✒ 夏祭りと花火大会 6
セロと一緒に会場を歩き回って、夏祭りを満喫する。
やっぱり祭りは楽しい。
1番好きな人と見て回れるんだから、楽しいに決まってる!
セロもオレと同じ気持ちだったら嬉しいんだけど──、人形ってのは色々とズレてるからなぁ~~。
期待はしてない。
マオ
「 セロ、祭りは楽しいか? 」
セロフィート
「 はい?
楽しんでますけど?
マオは楽しくないです? 」
マオ
「 楽しいに決まってるだろ。
セロが居るんだからさ! 」
セロフィート
「 マオ……。
嬉しい事を言ってくれますね。
誘ってくれてます? 」
マオ
「 何でそうなるんだよ!(////)」
セロフィート
「 ふふふ…。
マオの照れ屋さん♪
今夜『 いいこと 』しちゃいます? 」
マオ
「 ──っ(////)
したい…………けど…(////)」
セロフィート
「 ふふふ♪
マオ──、緋穂神社が見えて来ました 」
マオ
「 うん(////)
あの長い階段を上がるんだよなぁ~~。
はぁ………… 」
セロフィート
「 お姫様抱っこします? 」
マオ
「 なっ、何言ってんだよ(////)
自分で歩けるよ!(////)」
セロフィート
「 遠慮しないでください。
マオとワタシの仲でしょうに。
マオは軽いですし 」
マオ
「 何時も『 スプーンより重いの持った事ない 』って言っては、荷物を持つの嫌がるくせにぃ!! 」
セロフィート
「 心外です。
そんな事、言ってませんし 」
マオ
「 はぁ~~?
言ってるだろが!
惚けないで認めろよな! 」
セロフィート
「 ──はて?
マオ、立ち入り禁止になってます 」
マオ
「 はぁ?
話題を変えるなよ! 」
セロフィート
「 緋穂神社には行けません 」
マオ
「 えっ?
マジか?? 」
セロに言われてオレも緋穂神社を見てみる。
階段の下には警官が左右に1人ずつ立っていて、黄色いテープで通せんぼされていた。
マオ
「 えっ──事件??
楽しい夏祭り中に事件が起きたのか? 」
オレは思わずに右側に立つセロを見てしまう。
反射的に首が動いちゃうんだな。
「 セロ、何かしたのか? 」って言葉が喉から出て来るのを何とか呑み込んだ。
セロフィート
「 マオ、事件が起こる度にワタシを疑うのは止めてください。
マオと一緒にデートしていたワタシにはアリバイが有ります 」
マオ
「 アリバイは偽装が出来るから “ 当てにならない ” とか言ってたの誰だよ? 」
セロフィート
「 ワタシにアリバイ工作が不要なのは、マオが1番分かってると思いますけど? 」
マオ
「 …………確かにな 」
そうなんだよな。
古代魔法を使えば、遠く離れた県外でも完全犯罪を起こす事も可能なセロが、無意味なアリバイ工作をする必要は無い。
マオ
「 セロが関与してないって事はだ、普通の人為的な事件って事かな? 」
セロフィート
「 さて、どうでしょう。
お巡りさんに聞いてみます? 」
マオ
「 守秘義務が有るだろ。
お巡りさんが簡単に教えてくれるもんかよ…… 」
オレの心配を余所に、セロは階段の下で見張りをしている警官に声を掛けると親し気に会話を始めた。
セロ──、何時から警官と仲良くなったんだよぉ!!
フレンドリー過ぎるだろぉ~~。
セロフィート
「 どうやら、緋穂神社の裏林で木に吊るされた全裸の男性が居ると通報が入ったそうです。
40人程居て病院へ搬送された後だそうです 」
守秘義務の意味ぃ~~!!
部外者の一般人に教えちゃって良いのかよ、警官さん!!
マオ
「 …………男が全裸で木に吊るされてた??
…………天狗の仕業かな? 」
セロフィート
「 天狗の所為にしないでください。
天狗は人間を木に吊るすなんてしません。
全裸にはするでょうけど 」
マオ
「 ぜ…全裸にはするんだ……。
天狗も剥くのが好きなのかな?? 」
セロフィート
「 衣類や所持品は売れますし 」
マオ
「 天狗が売るのぉ!? 」
セロフィート
「 時代に合わせて上手く生きてますし、それぐらいはします。
どんな時代でも “ お金は必需品 ” です 」
マオ
「 そだな……。
お金は大事だもんな…… 」
セロフィート
「 搬送された男性達は皆、顔と尻を酷い火傷を負っていたそうです。
口に花火を咥えており、尻にも花火が差し込まれている状態で発見されたそうです 」
マオ
「 …………どゆこと??
全裸で木に吊るされていた男達が、花火を口に咥えた状態で火傷をしていたって事か?
尻にも花火を差し込んで??
とんでも変態プレイだな…… 」
セロフィート
「{ 尻に牛蒡を差し込む発想をしたいつぞやのマオみたいです }」
マオ
「 オレじゃないからな!
オレは無関係だぞ 」
セロフィート
「 知ってます。
安心してください。
マオのアリバイ工作はワタシが作ります 」
マオ
「 勝手に犯人扱いすんな! 」
セロフィート
「 本気にしないでください♪ 」
セロは可笑しそうにクスクスと笑っている。
全く笑えない冗談だよ!!