⭕ 夏祭りと花火大会 7
──*──*──*── 階段下
マオ
「 幻夢さん,玄武さん,弓弦さんに連絡しないとだな。
LINEしとかないと── 」
セロフィート
「 マオもすっかり現代っ子ですね 」
マオ
「 茶化すなよ(////)
覚えるのに苦労したんだからな! 」
オレはスマホの画面をLINEの画像に変える。
文章を打って、幻夢さん,玄武さん,弓弦さんと共有しているグループへLINEを送信した。
マオ
「 よし、出来た!
一応、階段の下で待ってる事を送ったよ 」
セロフィート
「 有り難う、マオ。
霄囹さんとキギナさんへもLINEしました? 」
マオ
「 しなくて良いだろ。
あの2人が居ると険悪なムードになるから呼びたくないよ。
幻夢さん,玄武さん,弓弦さんもなるべく2人と関わらない様に避けてるみたいだしな 」
セロフィート
「 随分と嫌われている様ですね。
眷属同士、仲良く出来ません? 」
マオ
「 難しいと思うな。
特にシュンシュンは玄武さんに対してかなりやらかしてるからさ、玄武さんはシュンシュンを警戒してるんだ。
『 仲良くして 』なんて被害者の玄武さんには禁句だよ。
酷だし、また引き籠っちゃうかもだろ。
一応シュンシュンには玄武さんへの接近禁止令を出してるし、弓弦さんと幻夢さんが玄武さんへのガードはしてくれてはいるけど── 」
セロフィート
「 何か問題が有ります? 」
マオ
「 ……….弓弦さんは女性が苦手で嫌悪感が半端ないだろ。
無駄にキャンキャン煩いキギナとウザい惷麗を敵視してるんだ。
『 仲良くして 』なんて言える関係じゃ無いよ。
幸いなのは、キギナが “ 弓弦さんラブじゃない ” って事かな。
キギナが2次元キャラを好いてる子で良かったよ 」
セロフィート
「 幻夢さんはどうです? 」
マオ
「 幻夢さんは──、シュンシュンにもキギナにも苦手意識や嫌悪感は無いみたいかな。
オレが見る限りでは普通に接してるよ。
3人の中で1番の年長者だからか、シュンシュンとキギナの事を肯定しているし、シュンシュンとキギナのあしらい方は流石だと思うよ。
シュンシュンもキギナも幻夢さんの前では割かし大人しいし。
シュンシュンの方が幻夢さんから距離を取っていて避けてるぐらいだしな 」
セロフィート
「 そうですか。
それは大変な人間模様が展開されてますね 」
マオ
「 そだな……。
玄武さんはシュンシュンと惷麗がNGだし、弓弦さんは惷麗とキギナがNGだし、シュンシュンは幻夢さんがNGかな。
シュンシュンも陰陽師関連では幻夢さんと話が合うから、ガチで幻夢さんを嫌っている訳では無さそうかな 」
セロフィート
「 マオの腕前に掛かってますね♪ 」
マオ
「 オレに丸投げしないでくれよな!
オレの眷属を勝手に増やしてるのはセロなんだから、責任取ってくれよ 」
セロフィート
「 ワタシがです?
マオに出来ない仲裁をワタシが出来ると思わないでください 」
マオ
「 セロなら出来るだろうが! 」
なんてセロと話し込んでいたら、誰かがセロに声を掛けて来た。
オレが全く知らない人だ。
???
「 セロフィートさん!
貴方が来ていると聞いて飛んで来ました!
事件解決の為にまたセロフィートさんの知恵を貸してはくれませんか? 」
セロフィート
「 寺尾刑事、お久し振りですね 」
マオ
「 一寸セロ、誰さんだよ?
何で刑事と知り合いなんだよ!
警官とも親しそうだったし── 」
セロフィート
「 とある事件の捜査をしていた時に知り合いました 」
マオ
「 事件の捜査ぁ? 」
セロフィート
「 殺人事件です。
運悪くワタシの居たレストラン内で起こってしまいまして…… 」
マオ
「 レストランで殺人事件…………。
──そんな事より、誰とレストランに行ったんだよ!
オレ、知らないんだけどぉ!? 」
セロフィート
「 1人です。
待ち合わせをしてました。
事件が起きた所為で中止になりました 」
マオ
「 誰と待ち合わせてたんだよぉ!
