再来年は花火大会に参加してくれよ。
良いだろ?
夜空に輝く御当地キャラクター達の花火を見たいんだ! 」
セロフィート
「 考えときましょう。
呉々も期待はしないでください 」
マオ
「 分かった!
再来年の花火大会を楽しみにしてる! 」
セロフィート
「 はいはい。
キノコン達が張り切りますね 」
獅聖幻夢
「 良かったですね、マオ殿。
再来年の花火業界は震撼する事でしょう 」
玄武
「 花火業界を揺るがすニュースになるかも知れぬな 」
弓弦
「 新たな事業が始まりそうだな 」
マオ
「 えっ──、新しい事業??
何で? 」
セロフィート
「 マオは知らなくて良いです。
( 花火業界への進出ねぇ。
まぁ、暇潰しには言いかも知れないね── )」
マオ
「 むぅ~~。
また、そうやってオレを除け者にするんだな! 」
セロフィート
「 マオ、機嫌を直してください。
マオに似合う男物の浴衣を買いに行きましょう 」
マオ
「 本当か?
やったぁ!! 」
セロフィート
「 明日、呉服屋へ行くとしましょう 」
マオ
「 うん! 」
獅聖幻夢
「 もうマオ殿の可憐な浴衣姿は見れないのですか? 」
玄武
「 似合っている故に残念でならぬな…… 」
弓弦
「( 今夜で見納めになるのか…… )
マオに似合う男物の浴衣が有れば良いのだが? 」
玄武
「 おーだーめいど……とやらになりそうではないか? 」
獅聖幻夢
「 それは良いですね。
是非とも生地選びをしたいです 」
セロフィート
「 明日は5人で呉服屋へ行くとしましょう。
楽しみですね、マオ 」
マオ
「 そだな…… 」
楽しみって言うか、不安しかないや……。
男物の浴衣とは言え、女物の絵柄の生地とか選ばれそうで不安かもだ……。
きっと丸々1日、潰れちゃうんだろうな。