浮気じゃないよなぁ!! 」
セロフィート
「 ビジネスです 」
マオ
「 “ 浮気 ” って書いて “ ビジネス ” って呼ぶヤツだろ!
オレが居るのにぃ!! 」
セロフィート
「 何故ワタシが浮気します?
タラシのマオと一緒にしないでください 」
マオ
「 はぁぁぁぁあ?
誰がタラシだよっ!!
オレはタラシじゃないぞ! 」
セロフィート
「 兎に角、レストランで起きた殺人事件を迅速に解決する為、刑事さんの捜査に協力したのが切っ掛けです。
ワタシ、過去には探偵もしてましたし 」
マオ
「 あ、あぁ……迷探偵の── 」
セロフィート
「 誰が迷探偵ですか。
ちゃんと名探偵してました 」
マオ
「 その殺人事件に居合わせたのが、この人なんだ? 」
セロフィート
「 寺尾刑事、この事件の捜査担当に任命されました? 」
寺尾刑事
「 えぇ、まぁ……。
今、別の案件で刑事が出払っている状態で── 」
セロフィート
「 今から捜査を始めます? 」
マオ
「 天狗の仕業で片付けるんじゃないんだ? 」
セロフィート
「 マオ、捜査も始めてないのに天狗さんの仕業にしてはいけません 」
寺尾刑事
「 いゃ、その……まさにそれで── 」
セロフィート
「 はい? 」
マオ
「 どゆこと? 」
寺尾刑事
「 緋穂神社の裏林は──、天狗様の庭で……この事件は天狗様の仕業に違いないから、自分達は関わらない──と年配の先輩達が捜査を断ったので、若手に回されたんですよ…… 」
セロフィート
「 先輩刑事さん達は天狗伝説を “ 信じている ” という事ですか? 」
寺尾刑事
「 えぇまぁ……。
多いと思います。
この地域に昔から根付いている伝説みたいですし、現場には黒い羽根も落ちていましたから──。
先輩刑事達から聞いた話では、黒い羽根が落ちている事件は天狗様が関わっている事件だと── 」
マオ
「 黒い羽根?
鳥の羽根じゃないの? 」
寺尾刑事
「 違うんだよ。
鑑識に調べてもらったんだけど、鳥の羽根とは別物なんだ。
黒い羽根の鳥なんて烏しか居ないのに……、烏の羽根ですら無いって事で──。
結局、何の羽根か分からないから、“ 天狗様の羽根 ” って事になってるみたいなんだ…… 」
マオ
「 鳥じゃない黒い羽根…………。
{ セロ──、オレさ思い当たる節が有るんだけど…… }」
セロフィート
「{ 実物を見てませんし、断定は出来ません }」
マオ
「{ そだよな……。
決め付けるのは早いよな? }」
セロフィート
「 運ばれた被害者達は無事です?
酷い火傷を負っていた──と聞きましたけど 」
寺尾刑事
「 …………息は有りませんでした。
全員、死亡していました。
差し込まれていた花火を抜く作業が大変だと聞いています。
何だって、犯人は口と尻穴に花火を突っ込んだんだ?? 」
セロフィート
「 真相は犯人に聞けば明らかになります 」
マオ
「 木に吊るされてた40人が全員、死んでたって事?
…………他殺……殺人事件??
事故や自殺じゃないもんな。
犯人は複数犯かな?? 」
セロフィート
「 単独犯では無いのは確かでしょう。
夏祭りの後には花火大会が控えてます。
犯人達が花火を選んだ理由も関連してるかも知れません 」
マオ
「 因みにさ、何で全裸だったんだ??
殺すにしても真っ裸に剥く必要って有ったのか?? 」
セロフィート
「 花火を差し易くする為に脱がせた可能性は有ります。
場所が場所ですし 」
マオ
「 …………変態の羞恥プレイみたいだな……。
第1発見者にとっては凄まじいトラウマになりそうかも…… 」
セロフィート
「 災難ですね。
それも仕方無いでしょう。
神社の裏林は普段から立ち入り禁止となっている場所の様ですし。
無断侵入していた罰だと思い、割り切ってもらうしかないでしょう 」
マオ
「 ははは……。
第1発見者は自殺志願者とかじゃないよな? 」
う~~~ん、事件の話で盛り上がって来たぞ!!
◎ 訂正しました。
幸いなのは、─→ 幸いなのは、